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【追記あり】面白い。アニメも大ヒット中。次世代ジャンプ漫画、「約束のネバーランド」を自分が買わない理由。 [この人気漫画が面白くない]

実家に帰ると、「約束のネバーランド」が全巻あった。
アマゾンプライムでアニメを見て、家族が購入したらしい。

自分もプライムでアニメを見ていた。
オープニングの作画が原作そっくりで、本編も素晴らしいのだろうと想像して、そこで視聴をやめた。そもそも原作が素晴らしいので、別にアニメになってまで見たいとは俺個人は思わない。漫画を読まない人も多いので、アニメにする意義はある。

原作は素晴らしい、と思うのだが自分は単行本を買おうと思わない。
というか、「好きだ」とは思うのだが、限りなく温度は「普通」に近い。
それがなぜなのか。

感覚は人それぞれだし、加齢で保守的になるという理屈もわかるが、流行ってる漫画を受け付けられないということに悔しさも感じるので、もうちょっとこの作品について考えてみたい。

 
「約束のネバーランド」は少年ジャンプ連載のストーリー漫画だ。「漫道コバヤシ」で年間大賞を受賞して、その存在を知った。舞台はあたたかな孤児院。里親が見つかると少年少女たちが一人、また一人と施設を出て行く。しかしこの孤児院の実態は、人喰いの化け物の食卓へ孤児を出荷するための、養育施設だった。その事実に気づいた少年少女たちは知恵を振り絞り、「ママ」の監視をかいくぐり、孤児院からの脱出に挑むという話。

少年ジャンプらしからぬストーリー。
バクマン。」で、大場つぐみがいうところの「邪道漫画」である。ちなみに主人公は女の子。敵役である「ママ」から連想して、そういう発想が必然になったのだと推測する。漫道コバヤシで、作画担当がフルフェイスヘルメットで登場したが、原作者は頑なに露出を拒んでいたので「ははーん、大場つぐみが書いてるんだな」と思ったが、それは違ったようだ。

「人喰いの化け物」というのは、近年のヒット作「進撃の巨人」にも通じる。
今の子ってよっぽど人喰いが怖いんだなと思ってしまう。まあ怖いんだろうけどさ。自分世代でも「寄生獣」があった。自分が「約束の〜」を今ひとつ受け入れられない理由にそこがあるかもしれない。頭脳戦であることも寄生獣と共通している。

自分が小学生の頃に読んで、トラウマになるほど怖かった人喰い漫画がある。確かコロコロコミックか何かで、誰か書いていたかも覚えてない短編。ある日、何か眩しい光が街に降り注ぐと、街の人がみんなおかしくなり、虫とかトカゲとか食べ始めるような内容だった。たまたま光の照射を逃れ、正気を保っていた主人公も、最後にはおかしくなってしまうことで危機を脱するが、父母に食べられてしまうというオチだったと記憶している。満田拓也の「メジャー」に、すごい似てると感じるシーンがあるのだけれど。
【追記】久間まさあき「滅びの魔光伝説」(1986年)でした!


人喰い要素通過済みという以外にも、「約束の〜」が受け入れられない理由がないか考えてみる。
そもそもこの漫画、アメリカ映画でありそう。TVドラマかな。で、これがアメリカ映画だったら、多分あまり自分は興味を示さないだろうなと思う。アメリカ映画だからどうだということではなく、自分にとっての萌え要素がそこにないという、性癖の問題なのかもしれない。

 
それでも「約束の〜」で主人公たちが施設を脱出するまで、外の世界がどうなっているのかということはものすごい想像力を掻き立てられたが、実際わかってみれば「ふーん。。。」という感じである。ぶっちゃけ脱出後はパラパラとしか読んでいない。オチがどうなるのか、そこだけ読みたい。

それまで擬似親子の対立を頭脳戦でやっていたから大人vs子供が成立していたのに、脱出後は単なる大人と子供の肉弾戦に変化してしまい、新しい敵キャラが小物に見えてしょうがないという不満もある。

この作品、深読みすれば家畜とは何かということを考えさせられるのかもしれない。
食べるために飼っている牛や豚が反乱を起こしたら。
それは馬鹿馬鹿しい妄想ではあるのだれど、菜食主義者が精肉店やレストランを襲撃するという事件が海外では実際に起きている。

食べてはいけない動物はあるのだろうか。
クジラはよく話題にされる。イルカも近年話題になった。アジアの国は犬を食う。どれも自分は食いたいとは思わないけども、文化としてあるのなら他がとやかく言うことではないと思う。それは偽善の中でもかなり悪質な干渉だと思う。

ネタバレだが「約束の〜」では、実は主人公の知らないところで人類と人喰いの化け物が共存している。主人公たちは世界平和のための生贄なのである。この世界観は面白いし、深いと思う。ここを掘り下げてくれたら、単行本を買うかもしれない。もっとも、偏屈な読者を一人増やさなくても、「約束のネバーランド」はメガヒットしてるし、次世代の漫画読者の常識の一冊になっているのだろうけども。

【追記】沙村広明の「ブラッドハーレーの馬車」を忘れていたよ。一見楽園に見える孤児院が実は。。。という構成が同じ。これ読むと食われる方がマシと思う。沙村広明作品だから所有してるけど、あまり面白い漫画とは思わなかったので、記憶から消してたよ。。。
 

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