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格ゲーコミカライズよりも格ゲーの面白さを表現した小川雅史の「速攻生徒会」 [名作紹介]

ストリートファイターの5作目が発売になった。いきなり悪評ニュースを見て、ジョジョASBの再来かと不安になったが。さて、現在までつながる格ゲー文化の原点となったスト2の登場が91年だそうである。四半世紀以上が経過していることになる。当時のブームを知らずに遊んでいる若者もいるだろうということで、スト2ブームの影に咲いたあだ花を紹介しようと思う。
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「速攻生徒会」はスト2パロディ漫画の一つである。今は亡き新声社のコミックゲーメストで連載された。コミックゲーメストはアーケードゲームのコミカライズが売り。速攻生徒会はオリジナルの漫画でありながらも、スト2ネタを作劇の根本に置くという、珍しい構成の作品だった。ジャンルは学園格闘ギャグ漫画になるか?
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異常な強さの女子高生ヒロインは、格ゲーそのままのコマンド入力で不良男子生徒をやっつけ、その強さの根拠を「ストリートファイターだから!!」とのたまう。出てくるライバルキャラクターはやはり格ゲーキャラの様な性能を持っている。
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この漫画はヒットし、ドラマCDやゲーム化もされた。他のコミカライズと何かが違っていた。それは何だろうと考えてみたが、こういう事なのではなかろうか。当時は格ゲーブームで多くの格ゲーがコミカライズされていた。当たり前ではあるが、それらはゲーム知識のない一般人でも読める「漫画」である事にこだわり、ゲーマーたちがゲームから受けていたカタルシスを表現することを忘れていた。簡単にいえば、速攻生徒会は読者層を狭めたニッチ戦略で成功したと考えられるのでは無いか。この漫画からは、平凡な格ゲーコミカライズ作品には無い、格闘ゲームをやった人にしか分からない楽しさがあるのだ。
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しかし速攻生徒会は雑誌が休刊となり、連載は完結。単行本は途中2巻までの絶版に(のちに他社が全話単行本化)。作者の小川雅史もその後パッとしない。思うに、一般人でも読める漫画であることにこだわったせいではないか。

速攻生徒会を読んでいる時には不思議と全く思わなかったのだが、アフタヌーンで「風林火嶄 」を読みだして、あまりこの人は漫画がうまくないなと思った。劣化したわけはなく、目指すジャンルと作風が合ってないからボロが出た感じだ(シリアス度が増す速攻生徒会の後半にもその傾向は見える)。「風林火嶄」は速攻生徒会の続編の様な内容だったが、一般人が読める格ゲーコミカライズになってしまった様に思える。小川と同じく、新声社育ちの好きな漫画家、雑君保父も同じだ。一般人も読める漫画を描こうとして、いまいち魅力を発揮できてない様に思う。だからと言って、メジャーを目指さなければ漫画家の生活も苦しいだろう。ファンとしては歯がゆい限りである。

速攻生徒会 全3巻完結(アフタヌーンKC) [マーケットプレイスセット]

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  • 作者: 小川 雅史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • メディア: コミック



速攻生徒会

速攻生徒会

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 1996/03/06
  • メディア: CD



速攻生徒会

速攻生徒会

  • 出版社/メーカー: バンプレスト
  • メディア: Video Game


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