SSブログ

毎週楽しみに読むゴーマニズムに時々がっかりするという当たり前の話 [心に残る1コマ]

もう先々週のことだけど、
ゴーマニズムで予告していた安田純平擁護漫画がついに掲載された。
がっかりずむ1.jpg
「週刊SPA! 」2018年12月11日号

これこれこういう理由でジャーナリストは保護されなければならないって理屈はよくわかるんだけどさ、どこの国だって人間性と相談しての話なんじゃないかなあ。まずジャーナリストのイメージが悪いよ。ジャーナリスト宣言とか広告を打った朝日新聞のせいだ。
陸奥2.png
大事なのは人物だよ。言ってることや党派なんてどうだっていいのサ。主義主張はどうにでも変わるけど人物は変わりゃしないからね。と、勝先生もおっしゃってます)

安田氏も結局謝罪はしたけれど、解放された直後に不満タラタラな姿を見ているから、どっちが本性かといえば後の方だと皆が思ったろう。色々と良くない噂もあるが、信じられてしまっても不思議ではないんでないか。バッシングされるべき人間でないなら、橋下徹が言う通り謝罪が最初に来るべきだったと思う。

そう思って読み返してみると、小林よしのり氏は最初ネットで「武士のような人格」と安田氏を絶賛していたのに、漫画で小林氏は安田氏の人間性の賞賛は全くしておらず、単にジャーナリストを保護しなければならない理由について書いてるのみだ。ネットの噂を色々見て、ちょっと怯んでしまったのではないかと邪推してしまう。

 
ゴーマニズムでは擁護していた人間を、批判するために後で悪辣に描くことがよくある。真っ先に思い出す例は江川紹子だ。幾ら何でもよく書きすぎだろうと当時思った。ちなみに「天使のような人だ」とまで書いている(と思ったのだが今回読み返してみて今現在確認できてない)。一方、最近の江川紹子像は落差が激しすぎる。似ているかもしれないが、確実に愛は減退している。だから安田氏をいま小林氏が絶賛していても、またいつものアレが始まったとしか思えない。
がっかりずむ2.png
(左、1996年「新ゴーマニズム宣言」1巻/右、2018年「ゴーマニズム宣言2nd Season」1巻

そもそも、大東亜編がとても良かっただけに脱力が激しい。
心にやましさがないことを証明するために指を切断したり割腹自殺したり。国士たるもの、これぐらいの苛烈さがなければいけないというメッセージかと思って読んでいた。特に爆裂弾を投擲するテロを起こし自決したが、被害者からもその偉大さを称えられた来島恒喜が衝撃だった。
がっかりずむ3.png
(左、小林よしのり「ゴーマニズム宣言SPECIAL 大東亜論 巨傑誕生篇」/右、安彦良和「王道の狗」

わざわざ赤と黒のマジックインキで工夫してプラカードに命乞いを書き込んだ安田純平氏とそれが同格だというのだろうか。命が助かって良かったねとは思うけども、英雄と称える気にはならない。

 
ゴーマニズムで最近、他にがっかりしたことといえば、TBS社員に強姦されたと訴える伊藤詩織さんの件。彼女に小林氏がエールを送ったことは最近発売された「シーズン2nd」1巻にも収録されていいる。ツイッターで知ったのだが、彼女宛てに送られたという応援の手紙の内容を知って衝撃を受けた。血の気が引いた。差出人がカバキ事件の被害者だったのである。

カバキ事件は初期のゴーマニズムでも扱っており、その内容に本人が否定的な反応をしたことにより、小林氏はセカンドレイプと認め謝罪している。あれも描くにあたって、女性スタッフや担当編集者(女性)と何重にかチェックしているだろうが、ああいうことになってしまうのである。ゴーマニズム好きとしては思い出してたいそう落ち込んでしまう出来事だった。まあ、時々思い出すべきなのかもしれない。

 
最近のゴーマニズムは政治ネタが多くて辛い。政治はどうにもわかったような気がしない。すぐに成果に現れるようなことでもないし、過去の歴史においてもいまだに賛否が分かれるものもある。良い成果が得られたとしても、近い未来に悪い結果につながるようなこともある。基本的に「やらない人」が「やってる人」を好き放題批判するのは卑しい行為だと思うのだが、政治はそれが許されるという理屈も受け入れがたい。かといって小林氏に政治をやれとも思わないし、やって上手くいくとも思えない。

今は小林氏は枝野推しだけれども、薄っぺらい。手のひら返しは目に見えている。また脱正義論みたいなことになる。良いときは賛美、悪い時は批判、それが柔軟さと言えばその通りだけれども、面白い漫画のフォーマットに適してないのではないか。枝野に失望したら筆を折るぐらいの覚悟で描いてくれたら興味が湧くのかもしれない。折って欲しくはないけども。

だからどちらかというと、もっと身近な話題を扱いそうな「よしりん辻説法」の方に期待してしまうのである。

 

ゴーマニズム宣言 2nd Season 第1巻 (SPA!コミックス)

ゴーマニズム宣言 2nd Season 第1巻 (SPA!コミックス)

  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2018/12/10
  • メディア: Kindle版



Black Box

Black Box

  • 作者: 伊藤 詩織
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/10/18
  • メディア: 単行本


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。