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打ち切りの2年後に森高千里主演でドラマ化されたジャンプ漫画の傑作!富沢順「ガクエン情報部H.I.P.」 [名作紹介]


ガクエン情報部H.I.P. 1

ガクエン情報部H.I.P. 1

  • 出版社/メーカー: コアミックス
  • 発売日: 2017/06/16
  • メディア: Kindle版

富沢順の「ガクエン情報部H.I.P.」を電子化した。
1984年連載のジャンプ漫画。
全3巻で、打ち切り漫画の範疇に入るだろうが、これが今読んでも面白いのである。

有料で学校の様々なトラブルの解決を請け負う個性派グループに、今でいう広瀬康一的お人好し主人公が巻き込まれるコメディ。基本一話完結で、当時の時事ネタを学校スケールに落とし込んだ風刺漫画でもある。戦うべき敵がインチキ健康水ブローカーだったり、批評家だったり、現在でも通じるテーマばかりである。
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まあ少年漫画らしくなかったといえばそうなのかもしれない。「奇面組」と「こち亀」の中間みたいな作品という分析もできるだろう。富沢順のこういう作話能力の良さは青年誌に移ったあと、「企業戦士YAMAZAKI」で広く世間に認められることになる。

ヒロインの「シャープペンの遊子」というキャラクターも、今読んでも素晴らしい。
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シャープペンを武器にするのは、当時大ブームになった実写ドラマ版「スケバン刑事」(主人公がヨーヨーを武器にしている)の影響だと思っていたが、調べてみたらHIPの方が若干早かった。勿論、原作のスケバン刑事はもっと早くにヨーヨーを武器にしている。よくよく考えてみると、学生しか知り得ない学校の秘密をさぐりだすスケバン刑事と構成が非常に似てるといえない事も無い。なんにしても、スケバン刑事ブームの嵐に飲み込まれて終わっていったような印象はある。
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当時、毎回原作を変えて放送していた「月曜ドラマランド」というTV番組があったのだが、そこで実写化されている。主演が森高千里でグループリーダー役の早乙女十三役に高田純次!4年間続いた番組の、事実上最後の作品として抜擢されたのは、なんと連載終了の2年後だったとwikiにある。打ち切り漫画であるにも関わらず、当時の作り手にも強い影響を与えていたことが想像できる。ちょっとだけYouTubeに映像がアップされていたのだが。。。

シャーペンの遊子ではなく「シャーペンのお遊」になってたり、台詞回しもらしく無いし、あまりリスペクトされてる感がなかった。。。

ところで富沢順といえば、作画の上手さ。
アシスタント時代の「リングにかけろ」で富沢順の描いたモブを見つけるのが楽しみだったりもした。
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これだけバトルをうまく描けてもそれだけではヒットしないのが少年ジャンプの難しいところ。

女の子キャラの肉付きとかも素晴らしいのだ。




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