編集王に俺はなる!ワンピースよりも3年早かった土田世紀の「編集王」3 [シリーズ]
編集王第3エピソードは女性編集者の話。
「女性編集者が登場して10年弱」と書かれているが、30年弱の世界を描いた「重版出来」と読み比べてみるのも面白いかもしれない。ちなみにこのエピソードは、いわゆる「キャンディキャンディ白紙事件」を起こした話でもある。
彼女が同日に二人の作家からNGを突きつけられるのは大概だと思うが、漫画のキャラとしても華やかし以上の存在価値は無いまま、なんとなくレギュラー化する。
「女だから、と本音で語った男性漫画家の方が傷ついている」というセリフはなかなか味わいがある。
第5エピソードはコミケの話。
主人公が進退を賭けて同人誌即売会の会場で新人を発掘しようとする。
そこで新人が見つかるというオチは考えづらいし、実際の結果も同じである。コミケの世界を描いてみたいという意図以外は考えられないのだが、そもそも「萌え」の世界と相性の悪い作家である。精一杯歩み寄ってる感はあるのだが、どうにも消化不良なエピソードになった。この辺が底で、徐々に編集王は描くべきスタイルを見つけ出す。
コメント 0