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真理の一端?パワハラ、いじめを美化するロジック!本宮ひろ志の「実録たかされ」2巻に学べ! [名作紹介]

自分は周囲から体育会系と見られているが、体を動かすようになったのは近年のこと。団体行動が苦手だし、何よりも上下関係が嫌。

実録たかされ」2巻では大学時代の先輩の「かわいがり」について描かれている。そして後半はいよいよ「空白の一日」に突入していく。根回しによって合格確実と思われていた受験に失敗。野球仲間と一緒に法政に入学するも、野球部は部長と主将の仲がうまくいっておらず、実力ある1年が大挙して入部したことで険悪な空気となる。
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その極みが、当時の主将による江川への試合中の暴行。それに関して取材したところ、会社役員になった元主将が美談として語るところがすごい。そしてこれが掲載され、単行本化されているのもすごい。
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(「僕はね、1年2年と一番先輩に殴られた男です。その辛さやいろんな事が優勝した事によってすべて美しく変わったんです。勝てば補欠だって就職できる。何十年たってもその時の事が誇りにできるんです。卓には感謝していますよ。あいつのおかげで優勝できたんですからね。卓は僕の事を毛嫌いしてるだろうけど僕は卓に感謝しています。)

どうよ、このロジック!痺れる!いじめだの、パワハラだのは廃れないわけである。ちなみにこの後、取材結果を本宮が江川に伝えている。江川のリアクションが「…。」なのも良い。

そして、入部2年目に新主将となった人物。1年時、江川は好感を持っていたそうだが、主将になって豹変。意味のない体罰、しごきを行い出す。
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(「私もきつい事は言ったですよ。上が下をやり過ぎない様にという気持ちもあってね。一年二年の頃はやられた記憶。それが上になると下のだらしなさがやたら目につくというのも現実ですよ。江川達が私達を嫌っているならそれはそれで仕方がないですよ。私だって嫌いな先輩はたくさんいます。)

このコメントを本宮がどう解釈してどういう読後感を与えたくて掲載したのか、実際のところは分からない。社会の現実というのもある。元主将達のコメントには社会に生きる者にはわかる真実の一端がある。本宮プロダクションでは本宮はどのような上司なのだろうか。
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江川にも問題があると本宮は指摘している。
(お前さんってさあ。野球をなめてる所があんだよな‥。熱血じゃねえよな。お前さんの血は野球で熱くなるのはチョコっとだよ。お前さんのピッチングは日本の歴史上のピッチャーの中でNo. 1だって言う人が多い‥。それはお前さんの本気のボールを見せられた人達だ。じゃあなんでパカパカ打たれたのか‥。いいかげんなんだよ七割ぐらい。平気でこっちの夢を壊すんだ。大学時代なんて本気で投げたボール、1試合で五球ぐらいだろう。」)

江川は相手の実力を分析して、それに見合った投球をしていたと語る。5の相手に10出しては損ということだ。そこに計算違いがあると打たれる。周りが歯嚙みする。試合中に江川を殴った主将も、あれには伏線があったと、江川のモチベーションに疑いを抱いていたと語っている。
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(「掛布よ。プロってすげえよな。」「何が‥。」「とにかくボールに当てるもんな。」「ああ〜ん?」江川はね、プロに入るまで自分が本気で投げた球は、どのバッターも空振りすると思い込んでいたんですよ。それを当てるプロはすごいって‥。こいつの野球観は別世界だと思いましたよ。)

「江川さんの球、そんなに速くないすね。」「江川はお前たちに本気で投げてねえよ。」ってエピソードも好き。<続く>


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