実名を出せない少年ジャンプ黄金時代回顧漫画、次原隆二の「少年リーダム」 [この人気漫画が面白くない]
「少年リーダム」全4巻を電子化完了。
少年ジャンプ黄金時代の立役者、西村繁男編集長の自伝「さらば、わが青春の『少年ジャンプ』」のコミカライズだ。
なのに登場する雑誌や作品、人物は全て現実にあったものを、もじったようなタイトルになっている。
これは掲載誌が集英社の漫画誌ではなく、新潮社の「週刊コミックバンチ」だったことが大きいと思う。バンチは2001年に創刊。元ジャンプスタッフたちが大きく関わり、創刊前からアンチ・ジャンプの姿勢が大きく喧伝されたように記憶している。
「今のジャンプには「こち亀」以外読むものがない」と発言したのは編集長の堀江氏だったのかどうなのか、あまり記憶が定かでない。が、ジョジョ好きの私としてはそれも読まずに100巻超えたこち亀を褒めるような編集者は老害としか思えなかった。
そんなんだから集英社側にも大きく反発を抱かせたのは間違いないと思う。
「少年リーダム」では少年ジャンプの黄金期を描く漫画であるにも関わらず、絵もタイトルもオリジナルのものが使われておらず、徹底的に改変されている。
読んでいて相当うざい。
相当手間暇かけてレタリングから細かいとこまで修正している。
「アオイホノオ」や「ハイスコアガール」のように実名使いまくりの攻めた漫画があるにも関わらず、こういう風に仮名で済ます漫画は大いに白ける。ちなみにアオイホノオの1年後発の漫画である。
百歩譲って、こういう漫画は自身と親しい作家の作品だけ実名になったりするものなのだが、原哲夫や北条司がバンチ側であるにも関わらず、名前と作品名すら「少年リーダム」では使わせてもらえないという有様になっている。
北斗の拳は「北斗神拳」、キャッツアイは「レディキャッツ」に改題。シティーハンターは「アーバンハンター」に改題されて作品に登場する。ちなみに原哲夫は原島哲、北条司は西条努に改名されている。ちなみに絵はこの二人のみ、オリジナルのものを使っている。この辺がよく分からないところだ。ちなみに一箇所だけ、少年ジャンプとシティーハンターの名前が出てくるところがある。これはうっかりミスなのか。
ちなみに原作者の西村繁男(しげお)は村西繁(しげる)に改名。
バンチの編集長である堀江信彦に至っては小出勇太という、全くもじってもいない改名がなされていて、深読みが尽きない。
そもそも少年リーダムってなんだって話である。
フリーダムなのかと思ったが、リーダー(読者)&キングダムを合成したものなのだそうだ。
ネーミングセンスが悪い。
全くジャンプをイメージ出来ないし。
こんな編集方針だからなのか。
バンチは俺の肌には合わなかった。
2001年に創刊した週刊バンチはジャンプ的ムーブメントを起こすことなく2010年に休刊。
俺が初めてバンチの単行本を買ったのは2018年の去年。
この「少年リーダム」と、「コンシェルジュ」の8巻のみである。
続く。
少年ジャンプ黄金時代の立役者、西村繁男編集長の自伝「さらば、わが青春の『少年ジャンプ』」のコミカライズだ。
なのに登場する雑誌や作品、人物は全て現実にあったものを、もじったようなタイトルになっている。
これは掲載誌が集英社の漫画誌ではなく、新潮社の「週刊コミックバンチ」だったことが大きいと思う。バンチは2001年に創刊。元ジャンプスタッフたちが大きく関わり、創刊前からアンチ・ジャンプの姿勢が大きく喧伝されたように記憶している。
「今のジャンプには「こち亀」以外読むものがない」と発言したのは編集長の堀江氏だったのかどうなのか、あまり記憶が定かでない。が、ジョジョ好きの私としてはそれも読まずに100巻超えたこち亀を褒めるような編集者は老害としか思えなかった。
そんなんだから集英社側にも大きく反発を抱かせたのは間違いないと思う。
「少年リーダム」では少年ジャンプの黄金期を描く漫画であるにも関わらず、絵もタイトルもオリジナルのものが使われておらず、徹底的に改変されている。
読んでいて相当うざい。
相当手間暇かけてレタリングから細かいとこまで修正している。
「アオイホノオ」や「ハイスコアガール」のように実名使いまくりの攻めた漫画があるにも関わらず、こういう風に仮名で済ます漫画は大いに白ける。ちなみにアオイホノオの1年後発の漫画である。
百歩譲って、こういう漫画は自身と親しい作家の作品だけ実名になったりするものなのだが、原哲夫や北条司がバンチ側であるにも関わらず、名前と作品名すら「少年リーダム」では使わせてもらえないという有様になっている。
北斗の拳は「北斗神拳」、キャッツアイは「レディキャッツ」に改題。シティーハンターは「アーバンハンター」に改題されて作品に登場する。ちなみに原哲夫は原島哲、北条司は西条努に改名されている。ちなみに絵はこの二人のみ、オリジナルのものを使っている。この辺がよく分からないところだ。ちなみに一箇所だけ、少年ジャンプとシティーハンターの名前が出てくるところがある。これはうっかりミスなのか。
ちなみに原作者の西村繁男(しげお)は村西繁(しげる)に改名。
バンチの編集長である堀江信彦に至っては小出勇太という、全くもじってもいない改名がなされていて、深読みが尽きない。
そもそも少年リーダムってなんだって話である。
フリーダムなのかと思ったが、リーダー(読者)&キングダムを合成したものなのだそうだ。
ネーミングセンスが悪い。
全くジャンプをイメージ出来ないし。
こんな編集方針だからなのか。
バンチは俺の肌には合わなかった。
2001年に創刊した週刊バンチはジャンプ的ムーブメントを起こすことなく2010年に休刊。
俺が初めてバンチの単行本を買ったのは2018年の去年。
この「少年リーダム」と、「コンシェルジュ」の8巻のみである。
続く。
少年リーダム~友情・努力・勝利の詩~ コミック 全4巻 完結セット
- 作者:
- 出版社/メーカー:
- メディア: コミック
少年リーダム~友情・努力・勝利の詩 1 (BUNCH COMICS)
- 作者: 次原 隆二
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/08/08
- メディア: コミック
独身ぼっち男性が読むべきグルメ漫画三部作最終作品、刃森尊「ネイチャージモン」 [名作紹介]
こないだ書いた「大東京ビンボー生活マニュアル」の記事がなぜかアクセス数を稼いでいる。「孤独のグルメ」が2ちゃんねらー的な人たちの間でヒットするのなら、ビンボーマニュアルもヒットするはずだと思い続けていた(思い続けていただけ)。
今回紹介するのは、俺が思う2ちゃんねらー的な独身ぼっち男性が読むべきグルメ漫画の三部作の最後の作品。それが「ネイチャージモン」である。
ウィキによると2007年から2012年、別冊ヤングマガジンで連載されていたとのこと。
単行本全9巻。
作画は少年マガジンでヤンキー漫画を描いていた刃森尊(はもりたかし)。
ダチョウ倶楽部の寺門ジモンが自らのこだわりを紹介するルポ漫画である。
この漫画は大きく分けて昆虫採集と肉食について語られる。
1巻の後半に描かれた、焼肉に対する異常なこだわりは衝撃を受けた。
そもそも俺は焼肉が苦手だ。
一人で食べに行きづらいし、注文の仕方もよく分からない。
うまく焼ける自信もない。
どのタイミングで食べたらいいのかも分かりづらい。
高い。
そもそもあまり好きじゃない。
肉料理のマイランキングの中ではかなり下位だ。
そんな焼肉を、ネイチャージモンは1日仕事として捉えている。
前日に予約を入れると、朝食から焼肉に備えて腸を整え、昼から歩き通して店に向かう。そして開店前から並び、お店に対して意気込みを伝えるのだ。
もちろん食肉に関する知識も豊富なのだが、そんなことはグルメ漫画として当たり前。それ以上のデティールを加えているのは革新的だと思った。単なる美食家ではなく、周囲から「ネイチャー」と呼ばれる理由の一端がここにあると思う。
1巻で紹介される「スタミナ苑」は東京に現在もある名店だそうで、全9巻を通して何度か出てくる。一度行ってみたいなあと思ってはいるのだが、東京に行って並んで待てる自信がない。。。
ネイチャージモンを読んで焼肉ファンになったということもないのだが、知識として役に立った箇所がある。網を取り替えるところだ。もちろん漫画のように一枚焼くたびにということはないけども、いつまでもカーボン(焦げのこびりつき)の上で焼かなくていいというのは大いに参考になった。
1年ちょい前、年齢が倍近く離れたアイドル並みに可愛い女の子から食事に誘われた。
彼女の希望が焼肉だった。
その時、つくづくこの漫画読んでいてよかったと思ったものである。
ちなみに注文の仕方が分からない同胞に向けた俺の結論。
コースを頼めば良いのである!
服を買い方が分からないうちはマネキン買いすればいい!に匹敵する発見だ。
ただちょっとそのコースは量が多かった。
最初は美味しい美味しいと感動して二人で食べていたのだが、さすがに相手は女子である。終盤はテンションが落ちた。
ここにもう少し配慮すれば良かったと後悔している。
ネイチャージモンは漫画の中で、そういった理由で相手の目が死ぬ瞬間を見逃さないようにしていたのに。不覚である。
目といえば、この漫画は目の描き方がすごくいい。
きちんと眼球に黒目がプリントされている感がある。
目の書き方一つで天下取れるかどうか決まるという漫画理論があるが、とれるかどうかは置いといて、俺個人としてはかなり良い目を描いている漫画だと思う。作画担当の刃森尊はかなりうまい部類の漫画だ。料理の描写も半端ない。漫画は基本、担当の小松と二人のやりとりで進行するが、作者本人も帯同していたのか、少し気になるところだ。
今回紹介するのは、俺が思う2ちゃんねらー的な独身ぼっち男性が読むべきグルメ漫画の三部作の最後の作品。それが「ネイチャージモン」である。
ウィキによると2007年から2012年、別冊ヤングマガジンで連載されていたとのこと。
単行本全9巻。
作画は少年マガジンでヤンキー漫画を描いていた刃森尊(はもりたかし)。
ダチョウ倶楽部の寺門ジモンが自らのこだわりを紹介するルポ漫画である。
この漫画は大きく分けて昆虫採集と肉食について語られる。
1巻の後半に描かれた、焼肉に対する異常なこだわりは衝撃を受けた。
そもそも俺は焼肉が苦手だ。
一人で食べに行きづらいし、注文の仕方もよく分からない。
うまく焼ける自信もない。
どのタイミングで食べたらいいのかも分かりづらい。
高い。
そもそもあまり好きじゃない。
肉料理のマイランキングの中ではかなり下位だ。
そんな焼肉を、ネイチャージモンは1日仕事として捉えている。
前日に予約を入れると、朝食から焼肉に備えて腸を整え、昼から歩き通して店に向かう。そして開店前から並び、お店に対して意気込みを伝えるのだ。
もちろん食肉に関する知識も豊富なのだが、そんなことはグルメ漫画として当たり前。それ以上のデティールを加えているのは革新的だと思った。単なる美食家ではなく、周囲から「ネイチャー」と呼ばれる理由の一端がここにあると思う。
1巻で紹介される「スタミナ苑」は東京に現在もある名店だそうで、全9巻を通して何度か出てくる。一度行ってみたいなあと思ってはいるのだが、東京に行って並んで待てる自信がない。。。
ネイチャージモンを読んで焼肉ファンになったということもないのだが、知識として役に立った箇所がある。網を取り替えるところだ。もちろん漫画のように一枚焼くたびにということはないけども、いつまでもカーボン(焦げのこびりつき)の上で焼かなくていいというのは大いに参考になった。
1年ちょい前、年齢が倍近く離れたアイドル並みに可愛い女の子から食事に誘われた。
彼女の希望が焼肉だった。
その時、つくづくこの漫画読んでいてよかったと思ったものである。
ちなみに注文の仕方が分からない同胞に向けた俺の結論。
コースを頼めば良いのである!
服を買い方が分からないうちはマネキン買いすればいい!に匹敵する発見だ。
ただちょっとそのコースは量が多かった。
最初は美味しい美味しいと感動して二人で食べていたのだが、さすがに相手は女子である。終盤はテンションが落ちた。
ここにもう少し配慮すれば良かったと後悔している。
ネイチャージモンは漫画の中で、そういった理由で相手の目が死ぬ瞬間を見逃さないようにしていたのに。不覚である。
目といえば、この漫画は目の描き方がすごくいい。
きちんと眼球に黒目がプリントされている感がある。
目の書き方一つで天下取れるかどうか決まるという漫画理論があるが、とれるかどうかは置いといて、俺個人としてはかなり良い目を描いている漫画だと思う。作画担当の刃森尊はかなりうまい部類の漫画だ。料理の描写も半端ない。漫画は基本、担当の小松と二人のやりとりで進行するが、作者本人も帯同していたのか、少し気になるところだ。
ネイチャージモン コミック 全9巻完結セット (ヤンマガKCスペシャル)
- 作者: 刃森 尊
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/01/04
- メディア: コミック
行列日本一 スタミナ苑の繁盛哲学 - うまいだけじゃない、売れ続けるための仕事の流儀 -
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2018/09/27
- メディア: Kindle版
タグ:グルメ
ガラスのシャワーで死なないアレクサンダー大王の10000人合同結婚式とは?ムロタニツネ象の「世界の歴史」3巻 [歴史漫画]
CanonScan LiDE400を購入。
ハードカバータイプの分厚い表紙をスキャンするためです。
前持っていたのは壊れてしまったけども、お手軽で長いこと使えたので同じ会社のものを。
性能は今の所。。。まだ使いこなせてないのかな。
そんなわけで「学研まんが 世界の歴史」の取り込み再開。
子供の頃、伝記漫画界のスターだったムロタニツネ象が全編を執筆。
タッチが独特だけども、「少年少女日本の歴史」のあおむら純に勝るとも劣らない傑作だと思う。
1巻から読み始めた時は退屈極まりなかったのだけど、3巻のアレクサンダー大王編から面白さが爆発。通して読んでしばらく経ってみても、アレクサンダー編が一番面白いと思う。
アレクサンダー大王はガラスのシャワーを浴びても傷一つつかない人としてよく知られているけども、細かいところでどんな生涯だったのか浸透していない。横山光輝三国志のような有名傑作コミカライズがないためだ。天才の岩明均の「ヒストリエ」があるけども、あれはあの時代のちょっと前を描くのがテーマなのか?
というわけで、1990年代に描かれた作品が今さら国民的大ヒット漫画にはならないとは思うが、「学研まんが 世界の歴史」3巻が今のところ暫定1位のアレクサンダー大王漫画である。
史上最大規模のロードムービーだ。
面白いなあと思うのが、次で最後、次で最後だからと兵士をなだめすかしながら東へ進軍し続けるものの、次から次へと新しい敵が現れ、世界の果ては一向に見えないものだから、とうとう兵たちがやる気をなくして帰ることになる展開。
疑問なのが、征服した土地にそこそこ兵は置いてきてるだろうけども、あんな広い規模で、ちゃんと占領を維持できるのかねということ。光栄の「信長の野望-全国版-」感覚で言うけど、アレクサンダー大王の東征って同ゲームで言うところのイナゴ作戦なんじゃなかろうか。常に全兵力を投入して次から次に攻め込む。当然空白地になった国は取られちゃいますわな。
国へ帰ることに決めたら決めたで、わざわざ危険な砂漠ルートを通って、兵の4分の3が死ぬ有様。
もう一つ面白いと思うのが、アレクサンダー大王の結婚観。
ウズベク共和国(どこだそりゃ)のあたりの難攻不落の岩城を、登山技術を駆使して攻略。城主が最後まで抵抗を諦めない中、そこのお姫様、ロクサネに結婚を申し込んで戦争を終わらせるという展開。なんともドラマチックだ。初婚だったのだろうか?
東征を終えて帰国の途についたものの、留守中の政治の腐敗っぷりに人間不信になったアレクサンダー大王は、10000人の合同結婚式をすることを思いつく。東征中に現地で妻を娶った者も多いので、改めてみんなで式を挙げようというイベントだ。
その後の展開がさらに斜め上。
「世界中の人間がまざり合えば、小さな国というわくがはずされ、世界国家としてまとまるという構想だ。」→わかる
「大王みずから手本をしめそう」→わかる
「わたしは、自分の敵であったペルシア王ダレイオス三世の娘スタティラを妻にしよう!」→ファッ?
当然ロクサネは面白いわけがない。
アレクサンダー死後、ロクサネはスタティラをおびき出し殺害。
合同結婚式も効果なかったのか、人種差別的な文脈でロクサネも跡取りもろとも殺されてしまった。
アレクサンダー大王の血筋は全て絶え、大王の版図は3つに分割統治された。
ハードカバータイプの分厚い表紙をスキャンするためです。
前持っていたのは壊れてしまったけども、お手軽で長いこと使えたので同じ会社のものを。
性能は今の所。。。まだ使いこなせてないのかな。
そんなわけで「学研まんが 世界の歴史」の取り込み再開。
子供の頃、伝記漫画界のスターだったムロタニツネ象が全編を執筆。
タッチが独特だけども、「少年少女日本の歴史」のあおむら純に勝るとも劣らない傑作だと思う。
1巻から読み始めた時は退屈極まりなかったのだけど、3巻のアレクサンダー大王編から面白さが爆発。通して読んでしばらく経ってみても、アレクサンダー編が一番面白いと思う。
アレクサンダー大王はガラスのシャワーを浴びても傷一つつかない人としてよく知られているけども、細かいところでどんな生涯だったのか浸透していない。横山光輝三国志のような有名傑作コミカライズがないためだ。天才の岩明均の「ヒストリエ」があるけども、あれはあの時代のちょっと前を描くのがテーマなのか?
というわけで、1990年代に描かれた作品が今さら国民的大ヒット漫画にはならないとは思うが、「学研まんが 世界の歴史」3巻が今のところ暫定1位のアレクサンダー大王漫画である。
史上最大規模のロードムービーだ。
面白いなあと思うのが、次で最後、次で最後だからと兵士をなだめすかしながら東へ進軍し続けるものの、次から次へと新しい敵が現れ、世界の果ては一向に見えないものだから、とうとう兵たちがやる気をなくして帰ることになる展開。
疑問なのが、征服した土地にそこそこ兵は置いてきてるだろうけども、あんな広い規模で、ちゃんと占領を維持できるのかねということ。光栄の「信長の野望-全国版-」感覚で言うけど、アレクサンダー大王の東征って同ゲームで言うところのイナゴ作戦なんじゃなかろうか。常に全兵力を投入して次から次に攻め込む。当然空白地になった国は取られちゃいますわな。
国へ帰ることに決めたら決めたで、わざわざ危険な砂漠ルートを通って、兵の4分の3が死ぬ有様。
もう一つ面白いと思うのが、アレクサンダー大王の結婚観。
ウズベク共和国(どこだそりゃ)のあたりの難攻不落の岩城を、登山技術を駆使して攻略。城主が最後まで抵抗を諦めない中、そこのお姫様、ロクサネに結婚を申し込んで戦争を終わらせるという展開。なんともドラマチックだ。初婚だったのだろうか?
東征を終えて帰国の途についたものの、留守中の政治の腐敗っぷりに人間不信になったアレクサンダー大王は、10000人の合同結婚式をすることを思いつく。東征中に現地で妻を娶った者も多いので、改めてみんなで式を挙げようというイベントだ。
その後の展開がさらに斜め上。
「世界中の人間がまざり合えば、小さな国というわくがはずされ、世界国家としてまとまるという構想だ。」→わかる
「大王みずから手本をしめそう」→わかる
「わたしは、自分の敵であったペルシア王ダレイオス三世の娘スタティラを妻にしよう!」→ファッ?
当然ロクサネは面白いわけがない。
アレクサンダー死後、ロクサネはスタティラをおびき出し殺害。
合同結婚式も効果なかったのか、人種差別的な文脈でロクサネも跡取りもろとも殺されてしまった。
アレクサンダー大王の血筋は全て絶え、大王の版図は3つに分割統治された。
イスラム教の戒律よりも日本人のルールの方が難解だ?ハスナ(日本人)の「イスラム夫と共存中」 [名作紹介]
古本屋でなんとなく買った「イスラム夫と共存中」が奥深かった。
作者で妻のハスナ(日本)と、旦那のハサン(モロッコ)の、異文化交流エッセイ。イスラム教とは何か?ということを、ものすごく身近な話題を絡めて紹介してくれてます。
まあ2001年のアメリカ同時多発テロを見てきている世代は、どうしてもイスラム教ヤバイってなりますわな。
そんなにヤバくないよーってことも散々言われていますけども、親米の日本はキリスト教圏のライフスタイルが浸透してるから、どうしてもイスラム教圏は遠い異質の存在に見えてくるわけです。
同じように警戒していた奥さんですけども、旦那の方にしたら奥さんは「神をも恐れない危ない連中」だと思っていた「無神論者」。お互い様なワケです。神の視点からみたら。
イスラム教って日々のお祈りとか、決まりとか色々ややこしいんじゃないのという意見に対しては、時間厳守とかゴミ出しのルールとかケータイの契約プランだとか、日本における決まりごとを守る方がよっぽど大変という、大変に頷けるお答え。確かになあ。。。色々空気を読まないといけないし。
もともとイスラム教の戒律は、平和な共同生活を送るための理に適った生活の知恵から来ているというのもよく言われる話です。今の時代にそれはないんじゃないのというルールもありますけど、国や地方によってはだいぶ緩くなってると漫画では紹介されており、旦那ハサンもルーズな部類に入ると思います。歴史的に見ても、イスラム教はキリスト教圏の国に侵攻しても、異教徒の信仰を許して共生してたりしてますし、イメージよりもはるかに柔軟な人たちなのかもしれません。
漫画を読んでいるとイスラム教いいかも、と思えてくるのですが、「うーん、これは。。。」と引いてしまうのが一箇所。助け合いの精神が強すぎて、「困ったことがあったら何でも言ってね」という社交辞令に対し、イスラム社会では本当に「本気でなんでも言ってくる」そう。しかもその助けは「神のご加護」なので、負い目を感じる気持ちも少ないのだという。まあよく出来ているといえばよく出来たシステムなのだけど、なかなか核家族化の進んだ日本人には馴染めないかも。。。
この漫画でイスラム教の緩さを象徴する一番印象的なフレーズは「インシャッラ」。
神の思し召しを、という意味の言葉ですけども。
何を言っても、最後にそれを付け加えれば角が立たない便利なフレーズとして使われているそうです。
他の漫画では「インシュアラー」って書かれてたような気がします。
「インシャッラ」と口に出していうと、発音が本格的になったような気がしますので、皆さん一度声に出して発音してみてください。
インシャッラ!
作者で妻のハスナ(日本)と、旦那のハサン(モロッコ)の、異文化交流エッセイ。イスラム教とは何か?ということを、ものすごく身近な話題を絡めて紹介してくれてます。
まあ2001年のアメリカ同時多発テロを見てきている世代は、どうしてもイスラム教ヤバイってなりますわな。
そんなにヤバくないよーってことも散々言われていますけども、親米の日本はキリスト教圏のライフスタイルが浸透してるから、どうしてもイスラム教圏は遠い異質の存在に見えてくるわけです。
同じように警戒していた奥さんですけども、旦那の方にしたら奥さんは「神をも恐れない危ない連中」だと思っていた「無神論者」。お互い様なワケです。神の視点からみたら。
イスラム教って日々のお祈りとか、決まりとか色々ややこしいんじゃないのという意見に対しては、時間厳守とかゴミ出しのルールとかケータイの契約プランだとか、日本における決まりごとを守る方がよっぽど大変という、大変に頷けるお答え。確かになあ。。。色々空気を読まないといけないし。
もともとイスラム教の戒律は、平和な共同生活を送るための理に適った生活の知恵から来ているというのもよく言われる話です。今の時代にそれはないんじゃないのというルールもありますけど、国や地方によってはだいぶ緩くなってると漫画では紹介されており、旦那ハサンもルーズな部類に入ると思います。歴史的に見ても、イスラム教はキリスト教圏の国に侵攻しても、異教徒の信仰を許して共生してたりしてますし、イメージよりもはるかに柔軟な人たちなのかもしれません。
漫画を読んでいるとイスラム教いいかも、と思えてくるのですが、「うーん、これは。。。」と引いてしまうのが一箇所。助け合いの精神が強すぎて、「困ったことがあったら何でも言ってね」という社交辞令に対し、イスラム社会では本当に「本気でなんでも言ってくる」そう。しかもその助けは「神のご加護」なので、負い目を感じる気持ちも少ないのだという。まあよく出来ているといえばよく出来たシステムなのだけど、なかなか核家族化の進んだ日本人には馴染めないかも。。。
この漫画でイスラム教の緩さを象徴する一番印象的なフレーズは「インシャッラ」。
神の思し召しを、という意味の言葉ですけども。
何を言っても、最後にそれを付け加えれば角が立たない便利なフレーズとして使われているそうです。
他の漫画では「インシュアラー」って書かれてたような気がします。
「インシャッラ」と口に出していうと、発音が本格的になったような気がしますので、皆さん一度声に出して発音してみてください。
インシャッラ!
歴史的なサンプル、お金のためにセクハラを受けたと嘘をつく女性タレントにマキシマムザホルモンも協力! [時事ネタ]
宮迫の謝罪会見もすごかったけど、
レペゼン地球というYouTuberのやらかしがもっとすごかった。
世間的には吉本興業の話題の方が注目されるだろうから、あまり批判はされないだろうけども。
所属事務所の社長からパワハラ&セクハラを受けていたことを告発した女の子がここ数日注目を集めていたけども、その後社長が女の子を売り出すために行った炎上商法だったという趣旨の動画を公開。
自分は無実だという、とってつけたような言い訳の類かなと思っていたら、訴えた女の子も
この度は、DJ社長の策略とは言え、世間をお騒がせして大変申し訳ありませんでした。
と「やらせ」だったことを認めるツイート。
で、ねぇ、今どんな気持ちぃ??と続く。
2ちゃんのアスキーアートのアレだ。
すげえ時代だな。
これだけ#MeTooとか偽フェミとか、従軍慰安婦問題とか議論があるなかで、女性自らこういうことをしてしまうとは。
「女性が辛い思いをして訴えたのだから嘘であるはずがない」という発想から、調査して事実を突き詰めるということを放棄して、一方的に断罪するという考え方がある。もちろん冤罪が起こる。周防正行監督の映画、「それでもボクはやってない」から12年経っているが、あまり良い方向に向かっているようには思えない。
性的な嫌がらせを受けたと嘘をつく女性もいるのだ。
お金のために。
これは歴史的なすごいサンプルだと思う。
問題のジャスミンゆまさんは、ネットで検索してみたがウィキもないぐらいのレベルの人のようだ。コンテストで賞をとったり、雑誌のグラビアなどの実績があるそう。
この記事を書くために、スクショでしかみてなかった問題の動画を初めて見てみたのだが、セクハラを訴えた女の子も出演。社長との寸劇で今回の経緯を説明している。
最後にマキシマムザホルモンが登場してツッコミを入れるというオチになっていた。よく知らないが、タモリ倶楽部で見かける人たちだ。女性メンバーもいるのに、このやり口を認めた上で出演しているということになる。世間知らずの女の子なら100歩譲ってわからんでもないけども、問題の川北奈緒さんは43歳なんだそうだ。。。
やらせを認めたツイートはこれを書いている現在、3万いいね。
こういう人たちが派手にお金を稼げる時代なんだなあ。。。いいねえ。
レペゼン地球というYouTuberのやらかしがもっとすごかった。
世間的には吉本興業の話題の方が注目されるだろうから、あまり批判はされないだろうけども。
所属事務所の社長からパワハラ&セクハラを受けていたことを告発した女の子がここ数日注目を集めていたけども、その後社長が女の子を売り出すために行った炎上商法だったという趣旨の動画を公開。
自分は無実だという、とってつけたような言い訳の類かなと思っていたら、訴えた女の子も
この度は、DJ社長の策略とは言え、世間をお騒がせして大変申し訳ありませんでした。
と「やらせ」だったことを認めるツイート。
で、ねぇ、今どんな気持ちぃ??と続く。
2ちゃんのアスキーアートのアレだ。
この度は、DJ社長の策略とは言え、世間をお騒がせして大変申し訳ありませんでした。
— ジャスミン (@yjw_KG) July 20, 2019
ねぇ、今どんな気持ちぃ??
(言ってみたかった)
これからもよろしくお願いします。 pic.twitter.com/gbAztwYVRx
すげえ時代だな。
これだけ#MeTooとか偽フェミとか、従軍慰安婦問題とか議論があるなかで、女性自らこういうことをしてしまうとは。
「女性が辛い思いをして訴えたのだから嘘であるはずがない」という発想から、調査して事実を突き詰めるということを放棄して、一方的に断罪するという考え方がある。もちろん冤罪が起こる。周防正行監督の映画、「それでもボクはやってない」から12年経っているが、あまり良い方向に向かっているようには思えない。
性的な嫌がらせを受けたと嘘をつく女性もいるのだ。
お金のために。
これは歴史的なすごいサンプルだと思う。
問題のジャスミンゆまさんは、ネットで検索してみたがウィキもないぐらいのレベルの人のようだ。コンテストで賞をとったり、雑誌のグラビアなどの実績があるそう。
この記事を書くために、スクショでしかみてなかった問題の動画を初めて見てみたのだが、セクハラを訴えた女の子も出演。社長との寸劇で今回の経緯を説明している。
最後にマキシマムザホルモンが登場してツッコミを入れるというオチになっていた。よく知らないが、タモリ倶楽部で見かける人たちだ。女性メンバーもいるのに、このやり口を認めた上で出演しているということになる。世間知らずの女の子なら100歩譲ってわからんでもないけども、問題の川北奈緒さんは43歳なんだそうだ。。。
やらせを認めたツイートはこれを書いている現在、3万いいね。
こういう人たちが派手にお金を稼げる時代なんだなあ。。。いいねえ。
タグ:炎上
レオン&マスターキートンの元ネタ?御厨さと美の「裂けた旅券(パスポート)」 [名作紹介]
BSマンガ夜話の「マスターキートン」回を見ていたら、この漫画と「パイナップルアーミー」以外の浦沢直樹の連載作品には全く辛辣で、全く同感なのだが「YAWARA!」は面白いと思うんだけどな。あそこに浦沢直樹の基本セットが全部詰まってる。
その中で、マスターキートン以前に似たような漫画があったと知った。
御厨さと美(みくりやさとみ)の「裂けた旅券(パスポート)」だ。
1980年から1983年までビッグコミックオリジナルに連載されていたそう。
ちなみに「マスターキートン」はその終了の5年後に同誌で連載が始まった。
全然知らなかったのでお試し読みしてみた。
フランスで気ままに暮らす日本人のオッサンが主人公。
初登場時はこれが主人公?と驚くほどにむさい。
第2話からいきなり主人公っぽい顔に軌道修正していく。
主人公は便利屋みたいなことをしていて、いろんな陰謀に巻き込まれたりする。
誤解を恐れずにいうと、ゴルゴ13に影響を受けた、よくあるおっさん向け漫画って感じだ。
かなり絵は達者だ。これより上手いという人もなかなかいないだろう。
検索してみると「マスターキートン」との類似性についてはよく書かれているのだが、2巻から登場する相棒のマレッタが、リュック・ベッソンの「レオン」で、ナタリー・ポートマンが演じたマチルダの元ネタではと指摘するブログがあって、大いに興味を惹かれた。
ので、全7巻購入してみた。
3800円ぐらいだったかな。
例によって、一気に裁断、スキャンしてからの読み。
古い本なので、かなりごみ取りが大変だった。。。
通して読んでみると、マスターキートンの類似性はそれほど感じない。
が、マレッタはマチルダそっくりだと思う。
おかっぱで前髪を垂らしているその髪型。
黒髪にして首輪をつけたらまんまマチルダで驚いた。
(こんなシーン、映画にあったような。。。)
ちなみに映画「レオン」は1994年の映画。
おっさんの殺し屋と、12歳のヒロインのバディムービー。
スマホケースにしてる女性もチラホラ見るぐらい、今でも人気がある映画だ。
ちなみに「裂けた旅券」のマレッタは初登場時13歳。
なんと娼婦をしており、主人公はそんなに若いと知らずに彼女を買ってしまい、しょっぴかれる。
しょっぴいた刑事は主人公の知人で、非常に漫画っぽいありえない展開なのだが、彼女の保護者を任されるという流れ。
マレッタはサバサバはしているが、なぜか主人公のオッサンにはベタ惚れ。
だが主人公は彼女に対してプラトニックを貫くというのもありがちな流れ。
初対面でやっちゃっているのだが。。。
しかし他の女は抱きまくり。
マレッタはたまに他の男に心が動かされつつも貞淑を貫く。
二人の結末はかなり印象に残った。
いい漫画だなと思う。
その印象的なシーンが、手こずりながらスキャンしていたのでどうしても先に目に入ってきてしまったのはちょっと残念だった。。。
その中で、マスターキートン以前に似たような漫画があったと知った。
御厨さと美(みくりやさとみ)の「裂けた旅券(パスポート)」だ。
1980年から1983年までビッグコミックオリジナルに連載されていたそう。
ちなみに「マスターキートン」はその終了の5年後に同誌で連載が始まった。
全然知らなかったのでお試し読みしてみた。
フランスで気ままに暮らす日本人のオッサンが主人公。
初登場時はこれが主人公?と驚くほどにむさい。
第2話からいきなり主人公っぽい顔に軌道修正していく。
主人公は便利屋みたいなことをしていて、いろんな陰謀に巻き込まれたりする。
誤解を恐れずにいうと、ゴルゴ13に影響を受けた、よくあるおっさん向け漫画って感じだ。
かなり絵は達者だ。これより上手いという人もなかなかいないだろう。
検索してみると「マスターキートン」との類似性についてはよく書かれているのだが、2巻から登場する相棒のマレッタが、リュック・ベッソンの「レオン」で、ナタリー・ポートマンが演じたマチルダの元ネタではと指摘するブログがあって、大いに興味を惹かれた。
ので、全7巻購入してみた。
3800円ぐらいだったかな。
例によって、一気に裁断、スキャンしてからの読み。
古い本なので、かなりごみ取りが大変だった。。。
通して読んでみると、マスターキートンの類似性はそれほど感じない。
が、マレッタはマチルダそっくりだと思う。
おかっぱで前髪を垂らしているその髪型。
黒髪にして首輪をつけたらまんまマチルダで驚いた。
(こんなシーン、映画にあったような。。。)
ちなみに映画「レオン」は1994年の映画。
おっさんの殺し屋と、12歳のヒロインのバディムービー。
スマホケースにしてる女性もチラホラ見るぐらい、今でも人気がある映画だ。
ちなみに「裂けた旅券」のマレッタは初登場時13歳。
なんと娼婦をしており、主人公はそんなに若いと知らずに彼女を買ってしまい、しょっぴかれる。
しょっぴいた刑事は主人公の知人で、非常に漫画っぽいありえない展開なのだが、彼女の保護者を任されるという流れ。
マレッタはサバサバはしているが、なぜか主人公のオッサンにはベタ惚れ。
だが主人公は彼女に対してプラトニックを貫くというのもありがちな流れ。
初対面でやっちゃっているのだが。。。
しかし他の女は抱きまくり。
マレッタはたまに他の男に心が動かされつつも貞淑を貫く。
二人の結末はかなり印象に残った。
いい漫画だなと思う。
その印象的なシーンが、手こずりながらスキャンしていたのでどうしても先に目に入ってきてしまったのはちょっと残念だった。。。
裂けた旅券 裂けたパスポート 全7巻完結 (ビッグコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]
- 作者: 御厨 さと美
- 出版社/メーカー: 小学館
- メディア: コミック
スーパーサイヤ人の元ネタはスーパーサヤカ?岡崎つぐおの「どきどきハートビート」 [時事ネタ]
大変に痛ましい事件が起こった。
京都アニメーションのビルが放火され、とんでもない数のアニメーターが亡くなった。
アニメは疎いけども、薄給で世界に通用するコンテンツを提供し続けるアニメーターがどんなに貴重な人材なのか。最初1人死亡と聞いただけでもショックだったのに、それがこれ書いてる現在は33人死亡したという。
犯人がどんなやつか、はっきりした情報は今の所ないけども、おそらく33人殺せるほどの正当な動機があったとは思えない。死刑廃止論の人って免罪の可能性とかいうけども、こういうのも死刑反対なんですかね。
放火で思い出すのが岡崎つぐおが1987年から少年サンデーで連載した「どきどきハートビート」。
放火犯に対する警告として、「放火は死刑、または無期、もしくは5年以上の懲役刑です」という貼紙をして、すごい身近にいた地上げ屋の放火犯が内心ショックを受けるというシーンがある。
子供の頃に読んで以来、放火事件がニュースで報道されるたびにこれを思い出すぐらい印象的なシーンだった。
ちなみにこのマンガ、特殊薬品を浴びてしまった地味な眼鏡っ娘刑事、百瀬さやかが、ドキドキするとスーパーウーマンに変身してしまうというコメディなのだが、その姿はまるでスーパーサイヤ人である。
ちなみにスーパーサヤカと名乗るシーンもある。
髪の色は残念ながら金髪ではなく、ピンクだ。
白黒ページだとスーパーサイヤ人と全く変わらない。
京都アニメーションのビルが放火され、とんでもない数のアニメーターが亡くなった。
アニメは疎いけども、薄給で世界に通用するコンテンツを提供し続けるアニメーターがどんなに貴重な人材なのか。最初1人死亡と聞いただけでもショックだったのに、それがこれ書いてる現在は33人死亡したという。
犯人がどんなやつか、はっきりした情報は今の所ないけども、おそらく33人殺せるほどの正当な動機があったとは思えない。死刑廃止論の人って免罪の可能性とかいうけども、こういうのも死刑反対なんですかね。
放火で思い出すのが岡崎つぐおが1987年から少年サンデーで連載した「どきどきハートビート」。
放火犯に対する警告として、「放火は死刑、または無期、もしくは5年以上の懲役刑です」という貼紙をして、すごい身近にいた地上げ屋の放火犯が内心ショックを受けるというシーンがある。
子供の頃に読んで以来、放火事件がニュースで報道されるたびにこれを思い出すぐらい印象的なシーンだった。
ちなみにこのマンガ、特殊薬品を浴びてしまった地味な眼鏡っ娘刑事、百瀬さやかが、ドキドキするとスーパーウーマンに変身してしまうというコメディなのだが、その姿はまるでスーパーサイヤ人である。
ちなみにスーパーサヤカと名乗るシーンもある。
髪の色は残念ながら金髪ではなく、ピンクだ。
白黒ページだとスーパーサイヤ人と全く変わらない。
タグ:岡崎つぐお
伝説のギャグ漫画「マカロニほうれん荘」を大人買い!他の作家に与えた影響を検証する [名作紹介]
鴨川つばめの「マカロニほうれん荘」の全巻を大人買い。
一気に裁断、スキャンして読んだ。
1977年から1979年の2年間、少年チャンピオンで連載され、一世を風靡したギャグ漫画である。リアルタイムで読んでないどころか、少年時代に周囲に全く少年チャンピオンを読んでいる者がおらず、この漫画と「がきデカ」はずっと気になっていた。
「マカロニほうれん荘」が気になりだしたのは1995年に3DOというゲーム機でゲーム化された時である。1979年に終わった漫画が、16年後にゲーム化。相当愛されてんなと衝撃を受けた。それまでに「マカロニほうれん荘」を愛読しているという作家も数多く見かけた。
しかし、実際に俺が漫画を購入して読むまでに、ゲーム化から約四半世紀経ったわけである。
ギャグ漫画は特に「時代と寝る」ものだと思うので、今読んでも面白いのか不安だったが、割と楽しんで読めた。爆笑するほどではないが、いい漫画だというのはわかる。さらに言うとオシャレだと思う。ちょっと狂気も感じる。
購入のきっかけは、漫画家のきたがわ翔。
YouTubeにて、辛かった少年時代に生きる支えになった漫画だと涙ぐんでいる動画を公開しており、そこまでの作品なのかと驚く。ちなみに有料会員になってまでこの動画の後編を見た。
さらにきたがわ翔は、にわのまことの「ザ・モモタロウ」の謎の登場キャラクター、「もんがー」の元ネタが「マカロニほうれん荘」なのではないかと解説しており、大いに興味を惹かれた。「モモタロウ」の登場キャラクター、宮川三朗太は、「マカロニ」の主人公、沖田そうじとツッコミがそっくりだし、鴨川つばめのギャグデティールの細かさも、にわのまことに共通する部分である。
さらに長年疑問だった、まるで「パタリロ!」のタマネギ部隊のような「マカロニ」登場キャラクター「トシちゃん」のひし形の口。もう言うまでもないが、マカロニが先なのである。真似した漫画が、その要素を作品に欠かせない重要な設定として100巻以上続けてしまうのはすごい話だ。徳弘正也が「シェイプアップ乱」で始めた(と思う)「もっこり」を、後追いの北条司の「シティーハンター」の方で国民に広く知られてしまうのと似たような現象だ。
「パタリロ!」をざっと読み返して、ひし形の口がいつ出てきたのか検証してみた。
見落としがなければ単行本5巻の65ページが初出。
人気キャラ、間者猫の初登場シーンで猫語を使う口の形が小さいひし形になっている。
続いて同じ5巻の76ページでタマネギ部隊が初登場。
77ページで初めてひし形の口になる。その口のサイズはまだ小さく、模倣としては控え目である。
131ページでそれがメーキャップであることが明かされる。
タマネギ部隊が再登場するのは7巻の後半と、ちょっと間を置く。5巻のスターダスト編は映画化されたエピソードで、タマネギ部隊はその時1回こっきりのつもりで出したのかもしれない。
8巻で作者の自画像が初めてトシちゃんになる。
さらに11巻でトシちゃんの「トシちゃん25歳」をもじった「みーちゃん28歳」が初登場。
この時1981年。
ほうれん荘の破滅的な終了から2年経っており、作品を惜しむ気持ちが魔夜峰央の中にあったのかもしれない。
ちなみに今回購入した「マカロニほうれん荘」単行本第1巻は65刷だった。
一気に裁断、スキャンして読んだ。
1977年から1979年の2年間、少年チャンピオンで連載され、一世を風靡したギャグ漫画である。リアルタイムで読んでないどころか、少年時代に周囲に全く少年チャンピオンを読んでいる者がおらず、この漫画と「がきデカ」はずっと気になっていた。
「マカロニほうれん荘」が気になりだしたのは1995年に3DOというゲーム機でゲーム化された時である。1979年に終わった漫画が、16年後にゲーム化。相当愛されてんなと衝撃を受けた。それまでに「マカロニほうれん荘」を愛読しているという作家も数多く見かけた。
しかし、実際に俺が漫画を購入して読むまでに、ゲーム化から約四半世紀経ったわけである。
ギャグ漫画は特に「時代と寝る」ものだと思うので、今読んでも面白いのか不安だったが、割と楽しんで読めた。爆笑するほどではないが、いい漫画だというのはわかる。さらに言うとオシャレだと思う。ちょっと狂気も感じる。
購入のきっかけは、漫画家のきたがわ翔。
YouTubeにて、辛かった少年時代に生きる支えになった漫画だと涙ぐんでいる動画を公開しており、そこまでの作品なのかと驚く。ちなみに有料会員になってまでこの動画の後編を見た。
さらにきたがわ翔は、にわのまことの「ザ・モモタロウ」の謎の登場キャラクター、「もんがー」の元ネタが「マカロニほうれん荘」なのではないかと解説しており、大いに興味を惹かれた。「モモタロウ」の登場キャラクター、宮川三朗太は、「マカロニ」の主人公、沖田そうじとツッコミがそっくりだし、鴨川つばめのギャグデティールの細かさも、にわのまことに共通する部分である。
さらに長年疑問だった、まるで「パタリロ!」のタマネギ部隊のような「マカロニ」登場キャラクター「トシちゃん」のひし形の口。もう言うまでもないが、マカロニが先なのである。真似した漫画が、その要素を作品に欠かせない重要な設定として100巻以上続けてしまうのはすごい話だ。徳弘正也が「シェイプアップ乱」で始めた(と思う)「もっこり」を、後追いの北条司の「シティーハンター」の方で国民に広く知られてしまうのと似たような現象だ。
「パタリロ!」をざっと読み返して、ひし形の口がいつ出てきたのか検証してみた。
見落としがなければ単行本5巻の65ページが初出。
人気キャラ、間者猫の初登場シーンで猫語を使う口の形が小さいひし形になっている。
続いて同じ5巻の76ページでタマネギ部隊が初登場。
77ページで初めてひし形の口になる。その口のサイズはまだ小さく、模倣としては控え目である。
131ページでそれがメーキャップであることが明かされる。
タマネギ部隊が再登場するのは7巻の後半と、ちょっと間を置く。5巻のスターダスト編は映画化されたエピソードで、タマネギ部隊はその時1回こっきりのつもりで出したのかもしれない。
8巻で作者の自画像が初めてトシちゃんになる。
さらに11巻でトシちゃんの「トシちゃん25歳」をもじった「みーちゃん28歳」が初登場。
この時1981年。
ほうれん荘の破滅的な終了から2年経っており、作品を惜しむ気持ちが魔夜峰央の中にあったのかもしれない。
ちなみに今回購入した「マカロニほうれん荘」単行本第1巻は65刷だった。
マカロニほうれん荘全9巻 完結セット (少年チャンピオン・コミックス)
- 作者: 鴨川つばめ
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2010/11/01
- メディア: コミック
[まとめ買い] マカロニほうれん荘【電子コミックス特別編集版】
- 出版社/メーカー:
- メディア: Kindle版
「いだてん」に登場した人見絹枝を扱った漫画、伊藤智義/森田信吾 「栄光なき天才たち」 [名作紹介]
実家に帰るたびに大河ドラマ「いだてん」をまとめて見ている。
日本のオリンピック史を語ったドラマだ。
まだ見てないが、こないだ人見絹枝が出てきたらしい。
人見絹枝といえば「栄光なき天才たち」にも出てきた。
この漫画はマイナーな偉人を取り扱った傑作。
人見絹枝は1巻に登場。
文庫版などは順番がバラバラだったり、未収録回が多いので注意が必要だ。
人見絹枝は女子初のオリンピックメダリスト。
「いだてん」ではよく描かれているが、当時は女性が運動することへの偏見が強く、そういった逆風の中で人見絹枝は1928年のアムステルダムオリンピックに出場した。が、狙っていた100mで惨敗。
他に唯一出場できた800mにもエントリー。800mは一度も走ったことがなかったというから記念受験的なものだったのだろう。
ところが終わってみれば世界新記録で2位!1987年の連載当時では女子陸上史上唯一のメダリストだった。そしてメダル獲得の3年後、24歳の若さで亡くなってしまう。
「栄光なき天才たち」では、世間の重圧と100m惨敗という結果に苦しみつつ、初めて自分のために勝ちたいと思った絹枝の姿から物語が始まる。
未経験の800mをどう走ったら良いのかわからないとアドバイスを求める絹枝に、コーチは「700mを全力で走れば、残り100mは体が自動的にスパートをかける」と説明するのだが、これは実はなんの根拠もないデタラメだった。彼女の勝てる可能性はゼロなのだから、せめてリラックスして走ってもらうのが務めとコーチがスポーツ記者に打ち明ける。
競技が始まると絹枝はグングンと順位を上げていく。
残り100mになったところで3位。スパートがかかるが、先行者のスパイクが足にあたり、バランスを崩し、後続に抜かれそうになる。ところがここで謎の光が絹枝にスパートをかけさせ、2位を抜いて1位に迫る。ゴールして倒れこみ気がつけばコーチが世界新記録で2位だと教えてくれるという幕引き。
このスパイクの描写が痛そうで印象的なのだが、調べても他には出てこない記述なので、どうやらフィクションっぽい。実際の競技でもこういうことはあるのだろうか?最後の足から出てきたような光もよく分からないが、なんか納得させられてしまう。これが漫画の力というものだろうか。
他にも人見絹枝を扱った漫画があるらしい。
比古地朔弥「ライジングガール!~人見絹枝物語~」はキンドル読み放題対象作品。
女性誌で連載されたもののようだ。星4つと評価も高い。
表紙はなんかバレーボール漫画みたい。あと手が「七夕の国」っぽい。。。
文字の本は結構いっぱい出ている。
24歳で亡くなったのに濃くてドラマチックな人生だったのだろうなと思う。
日本のオリンピック史を語ったドラマだ。
まだ見てないが、こないだ人見絹枝が出てきたらしい。
人見絹枝といえば「栄光なき天才たち」にも出てきた。
この漫画はマイナーな偉人を取り扱った傑作。
人見絹枝は1巻に登場。
文庫版などは順番がバラバラだったり、未収録回が多いので注意が必要だ。
人見絹枝は女子初のオリンピックメダリスト。
「いだてん」ではよく描かれているが、当時は女性が運動することへの偏見が強く、そういった逆風の中で人見絹枝は1928年のアムステルダムオリンピックに出場した。が、狙っていた100mで惨敗。
他に唯一出場できた800mにもエントリー。800mは一度も走ったことがなかったというから記念受験的なものだったのだろう。
ところが終わってみれば世界新記録で2位!1987年の連載当時では女子陸上史上唯一のメダリストだった。そしてメダル獲得の3年後、24歳の若さで亡くなってしまう。
「栄光なき天才たち」では、世間の重圧と100m惨敗という結果に苦しみつつ、初めて自分のために勝ちたいと思った絹枝の姿から物語が始まる。
未経験の800mをどう走ったら良いのかわからないとアドバイスを求める絹枝に、コーチは「700mを全力で走れば、残り100mは体が自動的にスパートをかける」と説明するのだが、これは実はなんの根拠もないデタラメだった。彼女の勝てる可能性はゼロなのだから、せめてリラックスして走ってもらうのが務めとコーチがスポーツ記者に打ち明ける。
競技が始まると絹枝はグングンと順位を上げていく。
残り100mになったところで3位。スパートがかかるが、先行者のスパイクが足にあたり、バランスを崩し、後続に抜かれそうになる。ところがここで謎の光が絹枝にスパートをかけさせ、2位を抜いて1位に迫る。ゴールして倒れこみ気がつけばコーチが世界新記録で2位だと教えてくれるという幕引き。
このスパイクの描写が痛そうで印象的なのだが、調べても他には出てこない記述なので、どうやらフィクションっぽい。実際の競技でもこういうことはあるのだろうか?最後の足から出てきたような光もよく分からないが、なんか納得させられてしまう。これが漫画の力というものだろうか。
他にも人見絹枝を扱った漫画があるらしい。
比古地朔弥「ライジングガール!~人見絹枝物語~」はキンドル読み放題対象作品。
女性誌で連載されたもののようだ。星4つと評価も高い。
表紙はなんかバレーボール漫画みたい。あと手が「七夕の国」っぽい。。。
文字の本は結構いっぱい出ている。
24歳で亡くなったのに濃くてドラマチックな人生だったのだろうなと思う。
栄光なき天才たち 全17巻完結(ヤングジャンプコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]
- 作者: 伊藤 智義 森田 信吾
- 出版社/メーカー: 集英社
- メディア: コミック
「ゴールデンカムイ」で大人気!土方歳三は漫画でどう描かれてきたのか [歴史漫画]
人気漫画「ゴールデンカムイ」で大活躍中の土方歳三。
いろんな漫画に出てるとこを集めて一挙に紹介しようと思いました。
野田サトル「ゴールデンカムイ」
ゴールデンカムイでの土方は函館で死なず生き延びており、同じく老人となった永倉と供に回天のために大暴れする、本作のコンセプトを象徴する重要なキャラクターとなっている。
和月伸宏「るろうに剣心北海道編」
元祖「るろうに剣心」では土方をモデルにした四乃森蒼紫が大活躍していたが、北海道編では写真館のシーンであの有名な肖像が大登場。「剣力はさほどでもなかったけども、すこぶる戦巧者」という剣心の解説付き。土方は農民上がりで新選組のプロデューサー的立場。剣は沖田。リーダーは近藤なので、どうしても剣はそこそこという描かれ方をするのが常。なので「るろうに剣心」でも定石を踏んでいる。
でも人の命が紙切れのようにバッサバッサと切られていくるろ剣幕末編の世界の中で、戦巧者というのはどんな感じで描写されるんですかね。生半可な策略は通じそうにないですけど。しかも回想シーンではメチャクチャ直接斬り合ってますやん。
でぇ、その回想シーンを改めて見ると、土方が剣心の剣先をつまんでるように見える!
しかも逆刃刀時代ではない剣心の刀をですよ!?
これ、何かのスタンド能力を持っているってことでしょうか。
その辺が戦巧者ということ?
北海道編の土方登場は単なるファンサービスかと思ってたんですけど、今回の敵の黒幕ってこともあり得るかもしれませんな。生きていた土方歳三ってネタを今やるのはゴールデンカムイにかぶっちゃって、あまり得策じゃない気もしますけど。
手塚治虫「陽だまりの樹」
終盤に近藤勇と一緒にちょっとだけ登場。主人公と対立する芹沢鴨を諌める計算高い男として描写されている。ちなみにこの話を収録した愛蔵版の表紙が土方歳三の写真だった。
車田正美「あかね色の風」
ひじかた?しじかた?苗字が読みにくいというのは歳三あるあるだが、この漫画ではチンピラに「どかた」と何度も呼び間違えられる。顔はまんま「リングにかけろ」の剣崎順。初登場はセックスシーンから。女にモテモテなのも土方描写の定番である。
赤名修「ダンダラ」
世界拷問旅漫画で有名な「勇午」の作者による作品。
白黒TVの時代劇「新選組血風録」のあまりの面白さに一気見してしまったという、俺と同じ体験からこの作品を描くに至ったという。残念ながら1巻で打ち切りのよう。意外にあまり出番がなく、最終話でようやく見せ場が作られる。芹沢鴨が佐藤浩市そっくりだが、三谷幸喜の「新選組!」以前のもの。帯の推薦者は新選組血風録で土方を演じた栗塚旭。
あおむら純「少年少女 日本の歴史」
16巻に登場。
本の性質上、あまり尺を取れず、なんてことはない描写に終わっているが、近藤に「歳さん」と呼ばせることで作者の思いを全て込めている気がする。
小山ゆう「お〜い!竜馬」
ほぼ沖田のオプション扱いで見せ場というほどのものはないが、竜馬に振り回されてポーカーフェイスが崩されるという役所で出演。一応函館で戦死する結末もダイジェストで紹介される。
ヒラマツ・ミノル「アサギロ」
豊川悦司がモデルなんじゃなかろうか。
沖田総司が主人公の漫画だが、土方登場編はたっぷり長編で描写されている。やはり色男で剣の腕はそこそこという感じ。この漫画、新選組漫画の一つの峠であり、だいたい超えることができない芹沢鴨暗殺以降も連載が続行。鬼の副長っぷりが見れるので要注目だ。
ながやす巧/浅田次郎「壬生義士伝」
新選組隊士、吉村貫一郎を主人公にした小説の漫画版。凄腕の剣客でありながら事情あって凄腕の守銭奴でもある貫一郎に、土方が閉口するさまなどが面白い。
みなもと太郎「冗談新選組」
土方を主人公に、ダイジェストな感じでスピーディに顛末を追いかけるギャグ漫画。今見ると落書きのような凄まじい絵柄だが、みなもと太郎が漫画界に与えた影響は少なくなく、「アオイホノオ」にも引用されている。冗談新選組は三谷幸喜が愛読してのちの大河ドラマ「新選組!」のネタ本となったりしている。
望月三起也「俺の新選組」
ワイルド7の作者による土方歳三が主人公の新選組漫画。
土方が主人公だが、あまり超人的な力を持っているようには描写されておらず、時には耐え忍ばなければ切り抜けられない展開があるのが面白い漫画。剣の達人でも少しの油断で殺されてしまう緊張感ある世界観が素晴らしい。ふた昔前といった作風だが、よく見るとペンによる作画も素晴らしい。職人技であり、必読の傑作だと思う。
いろんな漫画に出てるとこを集めて一挙に紹介しようと思いました。
野田サトル「ゴールデンカムイ」
ゴールデンカムイでの土方は函館で死なず生き延びており、同じく老人となった永倉と供に回天のために大暴れする、本作のコンセプトを象徴する重要なキャラクターとなっている。
和月伸宏「るろうに剣心北海道編」
元祖「るろうに剣心」では土方をモデルにした四乃森蒼紫が大活躍していたが、北海道編では写真館のシーンであの有名な肖像が大登場。「剣力はさほどでもなかったけども、すこぶる戦巧者」という剣心の解説付き。土方は農民上がりで新選組のプロデューサー的立場。剣は沖田。リーダーは近藤なので、どうしても剣はそこそこという描かれ方をするのが常。なので「るろうに剣心」でも定石を踏んでいる。
でも人の命が紙切れのようにバッサバッサと切られていくるろ剣幕末編の世界の中で、戦巧者というのはどんな感じで描写されるんですかね。生半可な策略は通じそうにないですけど。しかも回想シーンではメチャクチャ直接斬り合ってますやん。
でぇ、その回想シーンを改めて見ると、土方が剣心の剣先をつまんでるように見える!
しかも逆刃刀時代ではない剣心の刀をですよ!?
これ、何かのスタンド能力を持っているってことでしょうか。
その辺が戦巧者ということ?
北海道編の土方登場は単なるファンサービスかと思ってたんですけど、今回の敵の黒幕ってこともあり得るかもしれませんな。生きていた土方歳三ってネタを今やるのはゴールデンカムイにかぶっちゃって、あまり得策じゃない気もしますけど。
手塚治虫「陽だまりの樹」
終盤に近藤勇と一緒にちょっとだけ登場。主人公と対立する芹沢鴨を諌める計算高い男として描写されている。ちなみにこの話を収録した愛蔵版の表紙が土方歳三の写真だった。
車田正美「あかね色の風」
ひじかた?しじかた?苗字が読みにくいというのは歳三あるあるだが、この漫画ではチンピラに「どかた」と何度も呼び間違えられる。顔はまんま「リングにかけろ」の剣崎順。初登場はセックスシーンから。女にモテモテなのも土方描写の定番である。
赤名修「ダンダラ」
世界拷問旅漫画で有名な「勇午」の作者による作品。
白黒TVの時代劇「新選組血風録」のあまりの面白さに一気見してしまったという、俺と同じ体験からこの作品を描くに至ったという。残念ながら1巻で打ち切りのよう。意外にあまり出番がなく、最終話でようやく見せ場が作られる。芹沢鴨が佐藤浩市そっくりだが、三谷幸喜の「新選組!」以前のもの。帯の推薦者は新選組血風録で土方を演じた栗塚旭。
あおむら純「少年少女 日本の歴史」
16巻に登場。
本の性質上、あまり尺を取れず、なんてことはない描写に終わっているが、近藤に「歳さん」と呼ばせることで作者の思いを全て込めている気がする。
小山ゆう「お〜い!竜馬」
ほぼ沖田のオプション扱いで見せ場というほどのものはないが、竜馬に振り回されてポーカーフェイスが崩されるという役所で出演。一応函館で戦死する結末もダイジェストで紹介される。
ヒラマツ・ミノル「アサギロ」
豊川悦司がモデルなんじゃなかろうか。
沖田総司が主人公の漫画だが、土方登場編はたっぷり長編で描写されている。やはり色男で剣の腕はそこそこという感じ。この漫画、新選組漫画の一つの峠であり、だいたい超えることができない芹沢鴨暗殺以降も連載が続行。鬼の副長っぷりが見れるので要注目だ。
ながやす巧/浅田次郎「壬生義士伝」
新選組隊士、吉村貫一郎を主人公にした小説の漫画版。凄腕の剣客でありながら事情あって凄腕の守銭奴でもある貫一郎に、土方が閉口するさまなどが面白い。
みなもと太郎「冗談新選組」
土方を主人公に、ダイジェストな感じでスピーディに顛末を追いかけるギャグ漫画。今見ると落書きのような凄まじい絵柄だが、みなもと太郎が漫画界に与えた影響は少なくなく、「アオイホノオ」にも引用されている。冗談新選組は三谷幸喜が愛読してのちの大河ドラマ「新選組!」のネタ本となったりしている。
望月三起也「俺の新選組」
ワイルド7の作者による土方歳三が主人公の新選組漫画。
土方が主人公だが、あまり超人的な力を持っているようには描写されておらず、時には耐え忍ばなければ切り抜けられない展開があるのが面白い漫画。剣の達人でも少しの油断で殺されてしまう緊張感ある世界観が素晴らしい。ふた昔前といった作風だが、よく見るとペンによる作画も素晴らしい。職人技であり、必読の傑作だと思う。