リアルな頃も十分面白い、車田正美の「リングにかけろ」を読み始めたら止まらなくなった [名作紹介]
なんとなく「リングにかけろ」を読み始めたら止まらなくなった。
「聖闘士星矢」の車田正美の出世作だ。
途中から超人ボクシング漫画に路線変更して、集英社に「リング階段」を作らせるほどの大ヒットとなるのだが、初期のリアルボクシング路線も十分面白い。
(画像は「実録!神輪会」より)
病死した天才ボクサーを父に持つ姉弟が主人公。
母の再婚相手が古典的なクズ故に田舎を飛び出して上京してボクサーを目指す。天才ボクサーの血を濃く受け継ぐが姉の菊、実際にリングに立つのは内向的な弟の竜児と、とても秀逸なプロットだと思う。二人の関係は坂本龍馬と姉の乙女をモチーフにしているのだろう。吉田松陰や高杉晋作など、幕末の話がやたらと引用されているのも初期の特徴。未だに納得がいかないのは、なぜ母はあんな1コマ目からクズとわかる男と再婚したのだろうかというところ。角刈りぐらいしか共通点ないじゃないですか。ちょっと足りないんじゃないでしょうか、お母さん。
上京した際の東京の描写がやたら怖い。
子供の頃に読んでトラウマだった。
近年、はじめの一歩でも使われだした「パワーリスト」。当時のジャンプのスポンサーとのタイアップだったらしい。今時の子は知らないかもしれないが、昔のジャンプは漫画の途中に広告が入っていた。俺より少し前の世代のジャンプでは、キン肉マンの中に森永商品が登場するなど、漫画の内容そのものに影響を与える広告があったそうだ。現在はその名称をそのまま使うのは問題がある様で、リニューアルされた「リングにかけろ1」では「ドラゴンリスト」に名前が変更された。かなり重要かつ、憧れたグッズなので、もう少しマシな名前にならなかったのかと思うのは自分だけだろうか。車田正美ってネーミングセンスは漫画家トップクラスなのにね。
リングにかけろ 全25巻 (ジャンプコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]
- 作者: 車田 正美
- 出版社/メーカー: 集英社
- メディア: コミック
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