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2000万部超えのキングダムの面白さが分からない [この人気漫画が面白くない]

新ジャンル、「この人気漫画が面白くない」です。
面白い、面白くないというのはひとそれぞれ。それを理解してこそ大人のレビューだと思います。「後で面白くなる」ことも多いです。「沈黙の艦隊」や「ベルセルク」などは最初面白いとは思えなかった。マイナーなとこでは新谷かおるの「ガッデム」とか。ヒットしているにも関わらず、今のところ自分の感性にははまらない作品を紹介していきます。

第一回は「キングダム」。
秦の始皇帝の少年時代から始まり、天下統一するまでの話だそうです。現在単行本40巻以上、発行部数2000万以上。掲載誌ヤングジャンプが実写映像を作るほどの力の入れようです。アメトークでキングダム芸人の回があるほど、熱狂的なファンを生み出しています。

ネットで無料で読めるキャンペーンがあって、1〜2巻あたりを読んでみたことがありました。立身出世のために武芸を磨く少年二人。その片方がお城に貰われ死亡。死んだ少年のそっくりさんが、幼き日の始皇帝という展開。後日、アメトークで若林が1巻を読み終えてハマってる映像を見ましたが、正直自分には新鮮な展開とは思えませんでした。

まず連想したのはベルセルクです。幼き日の始皇帝と、主人公の関係に、グリフィスとガッツが浮かびました。ベルセルクも面白いと思ったのは黄金時代編からなので、この漫画もそうなるのかなと思って読み進めていきましたが、戦記物というよりはバトル物の少年漫画のような展開で、ここで心が折れました(別に少年バトル漫画が嫌いなワケではない)。そもそも、この時代のことってどれだけ分かってるの?と思い、調べてみましたが、キングダムの内容はほとんどフィクションだそうです。
キングダム史記7.png
偏見でぶった切るのが許されるならば、ここまでの感想は、横山光輝らが描いた中国歴史漫画をロクに読んだこともないような層が喜ぶ漫画、というようなものでした。MASTERキートンパイナップルARMYを読んだことの無い奴が、MONSTER20世紀少年を絶賛してるみたいな。
キングダム赤龍王6.png
それから数年の間、世間で盛り上がり続けているプレッシャーに耐え続けていたのですが、ふと立ち寄った飲食店にキングダムが全巻揃っている。店を出るまでに全巻読んでやる!と思いましたが、時間的に5巻ぐらいまでが限界でした。徐々に戦記モノっぽくなってはきましたが、リアリティのない山の民の格好とか、その長が女だったりとか(アメトークでこの展開を見どころの一つに挙げてる芸人がいて少し呆れた)、ラストボスのパワーキャラとバトルという展開で、やっぱり面白いとは思えませんでした。

この記事を書くにあたって、アメトーーク! を見ましたが、やはり初期の頃は人気がなかったそうで(師匠の井上雄彦のアドバイスがキッカケだったそう)。芸人たちも1巻がダメなら6巻まで読んで、それでもダメなら16巻まで、26巻までと、布教に苦労してる様子が伝わってきました。なので、自分の感想もあまり的外れでもないなと安心もしました。芸人が語るその後のキングダムの展開は面白そうで、いつか続きが読めたらいいなと思いました。



キングダム 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

キングダム 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/05/19
  • メディア: Kindle版


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コメント 4

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全くもって同意致します
中国全土を震撼させた六将…に匹敵する三大天…にも引けを取らないがなぜか名の上がらない○○千人将…ETC… まるでドラゴンボールです
それなら主人公がチート能力で全戦快勝…と思いきや戦の度に段違いの敵将に何故か気に入られて分不相応なのに生き延びてあまつさえ将軍になろうとしています
自分は単純な性格なので 明らかに脇役で早々にフェードアウトすると思っていた渕さんが重要人物になる辺りまでは割とワクワクしていました
それまでもベルセルクの黄金時代編に似ていて(はっきり言って面白さは段違いだが)それなりに面白かったのですが王騎の死亡後は殆ど蛇足と言っても過言ではないです
秦が他全国に攻め入れられる所で辟易して読むのを止めましたがどうせ少数で敵将を討って秦は存続した事でしょう
もしこの漫画に魅力を感じたならベルセルクを読んでほしいです 話の本筋でこそ無いですがキングダムによく似た一下級兵士の成り上がりの物語が短い話数で楽しめます
現実に起こっても不思議ではないという作風ならヒストリエで不満を覚える事は無いでしょう
キングダムが売れている現象はこの記事が書かれた2年後からしても不思議でしょうがないです あまり漫画を読まない人には面白い作品なんでしょうかね
by _ (2018-01-31 12:50) 

1up

ああ、もう記事書いてから2年近く経ちますか。あれから銭湯で10なん巻まで読んだんですけど、やはり心を動かされるものがないですね。

最近、進撃の巨人のアニメがキッカケで、生まれて初めて漫画を読んだという女子大生と知り合いました。その年まで漫画を!他にもっと名作があったろうに!というのが衝撃的だったんですけども、俺が勧めるような漫画じゃ引き込めなかったんだろうなあとも思います。何かあるんでしょうね。一生理解できる気はしませんけども。
by 1up (2018-02-01 23:19) 

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ブームに逆張りの批判をして俺カッケーするようなタイプではなく、どちらかと言えばミーハーの雑食かつ甘口批評です。
後から化ける作品もある事を踏まえて6巻まで購入しましたが、クライマックスの戦闘シーンですら燃えるようなことはなく…まとめ買いも中断しました。
撮り貯めしていた3期の半分まで観ましたが、おそらく屈指の見せ場であるモウブ対カンメイの一騎打ちでものめり込めませんでした。
吉川英治の小説.三国志演義を読むぐらいの根気と中国史に多少の関心はあるのですが…
これ無料漫画アプリで提供されたとしても、惰性かつ義務的に読み続けて苦痛になるだろうなぁ
by お名前(必須) (2022-08-22 23:57) 

智

7年前に書かれた記事に今更コメントするのもどうかと思うのですが、もうすぐ発行1億部に到達すると言うので。私は連載第1話はヤンジャンで読んだし、最新刊まで全部買ってるので批評する資格はあると思うんですよね。で、面白く...ない!
ただ主さんと違って、一般的に人気がないと言われる初期の皇弟の反乱あたりまでは割と好きなんですよ。中華風バトル漫画という感じで、実際、肉弾戦のアクションの見せ方なんかはかなり上手いと思います。あくまで中華風なので山の民のコスチュームなんかも気になりませんでした。
ただこれが本格的に歴史物になってくると、やっぱりツライ。この作品が成功した要因は、退屈な歴史を友情・努力・勝利のジャンプフォーマットに落とし込んだことだと思うんですが、おかげで謀略や政治の部分が全然描けてない。ただ皆で机を囲み、額をつけ合わせ脂汗を流してウンウン言ってるだけ。そして肝心のバトルも主人公が馬に乗り始めてからはイマイチ。変わらない画角でウオオ!、ルオオ!と叫び合うだけのマンガに成り果てました。騎馬戦を魅力的に描くのってかなり難しいなと思います。
せっかくなんで良い点を挙げておくと、やっぱり読みやすいってことでしょうね。歴史に興味ない人もストレスなく読めているからこそ売れてるんだと思います。
そのせいで途中で切れなくて惰性で買い続けてるんですが、気になるのは主人公の信って、史書では今連載してるあたりからようやく世に出てきた人物で、秦の統一間際に結構なやらかしをしたことだけが有名な人なんですよね。なのでこれからクライマックスでどう理屈をこねるか(或いは無かったことにするか)だけが楽しみな作品です。
by (2023-10-13 01:47) 

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