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四半世紀前に話題となった出版業界を揺るがす問題、再販制度とは?土田世紀の「編集王」16巻 [シリーズ]

シリーズでやっている漫画「編集王」の解説。
どうも最高傑作である明治編以降はテンションが上がらないので、このまま終わろうと思う。

ところでAmazonを見ていたら、秋田書店の「チャンピオン」系列誌の電子書籍が軒並み99円!安い!バキと弱虫ペダルしか読んでないけど、地方のコンビニではなかなか立ち読みする機会も少ないので、100円なら買ってもいいかなあと思った。気になって、「サンデー」や「マガジン」もチェックしたが、それらはおそらく本屋で買うのと変わらない値段。さすがチャンピオンは攻めている。

そういえば「編集王」の最終章は「再販制度」を取り上げている。
近年だと児童ポルノ法が漫画業界を揺るがす大きな危機として話題になったが、再販制度も大御所たちが激しいテンションで世論に働きかけて話題になった。
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再販制度は大まかにいえば、出版社の決めた価格を維持して流通する法律らしい。
今は電化製品の広告など、価格が表示されていなくて不便だ。現在の状態になる過程で「オープン価格」という表記をよく見かけたことがあると思うが、その前は「メーカー希望小売価格」として、商品の価格が表示されていた。しかし、市場に自由に公正に競争させて経済を活性化させるために価格は販売店が決めるべきという理由から、メーカーの広告からは価格の表示が禁止された。
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(画像は「課長島耕作」8巻)

課長島耕作」で、メーカー希望小売価格を守ろうとしない小売店に圧力をかけて、独占禁止法違反だとして大騒ぎになる話があった。例えば書店が「ワンピース」を大量に仕入れる代わりに一冊当たりの仕入値を安くし、一冊200円で売りさばくということができないのだ。そういえば本のカバーには価格が印刷されている。今ちょうど手元にある「サッポロポテトバーベQあじ」やコーラのペットボトルには価格なんて印刷されてないのに。
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(画像は「課長島耕作」8巻)

この制度の維持が正しいのかはよく分からない。
「編集王」での意見は一枚岩過ぎて、ちょっと圧力感がある。異論を唱えた作家は追放されるんじゃないかというぐらいの重苦しい業界の雰囲気を感じる。結局のところ、チャンピオンはディスカウントして売られている。電子書籍といえば「セール」だ。コロッコロ価格が変わる。電子書籍以前から本屋もどんどん少なくなっている。
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電子書籍を嫌う人の本質的な理由は「俺が生まれた時から無い」以外に無い。電子書籍ネイティブは増える一方だ。もはや再販制度は維持されたまま、リアル書店とともに形骸化していくのかもしれない。もしくはリアル書店生き残りの最後のカンフル剤が、再販制度撤廃だったりするのかもしれない。
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