漫画原作者の巨星、梶原一騎はいかにして生まれたか?未完の絶版漫画が電子書籍で蘇る「男の星座」 [名作紹介]
「あしたのジョー」「タイガーマスク」「巨人の星」「空手バカ一代」、読者のその後の人生にまで影響を与えるヒット作を連発してきた漫画原作者の巨星、梶原一騎。小畑健&大場つぐみコンビの「バクマン」も梶原の影響を強く受けている。
(画像は「ゴーマニズム宣言」1巻。秘書が男の星座を電車内で読破した話が出てくる)
「男の星座」はその梶原一騎の自伝的漫画だ。作者死去により未完の絶筆。すでに単行本は絶版になっているが、近年電子書籍で読めるようになっている。アマゾンのKindle読み放題対象作品でもあるので、ぜひ読むべき。ちなみに自分は電子書籍版を買っていたが、人にも読ませたいので中古を購入し直した。作画は「プロレススーパースター列伝」(これも梶原一騎原作の超名作)の原田久仁信(はらだくにちか)。
物語は伝説的プロレスラー力道山と、伝説的柔道家木村政彦の日本最強決定戦を若き日の梶原氏が観戦したことから始まる。勝負は力道山が勝った。柔道に熱中していた梶原は失望し、ある空手家に傾倒して弟子入りを懇願する。その空手家がのちの極真流空手の大山(ゴッドハンド)倍達である。やがて梶原一騎は格闘技ライターとして文筆家の活動を始める。絶頂を極める力道山、少しづつ信望者を増やしていく大山。昭和の数々の伝説の一端をこの漫画で読むことができる。
自らの死期を悟ったのか、あまり描いちゃいけないようなすごい話が満載だ。ただ、話を盛る人なのでどこまで本当かわからないが、とにかく面白いのは間違いない。
「ちょいとばっかりツラの印刷がいいからって大の男をコケにしくさってェ〜!」
このセリフがすごい好き。
それはそれとして、上記のコマのような状態に陥る漫画原作者が他にいるだろうか。シュール。
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