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劉備が天下統一してたら関羽張飛孔明は殺されていた?根拠は横山光輝「史記」:その2 [歴史漫画]

劉備とコンパチと言われる劉邦が天下統一した後にやった功臣大粛清。「神ゲーもクリアすると中古屋に売られる」と韓信が言ったとか言わなかったとか。

続きです。

かっこいいジジイだが、最後はお歳暮になった彭越(ほうえつ)
赤龍王1彭越.png
旗揚げの際に規律を守る事の重要さを説くエピソードがかっこいい彭越。盗賊のスキルを活かしてゲリラ戦法を展開。韓信と並ぶ劉邦サイドの軍人ランキングベスト3に入るキャラクターなんだそうだが、本宮も横山も旗揚げエピソード以外の印象が薄い。
史記13彭越.png
やはり謀反を疑われたものの、蜀に島流しで済んだ。移動中に劉邦の奥さんに会ったのが運の尽き。田舎に帰りたいと泣きついたが相手が悪かった。流罪では甘いと見ていた劉邦の奥さんは、彭越を劉邦の元に連れて帰り処刑を猛プッシュ。哀れ彭越はバラバラの塩漬けにされて諸国の王にお歳暮にされた。

こう見えて意外と病弱。保健室の猛将、黥布(げいふ)。
赤龍王8黥布.png
黥布は罪人から王にまでなった猛将。彼が敵側から寝返ったことで勢力のバランスは大きく崩れ、劉邦の天下取りにつながった。韓信、彭越の次は自分だと悟った黥布は反乱を起こす。結局、劉邦軍の物量に負けて死んでしまうが、その戦いの矢傷が元で劉邦は死んだ。

生まれし月日は同じの義兄弟だったが亡命する羽目に盧綰(ろわん)
赤龍王8b.png
横山光輝漫画には一切登場しないが、赤龍王では扱いが大きい。しかし何のためにいるのかよく分からないジャージャー・ビングスの様なキャラクター。劉邦と同い年なのにハゲていて年齢不詳だし。蒼天航路における簡雍的なカウンセラー的相談役ポジションにいたらしい。劉邦の寝室に出入り自由を許されるほどに信頼されていたが、燕王を任されてから運命が狂いだす。反乱の鎮圧を任されたものの、かつての仲間が劉邦に疑われ、粛清されていく世間の空気に負けた。戦争が終わったら用済みになると思った盧綰は敵と密約を交わして戦争を長期化。それがばれて劉邦のデスノートに名前が書かれるハメに。盧綰は亡命した。

空気が読めなかった王陵(おうりょう)
赤龍王1b.png
劉邦が亡くなっても安心できなかった。王陵はかつて劉邦を手下にしたこともあるヤクザの親分。赤龍王では七福神のようなオッサンに描かれているが、横山光輝「項羽と劉邦」では横山三国志の姜維のようなイケメンルーキーに描かれている。しかし横山「史記」ではオッサン化。
史記13王陵.png
国の乗っ取りを狙う劉邦の奥さんの、「劉邦の遺言守らないとダメだと思う人〜♪」の呼びかけにただ一人手を挙げ、周囲から浮き上がり標的にロックオン。引退に追い込まれた。

「100万の兵を指揮したけど獄吏怖い」の名言を残した周勃(しゅうぼつ)。
赤龍王8周勃.png
赤龍王では「周勃のバカもいる」だけが登場シーン。旗揚げ前ははたおり職人だったらしいが、軍人のセンスがあったらしい。100万の兵を指揮できたようだが、赤龍王では百姓のオッサンの様に描かれている(本宮ひろ志はこういうセンスが惜しい)。
史記14.png
劉邦の奥さんの死後、その一族をやっつけて平和を取り戻す。しかしその後、謀反を疑われ拷問にかけられる。やっぱりバカだったらしく、ただし愛されるバカ。それが幸いして助命嘆願されて釈放された。

以上。
まだまだ被害者はいるけども、なにしろ横山も本宮も書いてないのでここで終了。



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  • 作者: 横山 光輝
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流浪牙-NAGARE@KIBA-

そのへんについては本宮先生や横山先生etc.の解釈より、
明智憲三郎先生の解釈の方が適切では無いのか? と最近は思うのですが……

(WEB掲載版からの抜粋)
>戦国武将は自分の一族の生き残りを自分の責任として、その責任を果たすために最善を尽くして必死に生きていました。
>
>彼らが責任を負っていたのは自分一代のみのことではなく、子や孫や子孫代々への責任をも負っていました。
>このことは先祖や子孫への感性が薄れた現代人にはピンと来ないことかもしれません。
>平家物語の描く悲劇は平清盛が自分一代で栄華を極めながら、自分の死後に一族滅亡をもたらしたことでした。
>
>そうならないように自分が生きている間に最善の手を打っておくことが天下人に求められていました。
>秦の始皇帝や豊臣秀吉は自分の死後に家臣によって子を殺されて天下を奪われました。彼らは明らかに失敗したのです。
>一方、漢の国を建てた劉邦は天下を取るとそれまで自分を支えてきた重臣を次々と殺して、四百年続く漢王朝の基礎を作り上げました。徳川家康も豊臣家を滅ぼして徳川の長期政権を築きました。
>彼らの所業は非情なものでしたが、天下人としては見事に成功したのです。
>このような武将の考え方を理解して歴史を見直すと、武将もずいぶん変わって見えてくると思います

「ダメだけどいいやつ」とか「すでに状況から見て役割を終えた臣下」や「陛下のようになりたいと望む大勢の者」をどうしたらいいのか? それは難しいところですね……どうしましょう?
by 流浪牙-NAGARE@KIBA- (2019-10-27 18:59) 

hondanamotiaruki

基本、友情努力勝利の少年の心を持って読む漫画のスタイルで描くからこそ、実像とかけ離れたキャラクター描写になってしまっているってことはあるかもしれませんね。

所詮主従関係も一族繁栄のための手段であるってことを徹頭徹尾行動原理の基本におくというキャラクター描写の歴史漫画があっても面白いのかもしれません。

曹操孟徳は「唯才是挙」と実務能力だけを求めた徹底したウルトラ合理主義者でしたが、それが下克上を招き、結局のところ家柄や人格を重視して登用した方が一族繁栄のためには効率が良いなんて話もあります。面白いですよね。今度これで記事を一件夏侯惇。
by hondanamotiaruki (2019-11-20 07:48) 

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