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映画「ドラゴンクエストユアストーリー」の結末は、なぜ受け入れられたのか?問題 [この人気漫画が面白くない]

CG映画「ドラゴンクエストユアストーリー」(以下ユアスト)の酷評が吹き荒れている。

ユアストは国民的人気ゲーム「ドラゴンクエスト」の第5弾、「天空の花嫁」の映画化だとしてプロモーションされていた。

「天空の花嫁」はドラゴンクエスト史上、最もドラマチックでスケールの大きい傑作と評価する人も多い。主人公はそれまで定番だった「勇者」ではなく、その主人公が子供の頃からゲームがスタートして成長し、結婚して父親になるという大河ドラマ的な構成になっていた。

特に妻を幼馴染みのビアンカ、令嬢のフローラのどちらにするかという運命の選択は、ゲームが発売されて四半世紀経った現在でも論争になり続けているという凄まじい反響を巻き起こしている。
ビアンカ.jpg
それが映画公開された途端、映画「デビルマン」以上の駄作という評価がネットニュースで踊った。映画「デビルマン」とは2004年に公開された那須博之監督による実写映画で、今でも駄作映画の象徴として語り継がれている作品。ちょっとネタにされ過ぎているとも思うが、偉大過ぎる原作に遠く及ばないのは間違いない。

ユアストのカタログスペックを見れば、一定のクオリティが保たれるのは間違いない(この件については後述する)。それなのになぜデビルマン以下とまで言われるのか、何かやらかしたのだなとピンとくる部分があったので、普段率先してネタバレまで踏み込まないのだが、今回に限っては記事を深く読んでみた。

 
(以下ネタバレ)

 
なんと、いわゆる夢オチだったというのである。
正確にはVR落ち。要するにお客さんが見ていたのはゲームの画面。
最後の戦いでバグにより現実に戻される。

バグはいわゆるゲームをすることを虚しい行為と否定するニュアンスのセリフを吐くらしい。これに対して主人公は「ゲームをすることは素晴らしい」的なセリフを吐き、バグをやっつけて大団円。

…という展開なんだそうだ。

まあ、、、ひどい。
映画も見ずに論評下すのもアレだけれども、幾ら何でもこれは無い。
単に奇をたらったとしか思えない、小学生が考えたようなオチだ。

この構成を面白いと思い、企画をぶち上げてしまう人がいるのはわかるけども、この企画が通ってしまうのはなぜだと強い興味を持った。

カタログスペックを見ると、原作・監修に堀井雄二の名前がある。言わずと知れたドラゴンクエストの生みの親であり、ゲームデザイナーと呼ぶにふさわしい偉人である。

天空の花嫁の2年前に「ファンタシースター3 時の継承者」という、やはり結婚にフォーカスしたRPGがあった。誰と結婚するかでダイナミックに展開が変わっていくのだが、天空の花嫁はぶっちゃけビアンカ&フローラのどちらを選んでも結果は大差ない。それでも天空の花嫁がいまだに語り草にされるのは、細かな部分までユーザーに配慮できる堀井雄二の力量、偉大さに他ならない。

その堀井雄二がこの「ユアスト」の脚本を読み、OKを出しているのである。
もちろんゲームの発売元であるスクウェア・エニックスもOKを出している。
なぜか?
もちろん小学生が書いたシナリオならOKは出ない。

あの山崎貴(やまざきたかし)が書いているからOKが出るのである。

言わずと知れた邦画の第一人者である。
CG表現に強みを持ち、「ALWAYS 三丁目の夕日」「永遠の0」などホームランをかっ飛ばし続けている。映画の面白さは人それぞれだが、その実績のすごさは誰にも否定できない。

それは堀井雄二やスクエニを黙らせるものなんだなあということが今回わかった。
「いや、そのオチは無いですよ」とは言えない。
イエスマンがうじゃうじゃ。
山崎貴に関わっていたいから、である。

山崎貴にCG映画化されるというのは今現在、それほどの名誉なのだ。
体感では山崎貴の責任を問う声はそれほど聞こえてこない。
他に二人いる共同監督が槍玉に挙げられている。

今回山崎貴監督のツイッターをのぞいてみたが、ユアスト絶賛の意見をリツイートしまくりである。奥田民生みたいな飄々とした気の良いにいちゃんというイメージだったが、意外とセコイ。この記事をツイッターで公開する際、コメントを全部絶賛にしたらリツイートしてくれるだろうか。

ソフト化の際にはこのまま行くのかな。
オチだけちゃんと作り直して幻のエンディング収録!とか言って売ってもバチ当たらなさそうだけども。

ちなみに今年の冬は、山崎貴監督のルパン三世のCG映画が公開されるという。


 

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー 映画ノベライズ (ダッシュエックス文庫)

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー 映画ノベライズ (ダッシュエックス文庫)

  • 作者: 山崎 貴
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/08/02
  • メディア: 文庫





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