名作ゲーム「オホーツクに消ゆ」が帰ってきた?1年販売を遅らせるダウンロードコンテンツ「偽りの黒真珠」 [ゲーム]
dマガジンでファミ通を読んでいたら、期待の新作ゲームランキングの中に、「オホーツクに消ゆ」みたいなゲームを見つけた。タイトルは「偽りの黒真珠」。ニンテンドー3DS用のダウンロードコンテンツらしい。
「オホーツクに消ゆ」は、ドラゴンクエストの堀井雄二が製作したアドベンチャーゲーム第二弾。「べーしっ君」で知られる荒井清和がキャラクターデザインを担当した1987年のファミコン版が有名。これを遊んだ世代を狙って「偽りの黒真珠」が作られていることは明白である。
(画像は「虹色ディップスイッチ」のオホーツクに消ゆメイキングコラムより)
調べてみると、発売日が2017年秋から2018年冬から春に延期されていた。いくらなんでも延期しすぎだろうと思う。おそらく3時間ぐらいでちょっと笑えて終わるパロディぐらいの規模で作っていたのだが、発表後のあまりの反響にしっかり金の取れる作品に作り替えてるんじゃないかと思われるがどうだろう。
荒井清和がわざわざ延期告知の漫画を描いているのが贅沢である。この作品にかける意気込みが伝わってくる。荒井清和は似顔絵と4コマ漫画以外だとほぼ滑っている印象が強い。桜玉吉撤退後のカラー漫画枠に登板された時は誰もが成功を確信していたと思うが、「フーリッシュゲーマーズ」はひどすぎてたまにファミ通読み返すまで存在を忘れてるぐらいである。
(画像は「フーリッシュゲーマーズ」。単行本にはなってない。)
「偽りの黒真珠」の告知漫画は結構うまいこといってるのが意外だ。結局4コマだからかな。
ゲームは買うつもりだが、あまり高いと買う気がなくなるような気もする。課金でめぐみが脱ぐとかやりそう。以前、スーファミ版のマイクタイソンをダウンロード購入しようとしたところ、初期型の3DSには対応してませんとかで遊べなかったんだけど、そういうのもないのか気になる。
「オホーツクに消ゆ」は、ドラゴンクエストの堀井雄二が製作したアドベンチャーゲーム第二弾。「べーしっ君」で知られる荒井清和がキャラクターデザインを担当した1987年のファミコン版が有名。これを遊んだ世代を狙って「偽りの黒真珠」が作られていることは明白である。
(画像は「虹色ディップスイッチ」のオホーツクに消ゆメイキングコラムより)
調べてみると、発売日が2017年秋から2018年冬から春に延期されていた。いくらなんでも延期しすぎだろうと思う。おそらく3時間ぐらいでちょっと笑えて終わるパロディぐらいの規模で作っていたのだが、発表後のあまりの反響にしっかり金の取れる作品に作り替えてるんじゃないかと思われるがどうだろう。
荒井清和がわざわざ延期告知の漫画を描いているのが贅沢である。この作品にかける意気込みが伝わってくる。荒井清和は似顔絵と4コマ漫画以外だとほぼ滑っている印象が強い。桜玉吉撤退後のカラー漫画枠に登板された時は誰もが成功を確信していたと思うが、「フーリッシュゲーマーズ」はひどすぎてたまにファミ通読み返すまで存在を忘れてるぐらいである。
(画像は「フーリッシュゲーマーズ」。単行本にはなってない。)
「偽りの黒真珠」の告知漫画は結構うまいこといってるのが意外だ。結局4コマだからかな。
ゲームは買うつもりだが、あまり高いと買う気がなくなるような気もする。課金でめぐみが脱ぐとかやりそう。以前、スーファミ版のマイクタイソンをダウンロード購入しようとしたところ、初期型の3DSには対応してませんとかで遊べなかったんだけど、そういうのもないのか気になる。
オホーツクに消ゆ―北海道連鎖殺人 (双葉文庫―ファミコン冒険ゲームブックシリーズ)
- 作者: 堀井 雄二
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1988/03
- メディア: 文庫
タグ:荒井清和
テトリスですらパズルゲーム賞を与えられなかった。続編ばかりを批判する批評家は実は新しいものを評価できない例。 [ゲーム]
テトリスの誕生から、複雑な利権争いを描いた本、「テトリスエフェクト」を読んだ。正直、期待していたほど面白くなかった。「ギャラクシアン創世記」でナムコがテトリス販売のオファーを断ってしまったエピソードの方が全然面白い。
>あー…。分かんない(笑)。アレは自分でも判断できなかったかもしれない。世に出てない状態でも遊んだら面白いと思った筈だけど、正しい判断ができたかどうかは、それは分からないです。自分の得意分野とそうでない分野って、どうしてもありますからね。得意な分野だったら即答できますけどね。
ファミコン版発売直後の評価を調べてみよう。
ファミコン通信1988年12月23日号のクロスレビューは7・8・7・6点。そこそこ高評価という印象。オススメ認定しているのは編集長の東府屋ファミ坊と森下万里子(架空の人物)の二人だけ。この週の一番人気はファイナルファンタジー2。次いでグラディウス2。
最も同調圧力に強かったTACO.X(元ゲームフリークなんだそうだ)が「飽きが早いかもしれない」と6点をつけ、レビュアーの中では最も低評価。ちなみに森下万里子は「いつまでも飽きないで楽しめるはずよ」と真逆の評価で7点。しかし森下にとって6点はクソゲー扱いなので、7点は決して高評価ではない。ちなみに4人の中で最も高評価の8点をつけた水野店長はテトリスをオススメに選んでなかったりする。ちなみにこの週は「忍者龍剣伝」「ファミスタ88」なども発売されていた。
続いて1989年2月3日号でベストヒットゲーム大賞という企画があり、大賞はドラゴンクエスト3。2位から「ファミスタ87」「ファイナルファンタジー1」「ウィザードリィ」「ベストプレープロ野球」となっている。さらに批評家賞として「ドラゴンスピリット(PCエンジン版)」「三国志」「信長の野望全国版」「ファミリーサーキット」「キャプテン翼」「超惑星戦記メタファイト」「ロックマン」が挙げられているが、テトリスの名前はどこにも無い。
ジャンル別大賞にパズルゲーム賞があり、なんと該当作なし。次点が「テトリス」となっている。ちなみにアクションRPG賞も該当作なしで、次点に普及の名作「イース」が選ばれている。ちなみにマスターシステム版である。誰もがゲーム史に残るタイトルと認めるであろうテトリスが、パズルゲーム賞ですら獲れてないのである。売れ線ではない。前例が無い突然変異のような作品は太鼓判を押すのが難しい。「続編ばかり」をいつの時代も批評家は批判するが、その批評家も、実は新しいものを評価できないのだ。
売れてるソフトランキングtop30では1ヶ月後の発売されたゲームが対象となる時期にようやく21位でランクイン。26位、15位、7位、圏外、30位、19位、22位と、思いのほか営業成績は鈍い。あまりたくさん作ってないというのもあるのだろうが。そして1989年の7月7日号でテトリスが表紙を飾る。イラストは白黒。6月14日、天下の任天堂ブランドでゲームボーイ版が発売されたのである。
初登場3位。BPSのファミコン版は25位。翌週はゲームボーイ4位とファミコン25位、さらに翌週はゲームボーイ5位でファミコン版は圏外。1989年9月15日号でファミコン版が突如5位に、ゲームボーイ版が6位という逆転現象が起きる。これ以降、ファミコン版はゲームボーイ版と同様に上位の常連として存在していく。
1989年4月14日号で読者が選ぶ発売済みゲームのトップ20に15位で初登場。3ヶ月ほど経ってようやくブランドとして評価が定まったと思われる。6月11日号では発売前ゲーム人気ランキングで悲運のメガドライブ版が初登場。このメガドラ版はファミ通89年4月14日号に唐突に4月15日発売だと発表。もちろん発売されなかった。6月9日号では訴訟が報じられ、発売日未定となってしまった。ちなみにアーケード版のセガ製テトリスは初登場14位、翌週1位と、素直な結果が出ている。
ところで3DS版のテトリスってナムコが出してるんですね。因縁を感じるなあ。
>あー…。分かんない(笑)。アレは自分でも判断できなかったかもしれない。世に出てない状態でも遊んだら面白いと思った筈だけど、正しい判断ができたかどうかは、それは分からないです。自分の得意分野とそうでない分野って、どうしてもありますからね。得意な分野だったら即答できますけどね。
ファミコン版発売直後の評価を調べてみよう。
ファミコン通信1988年12月23日号のクロスレビューは7・8・7・6点。そこそこ高評価という印象。オススメ認定しているのは編集長の東府屋ファミ坊と森下万里子(架空の人物)の二人だけ。この週の一番人気はファイナルファンタジー2。次いでグラディウス2。
最も同調圧力に強かったTACO.X(元ゲームフリークなんだそうだ)が「飽きが早いかもしれない」と6点をつけ、レビュアーの中では最も低評価。ちなみに森下万里子は「いつまでも飽きないで楽しめるはずよ」と真逆の評価で7点。しかし森下にとって6点はクソゲー扱いなので、7点は決して高評価ではない。ちなみに4人の中で最も高評価の8点をつけた水野店長はテトリスをオススメに選んでなかったりする。ちなみにこの週は「忍者龍剣伝」「ファミスタ88」なども発売されていた。
続いて1989年2月3日号でベストヒットゲーム大賞という企画があり、大賞はドラゴンクエスト3。2位から「ファミスタ87」「ファイナルファンタジー1」「ウィザードリィ」「ベストプレープロ野球」となっている。さらに批評家賞として「ドラゴンスピリット(PCエンジン版)」「三国志」「信長の野望全国版」「ファミリーサーキット」「キャプテン翼」「超惑星戦記メタファイト」「ロックマン」が挙げられているが、テトリスの名前はどこにも無い。
ジャンル別大賞にパズルゲーム賞があり、なんと該当作なし。次点が「テトリス」となっている。ちなみにアクションRPG賞も該当作なしで、次点に普及の名作「イース」が選ばれている。ちなみにマスターシステム版である。誰もがゲーム史に残るタイトルと認めるであろうテトリスが、パズルゲーム賞ですら獲れてないのである。売れ線ではない。前例が無い突然変異のような作品は太鼓判を押すのが難しい。「続編ばかり」をいつの時代も批評家は批判するが、その批評家も、実は新しいものを評価できないのだ。
売れてるソフトランキングtop30では1ヶ月後の発売されたゲームが対象となる時期にようやく21位でランクイン。26位、15位、7位、圏外、30位、19位、22位と、思いのほか営業成績は鈍い。あまりたくさん作ってないというのもあるのだろうが。そして1989年の7月7日号でテトリスが表紙を飾る。イラストは白黒。6月14日、天下の任天堂ブランドでゲームボーイ版が発売されたのである。
初登場3位。BPSのファミコン版は25位。翌週はゲームボーイ4位とファミコン25位、さらに翌週はゲームボーイ5位でファミコン版は圏外。1989年9月15日号でファミコン版が突如5位に、ゲームボーイ版が6位という逆転現象が起きる。これ以降、ファミコン版はゲームボーイ版と同様に上位の常連として存在していく。
1989年4月14日号で読者が選ぶ発売済みゲームのトップ20に15位で初登場。3ヶ月ほど経ってようやくブランドとして評価が定まったと思われる。6月11日号では発売前ゲーム人気ランキングで悲運のメガドライブ版が初登場。このメガドラ版はファミ通89年4月14日号に唐突に4月15日発売だと発表。もちろん発売されなかった。6月9日号では訴訟が報じられ、発売日未定となってしまった。ちなみにアーケード版のセガ製テトリスは初登場14位、翌週1位と、素直な結果が出ている。
ところで3DS版のテトリスってナムコが出してるんですね。因縁を感じるなあ。
父が持ち帰った薄い本、セガの公式同人誌「SPEC」 [ゲーム]
子供の頃、出張から帰ってきた父が「シャドーダンサー」のドット絵がプリントされたファイルをお土産にくれた。親父もよくわかってなさそうだったので、あまりどこからとは深く追求しなかったが。息子が喜ぶと思ったのだろう。いや、当時メガドライブ命だった私は大層喜んだが。
一緒に持ってきたのが一冊の薄い本。
セガのファンクラブ会報誌「SPEC」だ。
自分はすぐに入会希望の手紙を送り、最終的に「6」「7」「7.5」「8」を所有している(そして電子化した)。
おそらくカプコンデザインチームでいえば、あきまんや西村キヌクラスの人材なのだろう。よしぼん、尾崎豊中、JUDY-TOTOYAなど、当時金払っても読みたいと思える才能豊かな描き手も多かった。
その後すぐに刊行ペースが落ちていった。
専門誌で取り上げ出したのはかなり後の方だった。
おそらく、購読希望者が増えすぎると採算が合わなくなるのでそれまで露出がなかったのであろう。
最後に一枚のペラ紙で近況報告みたいなことをやったあと、一切音沙汰がなくなった。残念だったが、忙しくなったということなのだろう。
その後に発表されたファンタシースター4を見て、よしぼんの作画だとすぐに分かった。
ファンタシースター設定資料集という本に、幻の9号の内容が一部載っているという。機会があれば読んでみたい。
ちなみに父は数年前にガンで他界した。
親バカだったなあと、今後SPECを読み返すたび思い出すのだろう。
一緒に持ってきたのが一冊の薄い本。
セガのファンクラブ会報誌「SPEC」だ。
自分はすぐに入会希望の手紙を送り、最終的に「6」「7」「7.5」「8」を所有している(そして電子化した)。
おそらくカプコンデザインチームでいえば、あきまんや西村キヌクラスの人材なのだろう。よしぼん、尾崎豊中、JUDY-TOTOYAなど、当時金払っても読みたいと思える才能豊かな描き手も多かった。
その後すぐに刊行ペースが落ちていった。
専門誌で取り上げ出したのはかなり後の方だった。
おそらく、購読希望者が増えすぎると採算が合わなくなるのでそれまで露出がなかったのであろう。
最後に一枚のペラ紙で近況報告みたいなことをやったあと、一切音沙汰がなくなった。残念だったが、忙しくなったということなのだろう。
その後に発表されたファンタシースター4を見て、よしぼんの作画だとすぐに分かった。
ファンタシースター設定資料集という本に、幻の9号の内容が一部載っているという。機会があれば読んでみたい。
ちなみに父は数年前にガンで他界した。
親バカだったなあと、今後SPECを読み返すたび思い出すのだろう。
セガ3D復刻アーカイブス1・2・3 トリプルパック - 3DS
- 出版社/メーカー: セガゲームス
- メディア: Video Game
タグ:セガ
あのカプコンが作っていた脱衣麻雀「マージャンスーパーマル禁版」を知る [ゲーム]
「転清アートワークスインタビューサイド」を読んでいたらば、カプコンが別会社名義でドギツイ脱衣麻雀を作っていたということを知る。なんと90年の話だ。あのファイナルファイトの初出の名前が「ストリートファイター89」である。光栄が黎明期に「ナイトライフ」を出していたのとはワケが違う。
タイトルは「マージャンスーパーマル禁版」。ユウガというメーカーから発売されている。ちなみにこの会社は現在も存続している。
ところで脱衣麻雀と言ってもそろそろ通じない世代も生まれて来ているのではなかろうか。今やゲーセンはプリクラかUFOキャッチャーかカードゲームばかりで、TVゲーム的なものが僅かに隅に追いやられている。昔は必ず「麻雀に勝つとエロい絵が見られるゲーム」がその一角を占拠していたものである。
(小川雅史「速攻生徒会」における脱衣麻雀パロディ)
しかもそのエロい絵は有名アイドルや女優、アニメや漫画のヒロインそっくりな物も多く、アイコラやエロ同人誌とやってることは大差ない。こんなものが世間に広く流通していたというすごい話だ。規制が入ったのが91年ぐらいで、マージャンスーパーマル禁版も発禁になったらしい。YouTubeで動画を見てみたが、あまり見たことないぐらいのレベルのドギツイエロさだ。
鈴木みその「あんたっちゃぶる」1巻で脱衣麻雀メーカーとして名の通った日本物産の様子が読める。この漫画はおそらく90年ごろに描かれているから貴重なタイミングでの取材だ。しかも当時すでに業界の自主規制団体があり、カプコンがそれに背くゲームを作っていたということになる。
単純に作りたかったのか、慣れだったのか、堅実に売れるからだったのかよく分からない。当時は情報に飢えて色んな雑誌を読み漁ったが、まだまだ知らないことばかりである。こういうゲーム製作者インタビューはとんでもない話がポロっと出てくるので、出版社もどんどん本を出していただきたいなあと思う。
タイトルは「マージャンスーパーマル禁版」。ユウガというメーカーから発売されている。ちなみにこの会社は現在も存続している。
ところで脱衣麻雀と言ってもそろそろ通じない世代も生まれて来ているのではなかろうか。今やゲーセンはプリクラかUFOキャッチャーかカードゲームばかりで、TVゲーム的なものが僅かに隅に追いやられている。昔は必ず「麻雀に勝つとエロい絵が見られるゲーム」がその一角を占拠していたものである。
(小川雅史「速攻生徒会」における脱衣麻雀パロディ)
しかもそのエロい絵は有名アイドルや女優、アニメや漫画のヒロインそっくりな物も多く、アイコラやエロ同人誌とやってることは大差ない。こんなものが世間に広く流通していたというすごい話だ。規制が入ったのが91年ぐらいで、マージャンスーパーマル禁版も発禁になったらしい。YouTubeで動画を見てみたが、あまり見たことないぐらいのレベルのドギツイエロさだ。
鈴木みその「あんたっちゃぶる」1巻で脱衣麻雀メーカーとして名の通った日本物産の様子が読める。この漫画はおそらく90年ごろに描かれているから貴重なタイミングでの取材だ。しかも当時すでに業界の自主規制団体があり、カプコンがそれに背くゲームを作っていたということになる。
単純に作りたかったのか、慣れだったのか、堅実に売れるからだったのかよく分からない。当時は情報に飢えて色んな雑誌を読み漁ったが、まだまだ知らないことばかりである。こういうゲーム製作者インタビューはとんでもない話がポロっと出てくるので、出版社もどんどん本を出していただきたいなあと思う。
転清・アート・ドット・ワークス【インタビュー編】(資料系同人誌/B5判/258ページ)
- 作者: ぜくう
- 出版社/メーカー: 密林社
- 発売日: 2011/11/06
- メディア: ムック
押井守も認めたマイナーゲー「ノスタルジア1907」製作裏話満載の「転清・アート・ドット・ワークス」 [ゲーム]
「ノスタルジア1907」というゲームは不思議なゲームだ。
どっちかというとクソゲーな印象だったけども、良い思い出感もある。
転清インタビュー集という2冊セットで5千円近くする同人誌を購入。デザイナーとして参加したノスタルジアについて色々語っていて、それが驚愕する内容満載だった。
ノスタルジアは最初パソコン版が出ていて、その後メガドライブ(メガCD)版が発売。これが一番売れたバージョンらしく、自分が遊んだのもコレなのだが、製作者の評判がすこぶる悪い。移植を担当した会社とのコミュニケーションがうまくとれていなかったらしい。ちなみにX68000版が至高とのこと。
メガCD版でフルボイス化は失敗だった?
予告編ではプロの声優を使っていたのだが、下請け会社が費用を浮かせられると劇団を採用。制作者によると、ヒロイン以外のクオリティが低く、結局費用も普通通りかかってしまったとのこと。「主人公がなんで山田康夫なんだよ!」には笑ってしまった。山田康夫では無いが、確かにそれを意識したような演技になっていた。まあ確かに全体を通して変なノリだった記憶はある。ただ、ゲームが変だったので、マッチしていたとも思えるので、不評と書いてあってショックだった。
セーブできない鬼仕様。
コレなー。なんか記憶ではペラ紙一枚で言い訳していたような気がする。「セーブ出来ない方が面白いよ」みたいな。実際のところは下請けに技術力がなく、本体についているバックアップ機能が使えないというアホみたいな実態だったらしい。パスワードコンテニューも検討していたが、それも無くなり、最終的にはゲームを4章に分けて選べるようにしたということだ。
ところがである。
このゲームはアドベンチャーというよりムービーゲームに近いのだが、一つ立てて記憶しておかないといけないフラグがあるのだ。「時限爆弾が仕掛けられた豪華客船」が舞台なので、爆弾解体のシーンが2度ある。お約束の「赤か青かどちらか切れ」という展開になるのだが、1度目の解体でどちらか切ってフラグを立てて記憶しておかないと、2度目の解体がどちらを選んでも失敗となり、ゲームがクリアできないのだ。結局のところ、ほとんど通して遊ばないとクリア出来ず、アクの強い声優の喋りと悶絶の台詞回しも飛ばすことができず、耐えに耐えてプレイしていたような気がする。
当時は疑念のレベルだったのだが、今回製作者によってはっきり名言されているのを読んで衝撃を受けた。。。さらに、当時ファミコン通信の業界怪談特集に掲載された嘘くさい怪奇現象ネタも、はっきり宣伝のための作り話だと明言されている。
ノスタルジアは続編も発表されていたが、開発元であるシュールドウェーブ(タケル)潰れてしまい、パソコン版のみであまり話題にならずに終わってしまったらしい。ずっといつか遊べるのだろうかとは思っていた。製作者は変わってしまっているらしいが。。。
ちなみに、あの押井守が製作者にコンタクトを取りに来たというエピソードも同人誌では語られている。電話を取った人が押井守を知らなかったために終わってしまった話だそうだが。自分的にあまり押井守は好きでは無いが、世界的に名の通った映画監督である。ブツブツ独り言の多そうな作風はノスタルジアの世界観に非常にマッチしている。何かコラボがあればと思うと残念である。
どっちかというとクソゲーな印象だったけども、良い思い出感もある。
転清インタビュー集という2冊セットで5千円近くする同人誌を購入。デザイナーとして参加したノスタルジアについて色々語っていて、それが驚愕する内容満載だった。
ノスタルジアは最初パソコン版が出ていて、その後メガドライブ(メガCD)版が発売。これが一番売れたバージョンらしく、自分が遊んだのもコレなのだが、製作者の評判がすこぶる悪い。移植を担当した会社とのコミュニケーションがうまくとれていなかったらしい。ちなみにX68000版が至高とのこと。
メガCD版でフルボイス化は失敗だった?
予告編ではプロの声優を使っていたのだが、下請け会社が費用を浮かせられると劇団を採用。制作者によると、ヒロイン以外のクオリティが低く、結局費用も普通通りかかってしまったとのこと。「主人公がなんで山田康夫なんだよ!」には笑ってしまった。山田康夫では無いが、確かにそれを意識したような演技になっていた。まあ確かに全体を通して変なノリだった記憶はある。ただ、ゲームが変だったので、マッチしていたとも思えるので、不評と書いてあってショックだった。
セーブできない鬼仕様。
コレなー。なんか記憶ではペラ紙一枚で言い訳していたような気がする。「セーブ出来ない方が面白いよ」みたいな。実際のところは下請けに技術力がなく、本体についているバックアップ機能が使えないというアホみたいな実態だったらしい。パスワードコンテニューも検討していたが、それも無くなり、最終的にはゲームを4章に分けて選べるようにしたということだ。
ところがである。
このゲームはアドベンチャーというよりムービーゲームに近いのだが、一つ立てて記憶しておかないといけないフラグがあるのだ。「時限爆弾が仕掛けられた豪華客船」が舞台なので、爆弾解体のシーンが2度ある。お約束の「赤か青かどちらか切れ」という展開になるのだが、1度目の解体でどちらか切ってフラグを立てて記憶しておかないと、2度目の解体がどちらを選んでも失敗となり、ゲームがクリアできないのだ。結局のところ、ほとんど通して遊ばないとクリア出来ず、アクの強い声優の喋りと悶絶の台詞回しも飛ばすことができず、耐えに耐えてプレイしていたような気がする。
当時は疑念のレベルだったのだが、今回製作者によってはっきり名言されているのを読んで衝撃を受けた。。。さらに、当時ファミコン通信の業界怪談特集に掲載された嘘くさい怪奇現象ネタも、はっきり宣伝のための作り話だと明言されている。
ノスタルジアは続編も発表されていたが、開発元であるシュールドウェーブ(タケル)潰れてしまい、パソコン版のみであまり話題にならずに終わってしまったらしい。ずっといつか遊べるのだろうかとは思っていた。製作者は変わってしまっているらしいが。。。
ちなみに、あの押井守が製作者にコンタクトを取りに来たというエピソードも同人誌では語られている。電話を取った人が押井守を知らなかったために終わってしまった話だそうだが。自分的にあまり押井守は好きでは無いが、世界的に名の通った映画監督である。ブツブツ独り言の多そうな作風はノスタルジアの世界観に非常にマッチしている。何かコラボがあればと思うと残念である。
転清・アート・ドット・ワークス【インタビュー編】(資料系同人誌/B5判/258ページ)
- 作者: ぜくう
- 出版社/メーカー: 密林社
- 発売日: 2011/11/06
- メディア: ムック
転清・アート・ドット・ワークス【アートワーク編】(資料系同人誌/B5判/262ページ)
- 作者: ぜくう
- 出版社/メーカー: 密林社
- 発売日: 2011/05/29
- メディア: ムック
ゲーム業界統一の伝国の玉璽!「テトリス」をナムコがスルーしていた話 [ゲーム]
テトリス日本デビューの話をナムコが断っていた!
「ギャラクシアン創世記」を読んでいたら、そんな記事があった。
テトリスといえばゲーム史に残る名作パズルゲーム。
任天堂とセガにによって争奪戦が繰り広げられたテトリスは、ゲーム業界天下統一に必要な伝国の玉璽だったという人もいる。
テトリスをメジャーにしたのはイグアナの壁紙で知られるセガのアーケード版。
このライセンスはテンゲンというメーカーから受けたもの。
テンゲンといえばナムコと親密。
なんで当時疑問に思わなかったんだろう。
>当時、セガ社内でパソコン版が大きな話題となり、業務用で作ろうとしたらアタリゲームズ社の子会社テンゲンが独占権を持っていることが判明します。そこでセガ側はアタリゲームズの中島英行社長に許諾の申し入れを行ったのですが、当時は経営権はナムコが持っていたので、中島さんはナムコ側に話を持っていきます。しかし、この話を受けた担当者が開発部門の意見を聞くこともなく、テトリスの許諾の申し出を断ってしまった為、セガが許諾を受けることになったとされています。
意見を求められ「なかった」という、当時の開発部門の責任者が「ギャラクシアン創世記」の澤野和則。本の中のインタビューでこう語っている。
>澤野さんの所に話が来ていたらナムコでやったかもしれませんか?
>あー…。分かんない(笑)。アレは自分でも判断できなかったかもしれない。世に出てない状態でも遊んだら面白いと思った筈だけど、正しい判断ができたかどうかは、それは分からないです。自分の得意分野とそうでない分野って、どうしてもありますからね。得意な分野だったら即答できますけどね。
非常に素直なお答え。
テンゲンとナムコの両社長の仲があまりよくなかったのがねじれのキッカケらしい。
テンゲンの社長と仲の良かった家庭用ゲームの責任者が判断をしたんだそうだ。
>どーなってんだ!?誰だウケたのは!?みたいな話にはなってましたよね。なんか怒られて、責められていた記憶があります。
テトリスブームで二番煎じ、三番煎じが市場にあふれていた頃、アタリ社の「クラックス」をナムコが販売していて違和感を感じたことがあったが、こういう背景があった訳である。繋がった。
このインタビューは「それはポンから始まった」という本から得た情報を基にしているそうだ。これまた結構高い本だ。
「ギャラクシアン創世記」を読んでいたら、そんな記事があった。
テトリスといえばゲーム史に残る名作パズルゲーム。
任天堂とセガにによって争奪戦が繰り広げられたテトリスは、ゲーム業界天下統一に必要な伝国の玉璽だったという人もいる。
テトリスをメジャーにしたのはイグアナの壁紙で知られるセガのアーケード版。
このライセンスはテンゲンというメーカーから受けたもの。
テンゲンといえばナムコと親密。
なんで当時疑問に思わなかったんだろう。
>当時、セガ社内でパソコン版が大きな話題となり、業務用で作ろうとしたらアタリゲームズ社の子会社テンゲンが独占権を持っていることが判明します。そこでセガ側はアタリゲームズの中島英行社長に許諾の申し入れを行ったのですが、当時は経営権はナムコが持っていたので、中島さんはナムコ側に話を持っていきます。しかし、この話を受けた担当者が開発部門の意見を聞くこともなく、テトリスの許諾の申し出を断ってしまった為、セガが許諾を受けることになったとされています。
意見を求められ「なかった」という、当時の開発部門の責任者が「ギャラクシアン創世記」の澤野和則。本の中のインタビューでこう語っている。
>澤野さんの所に話が来ていたらナムコでやったかもしれませんか?
>あー…。分かんない(笑)。アレは自分でも判断できなかったかもしれない。世に出てない状態でも遊んだら面白いと思った筈だけど、正しい判断ができたかどうかは、それは分からないです。自分の得意分野とそうでない分野って、どうしてもありますからね。得意な分野だったら即答できますけどね。
非常に素直なお答え。
テンゲンとナムコの両社長の仲があまりよくなかったのがねじれのキッカケらしい。
テンゲンの社長と仲の良かった家庭用ゲームの責任者が判断をしたんだそうだ。
>どーなってんだ!?誰だウケたのは!?みたいな話にはなってましたよね。なんか怒られて、責められていた記憶があります。
テトリスブームで二番煎じ、三番煎じが市場にあふれていた頃、アタリ社の「クラックス」をナムコが販売していて違和感を感じたことがあったが、こういう背景があった訳である。繋がった。
このインタビューは「それはポンから始まった」という本から得た情報を基にしているそうだ。これまた結構高い本だ。
会社は移転するときが危ない!澤野和則の「ギャラクシアン創世記」 [ゲーム]
「ギャラクシアン創世記」を読み終えた。
古典的名作シューティングゲーム、「ギャラクシアン」を作った澤野和則に関する同人誌だ。自分はナムコファンというほどでもないが、ファミコン時代からは慣れ親しんだメーカーである。色々興味深く読めた。
(インベーダーに関するレポートや、ギャラクシアンの企画書などを収録している)
一番興味深かったのはナムコを退社する前後。
それなりにキャリアを築いていても、年食った人の再就職がうまくいかない話はよく聞く。澤野氏はそこそこ大きい会社にあっさり(なのかどうかは分からないが)再就職が決まってしまう。しかしそこで求められるのはナムコ時代の人脈。なんか天下りみたいだ。
しかし使えるもんはなんでも使わないと。
そんな会社でも、たった一つ企画がポシャっただけで潰れてしまう。澤野氏は再就職前に自らの会社を興して失敗しており、わかっちゃいたけどいかにナムコが盤石で大きな会社だったかを知る。それでも澤野氏はリスクをとって新しい会社を興し、堅実をモットーに、現在に至るそうだ。
澤野氏によると、会社を移転するときって倒産のキッカケになることが多いそうだ。
以前書いたゲーム会社、アルトロンもそんな感じだったなあ。
HPを見ると、澤野氏の会社は今年11月20日に移転したばかり。
あまり最近のゲームメーカーの動向に興味がわかないが、アクリアは注視したい。
古典的名作シューティングゲーム、「ギャラクシアン」を作った澤野和則に関する同人誌だ。自分はナムコファンというほどでもないが、ファミコン時代からは慣れ親しんだメーカーである。色々興味深く読めた。
(インベーダーに関するレポートや、ギャラクシアンの企画書などを収録している)
一番興味深かったのはナムコを退社する前後。
それなりにキャリアを築いていても、年食った人の再就職がうまくいかない話はよく聞く。澤野氏はそこそこ大きい会社にあっさり(なのかどうかは分からないが)再就職が決まってしまう。しかしそこで求められるのはナムコ時代の人脈。なんか天下りみたいだ。
しかし使えるもんはなんでも使わないと。
そんな会社でも、たった一つ企画がポシャっただけで潰れてしまう。澤野氏は再就職前に自らの会社を興して失敗しており、わかっちゃいたけどいかにナムコが盤石で大きな会社だったかを知る。それでも澤野氏はリスクをとって新しい会社を興し、堅実をモットーに、現在に至るそうだ。
澤野氏によると、会社を移転するときって倒産のキッカケになることが多いそうだ。
以前書いたゲーム会社、アルトロンもそんな感じだったなあ。
HPを見ると、澤野氏の会社は今年11月20日に移転したばかり。
あまり最近のゲームメーカーの動向に興味がわかないが、アクリアは注視したい。
タグ:ナムコ
7ページの漫画のために800円出して購入!伝説的クソゲーのメイキングが読める「大好きスーファミ俱楽部mini」 [ゲーム]
立ち読みした「大好きスーファミ俱楽部mini」というムックに掲載されていた相原コージのオマケ漫画が大ヒット。ミニスーファミ発売に便乗した内容の薄い本で800円もするけども、この7ページの漫画欲しさに散々迷って購入。ちなみに自分にとって相原コージは嫌いな作家。「サルでも描けるまんが教室」ぐらいしか買ったことない。なんか神経質そうで意識高いというイメージ。そんな漫画家のためにページ単価100円以上払ってしまうぐらい面白かった。嫁日記の作者の有料ウェブ漫画1話100円はずっと躊躇っているというのに。。。(早く単行本にならないかなあ)
漫画の内容は作者が関わったロールプレイングゲーム制作について。「摩訶摩訶」と「イデアの日」だ。どちらもやったことがないが「摩訶摩訶」は見た目からしてインパクトがあり、ゲーム雑誌でよく特集されていた。今でもたまにやってみようかなと思ったりもするのだが、調べてみるとバグが多すぎるクソゲーという評価が多く、その都度やる気を失う。漫画の中でも「スーパーファミコンクソゲー番付」で紹介されたと書いている。このムックも購入していたのだが、確認すると巻頭に取り上げられている。
「例えば、キャラの体が半分消える、船が増殖する、ウィンドウの色が変わる、装備を変えるときに防御が一ケタに下がってしまうなどの軽度な(?)バグから、フィールド上で主人公以外の技が使えない、ダンジョンの階段に入ると全く関係のない場所へワープしてしまうといった地名的なバグもあり、せっかく進めたのにリセットを余儀なくされることも。しかも、エンディングのスタッフロールまで文字化けしていたりと、終始バグのオンパレードなのだ。」
そんな事も買う前は分からない。結構売れたのだろう。
ゲームを製作したメーカーから第二弾を持ちかけられ、かなりの情熱を注いだ「イデアの日」は全く売れず作者はゲーム制作を辞めたそうだ。ファイナルファンタジー6の発売時期と重なったことも敗因として挙げているけども、やはり「摩訶摩訶」でユーザーの信用を失ったということなんだと思う。
摩訶摩訶を発売したシグマ商事。
ファミコンで「必殺道場破り」という変わったゲームで参入したことを強く覚えている。他にはメガドライブで「サイオブレード」というSFアドベンチャーゲームをやったぐらいの思い出しかない。そんな会社もかなり儲かっていたという。「サルまん」でコンビを組んだ竹熊氏と相原氏が当時かなりRPGにハマり、こんなのが出てきたら漫画は終わりとまで思ったと描いていて、何か忘れた記憶が戻ってきたような気がする。それぐらい当時のRPGには可能性を感じた。それから何度も世界を救わされ、結局表現の幅はそれほど広くないと気づいてしまうのだけれど。
ちなみにKindle読み放題でも読めるそうです。
前号はツルピカハゲ丸ののむらしんぼが描いているのだとか。
漫画の内容は作者が関わったロールプレイングゲーム制作について。「摩訶摩訶」と「イデアの日」だ。どちらもやったことがないが「摩訶摩訶」は見た目からしてインパクトがあり、ゲーム雑誌でよく特集されていた。今でもたまにやってみようかなと思ったりもするのだが、調べてみるとバグが多すぎるクソゲーという評価が多く、その都度やる気を失う。漫画の中でも「スーパーファミコンクソゲー番付」で紹介されたと書いている。このムックも購入していたのだが、確認すると巻頭に取り上げられている。
「例えば、キャラの体が半分消える、船が増殖する、ウィンドウの色が変わる、装備を変えるときに防御が一ケタに下がってしまうなどの軽度な(?)バグから、フィールド上で主人公以外の技が使えない、ダンジョンの階段に入ると全く関係のない場所へワープしてしまうといった地名的なバグもあり、せっかく進めたのにリセットを余儀なくされることも。しかも、エンディングのスタッフロールまで文字化けしていたりと、終始バグのオンパレードなのだ。」
そんな事も買う前は分からない。結構売れたのだろう。
ゲームを製作したメーカーから第二弾を持ちかけられ、かなりの情熱を注いだ「イデアの日」は全く売れず作者はゲーム制作を辞めたそうだ。ファイナルファンタジー6の発売時期と重なったことも敗因として挙げているけども、やはり「摩訶摩訶」でユーザーの信用を失ったということなんだと思う。
摩訶摩訶を発売したシグマ商事。
ファミコンで「必殺道場破り」という変わったゲームで参入したことを強く覚えている。他にはメガドライブで「サイオブレード」というSFアドベンチャーゲームをやったぐらいの思い出しかない。そんな会社もかなり儲かっていたという。「サルまん」でコンビを組んだ竹熊氏と相原氏が当時かなりRPGにハマり、こんなのが出てきたら漫画は終わりとまで思ったと描いていて、何か忘れた記憶が戻ってきたような気がする。それぐらい当時のRPGには可能性を感じた。それから何度も世界を救わされ、結局表現の幅はそれほど広くないと気づいてしまうのだけれど。
ちなみにKindle読み放題でも読めるそうです。
前号はツルピカハゲ丸ののむらしんぼが描いているのだとか。
ゲーム雑誌を制したファミ通のクロスレビュー。読者が求めたのは「空気読む力」だった。 [ゲーム]
ゲーム雑誌として後発だったにも関わらず、業界を制した「ファミ通」。その原動力となった「クロスレビュー」という批評記事。様々な模倣、後追い企画はゲーム雑誌に留まらないが、ファミ通以上に成功したものは一切ない。ゲームを得点で評価するという企画も、ファミ通以前に天下の少年ジャンプで行われていたが回想する人は少ない。
なぜファミ通のクロスレビューはこれほどまでに成功したのか。
そして他紙のクロスレビューは失敗したのか。
それは「空気読む」という評価基準がファミ通にあったからだ。
クロレビ批判をしてファミ通と険悪になったという飯野賢治がもっと点数のメリハリをつけたほうが良いと主張していたが、これが自分のあまり興味ないジャンルだったらどうだろう。
例えば女性に奥手だった人が急にデートすることになり、店を選ばないといけないとなったら?何かもらったお返しにプレゼントしなければならないとなったら?この人は2点つけてるが、この人は10点つけてるというパターンが散見されるカタログ雑誌よりも、大体の評価が定まっている雑誌の方が安心するだろう。
ファミ通に追随した企画がことごとく滑っていたのはその辺が理由だと思う。尖ったライターが「俺ならもっといいものが作れる」と主観丸出しの点数をつける。大多数の読者が求めるものはそこにはなかったということだ。
その上で黄金期のクロレビには森下万里子という最強のレビュワーがいた。平均点6以上という、女性ならではの手心加え感、ほんとにゲームのことわかってんのかよ感あるレビュワーだった。
しかし雑誌を読み込むと気づく。彼女が多くのゲームにつける6点が、実は0点の意味なのだと。映画解説者の故・水野晴郎は当たり障りのない解説の決め台詞、「いやあ、映画って本当にいいもんですね。」のイントネーションで本音を滲ませていたという。0点つけられたらメーカーに遺恨が発生して当然だと思うが6点では文句が言いにくい。よく出来ている。ちなみにこの森下万里子は架空の人物なのだそうだ。
インターネットが普及し、クロスレビューも一定の役割を終えた。
前回少し紹介した大澤良貴の「ゲーム雑誌のカラクリ」では、ファミ通のクロスレビューのことが色々書かれている。全2巻で、2巻の方が内容が濃い。ゲーム雑誌クロスレビューが面白い。高得点つけられた雑誌を読みたくなるが、2000年に出版された本なので、ほとんどの雑誌が今は無い。
大澤氏は、ファミ通の空気を読みすぎるスタイルが時々問題を起こすと指摘しているが、近年クロスレビューの権威を失墜させたジョジョ事件もそれに当てはまると思う。
なぜファミ通のクロスレビューはこれほどまでに成功したのか。
そして他紙のクロスレビューは失敗したのか。
それは「空気読む」という評価基準がファミ通にあったからだ。
クロレビ批判をしてファミ通と険悪になったという飯野賢治がもっと点数のメリハリをつけたほうが良いと主張していたが、これが自分のあまり興味ないジャンルだったらどうだろう。
例えば女性に奥手だった人が急にデートすることになり、店を選ばないといけないとなったら?何かもらったお返しにプレゼントしなければならないとなったら?この人は2点つけてるが、この人は10点つけてるというパターンが散見されるカタログ雑誌よりも、大体の評価が定まっている雑誌の方が安心するだろう。
ファミ通に追随した企画がことごとく滑っていたのはその辺が理由だと思う。尖ったライターが「俺ならもっといいものが作れる」と主観丸出しの点数をつける。大多数の読者が求めるものはそこにはなかったということだ。
その上で黄金期のクロレビには森下万里子という最強のレビュワーがいた。平均点6以上という、女性ならではの手心加え感、ほんとにゲームのことわかってんのかよ感あるレビュワーだった。
しかし雑誌を読み込むと気づく。彼女が多くのゲームにつける6点が、実は0点の意味なのだと。映画解説者の故・水野晴郎は当たり障りのない解説の決め台詞、「いやあ、映画って本当にいいもんですね。」のイントネーションで本音を滲ませていたという。0点つけられたらメーカーに遺恨が発生して当然だと思うが6点では文句が言いにくい。よく出来ている。ちなみにこの森下万里子は架空の人物なのだそうだ。
インターネットが普及し、クロスレビューも一定の役割を終えた。
前回少し紹介した大澤良貴の「ゲーム雑誌のカラクリ」では、ファミ通のクロスレビューのことが色々書かれている。全2巻で、2巻の方が内容が濃い。ゲーム雑誌クロスレビューが面白い。高得点つけられた雑誌を読みたくなるが、2000年に出版された本なので、ほとんどの雑誌が今は無い。
大澤氏は、ファミ通の空気を読みすぎるスタイルが時々問題を起こすと指摘しているが、近年クロスレビューの権威を失墜させたジョジョ事件もそれに当てはまると思う。
復活!ファミコン通信 <創刊号~第3号> [雑誌] 週刊ファミ通 復活!ファミコン通信 <創刊号~第3号>
- 出版社/メーカー: Gzブレイン
- 発売日: 2017/08/10
- メディア: Kindle版
敵か味方か?ソニック誕生秘話を盗作と一蹴するブレイクJハリスの「セガvs任天堂」 [ゲーム]
dマガジンでファミ通を読んでいたら、ソニックの記事が目に止まった。新作が出るということで、過去作を振り返った特集をしている。デザイナーの大島直人が、ソニック・ザ・ヘッジホッグのデザイン決定の経緯を語っているのだけど、当然ながら「フィリックス・ザ・キャット」についての言及はなかった。
ブレイクJハリスの「セガvs任天堂」下巻にはこうある。
-----------------------
「ところで」フィッシャーは突然、ある記憶を呼び覚まされて、微笑を浮かべながら言った。
「あのハリネズミのアイディアがどこから来たか、お話ししたことがありましたっけ?」
「例のマスコットコンテストからだろう」とカリンスキーは推理した。
「ええ、それはそうですが、コンテストに出されたアイディアがどこからきたかという話です」
「いや、聞いたことがないと思うよ」
フィッシャーは顔を彼の方に近づけると言った。
「これは僕が一番好きな話の一つなんです。ゲームのデザインをしたのは中さんだし、彼は強烈な個性の持ち主なので、全ては彼の手柄のように言われ、大島さんの貢献はそのどさくさで忘れられていました。そこである時、僕はソニックの本当の生みの親である彼のところに行って、あのアイデアはどうやって思いついたのかと聞いて見たのです。彼は本当に内気でまったく気取ったところのない青年なので、きっと『皆で努力した結果です』とか『たまたまです』などと言うに違いないとばかり思っていたところ、微笑とともに返っきた答えがこうでした。『フィリックス・ザ・キャットの顔をミッキーマウスの体に付けたらああなっただけですよ』」
「いやまさか」とカリンスキーは言った。「それはあり得ないだろう」
「いえ、誓って本当のことなんです」とフィッシャーは声を立てて笑いながら言った。
「これはあなたにとって大きな驚きでしょうが、大島さんにとっては今までこのことを一度も咎められたことがない事実の方がよほど大きな驚きなのです。
二つの異なるキャラを盗作して作られた新たなキャラが彼らの人生をここまで変えてしまったことに二人は苦笑するしかなかったが、フィッシャーは腕時計を見るとそれまでの冗談めかした口調を変えて言った。「ところで、ずっと間違いを繰り返していた人間がそれを認めないと言うのはよくあることですよね。でも、僕が腑に落ちないのは、あなたがどうして今になってそんなことを僕に聞くのかと言うことです。
-----------------------
フィリックス・ザ・キャットに似ていると言う声はキャラ誕生当時から少なくなかったと思う。だが盗作というのは穏やかじゃない。カートゥーンのパブリックイメージから作られたという方が適正だろう。
書いてる人にも、訳してる人にもゲーム愛が多少疑問に思えるこの「セガvs任天堂」。このフィリックスの話は、訳した仲達志も読みどころの一つとしてあとがきで引用している。
ちなみにフィリックスの歴史は古く、ミッキーマウス誕生以前にディズニーがフィリックスをパクったとして訴えられているんだそうだ。
ブレイクJハリスの「セガvs任天堂」下巻にはこうある。
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「ところで」フィッシャーは突然、ある記憶を呼び覚まされて、微笑を浮かべながら言った。
「あのハリネズミのアイディアがどこから来たか、お話ししたことがありましたっけ?」
「例のマスコットコンテストからだろう」とカリンスキーは推理した。
「ええ、それはそうですが、コンテストに出されたアイディアがどこからきたかという話です」
「いや、聞いたことがないと思うよ」
フィッシャーは顔を彼の方に近づけると言った。
「これは僕が一番好きな話の一つなんです。ゲームのデザインをしたのは中さんだし、彼は強烈な個性の持ち主なので、全ては彼の手柄のように言われ、大島さんの貢献はそのどさくさで忘れられていました。そこである時、僕はソニックの本当の生みの親である彼のところに行って、あのアイデアはどうやって思いついたのかと聞いて見たのです。彼は本当に内気でまったく気取ったところのない青年なので、きっと『皆で努力した結果です』とか『たまたまです』などと言うに違いないとばかり思っていたところ、微笑とともに返っきた答えがこうでした。『フィリックス・ザ・キャットの顔をミッキーマウスの体に付けたらああなっただけですよ』」
「いやまさか」とカリンスキーは言った。「それはあり得ないだろう」
「いえ、誓って本当のことなんです」とフィッシャーは声を立てて笑いながら言った。
「これはあなたにとって大きな驚きでしょうが、大島さんにとっては今までこのことを一度も咎められたことがない事実の方がよほど大きな驚きなのです。
二つの異なるキャラを盗作して作られた新たなキャラが彼らの人生をここまで変えてしまったことに二人は苦笑するしかなかったが、フィッシャーは腕時計を見るとそれまでの冗談めかした口調を変えて言った。「ところで、ずっと間違いを繰り返していた人間がそれを認めないと言うのはよくあることですよね。でも、僕が腑に落ちないのは、あなたがどうして今になってそんなことを僕に聞くのかと言うことです。
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フィリックス・ザ・キャットに似ていると言う声はキャラ誕生当時から少なくなかったと思う。だが盗作というのは穏やかじゃない。カートゥーンのパブリックイメージから作られたという方が適正だろう。
書いてる人にも、訳してる人にもゲーム愛が多少疑問に思えるこの「セガvs任天堂」。このフィリックスの話は、訳した仲達志も読みどころの一つとしてあとがきで引用している。
ちなみにフィリックスの歴史は古く、ミッキーマウス誕生以前にディズニーがフィリックスをパクったとして訴えられているんだそうだ。
タグ:セガ