職人的作画と安易な話作りの落差にクラクラする!次原隆二「少年リーダム」 [この人気漫画が面白くない]
「少年リーダム」はなんか惜しい漫画だ。
読みながら、なんでこんな風になっちゃうんだろうとモヤモヤする。
作画の次原隆二の丁寧な職人気質は伝わってくる。
伝わってくるのだが、どうにもセンスが感じられないのだ。
主人公は集英社をモデルにした出版社に就職し、本屋での研修を経て、どこの部署に入るのかというところから話は始まる。主人公は希望する部署「月刊プレイライフ」に配属されることを信じて疑わない。先にプレイライフに配属が決まった同期を見て、こんなダサい奴が同僚になるのかと舌打ちする。主人公の配属は、漫画の流れとして当然ジャンプをモデルにした「少年リーダム」になる。主人公は大慌てになり、読者の笑いを誘うというプロットだ。
まあコテコテである。
一連の流れを、主人公の変顔で補強している。
冒頭から、読者の誰にでもオチが予想できる。
今から笑ってくださいねぐらいの構成だ。
笑いとはなんなのかと語り出すとまた長くなってしまうのでやめときますけども、次原隆二のこの一連の笑いの取り方はかなりダメな部類だと思う。質は関係なく、笑いカウントひとつとれたからOKという態度だ。地方CMで見られる、つまんないダジャレを言いますから失笑してくださいねーという手法の次にイージーだ。
この少年リーダムは、そういったカウントひとつとれたからOKという表現が多すぎる。
ヒロインというか、マドンナ的なキャラクターの造形も安易だ。
主人公が研修先で出会う黒髪ロングなお姉さん。
「私、少年リーダム好きなんだよね。何か男の子たちの友達…みたいなカンジでさァ…」
読書家っぽいデティールはあるのだが、そんな女性が当時の少年ジャンプを読むかなあ。。。という疑問。感想も非常にボンヤリだ。ここで「私、男一匹ガキ大将を愛読しているの!」とか言わせたら、かなりキャラが立つと思うんだけども。ただただ、訳もなく少年リーダムは素晴らしい漫画雑誌なんですよと言わせるだけの装置にしかなってない。
そんな出版社に就職が決まった主人公にを羨ましがるマドンナに、主人公が放つセリフも酷い。
「もしかして…ここって給料安いんスか?」
大手出版社の社員はかなり高給取りだ。
町の書店員と比べられるはずもなかろうと思う。
わざわざこんなセリフを使うあたり、作者がかなり浮世離れしてると思わざるを得ない。
おそらく漫画の中では同じくらいの給料ということになっている。
そうでなければこんなセリフは絶対に採用できない。
ちょうど当時の集英社の編集者の給料を語った漫画がある。
本宮ひろ志の超傑作「やぶれかぶれ」だ。
約700万。
1982年頃の話。
今から37年前だ。
超高給取りだ。
一方、書店員の平均年収を検索してみたが現在で260〜340万円ほどだそうである。
そして最後にいきなりオチを語ってしまうが、主人公は最終回で突然交通事故で死ぬ。
その死はもちろん漫画のテーマとなんの関係もない。
単に感動を誘うためのよくある装置である。
読者をバカにしてんのかと思う。
次原隆二といえば「よろしくメカドック」の作者である。
アニメ化もされ、氣志團が決め台詞にしたぐらいの現在でもそれなりに名前が残った傑作を描いた人だ。元アシスタントにはにわのまこと、小畑健、和月伸宏などがいる。
メカドック終了後は打ち切りの連続。
バイク漫画「ロードランナー」は好きだったが、「隼人18番勝負」は佐々木小次郎の末裔が宮本武蔵の末裔にゴルフでリベンジするという当時でもかなり時代錯誤な漫画で、ああこの人ダメだわと子供ながらに思った記憶がある。盛り上がるところで、主人公が服を綺麗に畳むという几帳面さで笑いを誘っていたギャグセンスは当時と変わらないと思う。
バンチで連載していた車漫画はずっと巻末での掲載だったという。
基本的に趣味の車漫画を描いていれば幸せな人なのかなーと思う。
作画技術の素晴らしさは「少年リーダム」を読むひとつの価値だとは思う。
悪い人ではないと思うのだが、車漫画以外は読む気がしないというのが正直な感想だ。
読みながら、なんでこんな風になっちゃうんだろうとモヤモヤする。
作画の次原隆二の丁寧な職人気質は伝わってくる。
伝わってくるのだが、どうにもセンスが感じられないのだ。
主人公は集英社をモデルにした出版社に就職し、本屋での研修を経て、どこの部署に入るのかというところから話は始まる。主人公は希望する部署「月刊プレイライフ」に配属されることを信じて疑わない。先にプレイライフに配属が決まった同期を見て、こんなダサい奴が同僚になるのかと舌打ちする。主人公の配属は、漫画の流れとして当然ジャンプをモデルにした「少年リーダム」になる。主人公は大慌てになり、読者の笑いを誘うというプロットだ。
まあコテコテである。
一連の流れを、主人公の変顔で補強している。
冒頭から、読者の誰にでもオチが予想できる。
今から笑ってくださいねぐらいの構成だ。
笑いとはなんなのかと語り出すとまた長くなってしまうのでやめときますけども、次原隆二のこの一連の笑いの取り方はかなりダメな部類だと思う。質は関係なく、笑いカウントひとつとれたからOKという態度だ。地方CMで見られる、つまんないダジャレを言いますから失笑してくださいねーという手法の次にイージーだ。
この少年リーダムは、そういったカウントひとつとれたからOKという表現が多すぎる。
ヒロインというか、マドンナ的なキャラクターの造形も安易だ。
主人公が研修先で出会う黒髪ロングなお姉さん。
「私、少年リーダム好きなんだよね。何か男の子たちの友達…みたいなカンジでさァ…」
読書家っぽいデティールはあるのだが、そんな女性が当時の少年ジャンプを読むかなあ。。。という疑問。感想も非常にボンヤリだ。ここで「私、男一匹ガキ大将を愛読しているの!」とか言わせたら、かなりキャラが立つと思うんだけども。ただただ、訳もなく少年リーダムは素晴らしい漫画雑誌なんですよと言わせるだけの装置にしかなってない。
そんな出版社に就職が決まった主人公にを羨ましがるマドンナに、主人公が放つセリフも酷い。
「もしかして…ここって給料安いんスか?」
大手出版社の社員はかなり高給取りだ。
町の書店員と比べられるはずもなかろうと思う。
わざわざこんなセリフを使うあたり、作者がかなり浮世離れしてると思わざるを得ない。
おそらく漫画の中では同じくらいの給料ということになっている。
そうでなければこんなセリフは絶対に採用できない。
ちょうど当時の集英社の編集者の給料を語った漫画がある。
本宮ひろ志の超傑作「やぶれかぶれ」だ。
約700万。
1982年頃の話。
今から37年前だ。
超高給取りだ。
一方、書店員の平均年収を検索してみたが現在で260〜340万円ほどだそうである。
そして最後にいきなりオチを語ってしまうが、主人公は最終回で突然交通事故で死ぬ。
その死はもちろん漫画のテーマとなんの関係もない。
単に感動を誘うためのよくある装置である。
読者をバカにしてんのかと思う。
次原隆二といえば「よろしくメカドック」の作者である。
アニメ化もされ、氣志團が決め台詞にしたぐらいの現在でもそれなりに名前が残った傑作を描いた人だ。元アシスタントにはにわのまこと、小畑健、和月伸宏などがいる。
メカドック終了後は打ち切りの連続。
バイク漫画「ロードランナー」は好きだったが、「隼人18番勝負」は佐々木小次郎の末裔が宮本武蔵の末裔にゴルフでリベンジするという当時でもかなり時代錯誤な漫画で、ああこの人ダメだわと子供ながらに思った記憶がある。盛り上がるところで、主人公が服を綺麗に畳むという几帳面さで笑いを誘っていたギャグセンスは当時と変わらないと思う。
バンチで連載していた車漫画はずっと巻末での掲載だったという。
基本的に趣味の車漫画を描いていれば幸せな人なのかなーと思う。
作画技術の素晴らしさは「少年リーダム」を読むひとつの価値だとは思う。
悪い人ではないと思うのだが、車漫画以外は読む気がしないというのが正直な感想だ。
少年リーダム~友情・努力・勝利の詩 1 (BUNCH COMICS)
- 作者: 次原 隆二
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/08/08
- メディア: コミック
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