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ゲームはどれも悪意を持って作られたものではない?山本さほの「無慈悲な8bit」に違和感 [ゲーム]


ファミ通連載漫画、山本さほの「無慈悲な8bit」最新話がTwitterで無料公開されていた。
編集者が「あまりにもグッときたので」の特別公開だそうだ。
内容は「一部の言い過ぎてしまっているレビュアーへのお願い」だ。
自分はこれ読んで、グッとは来ず、なんか薄くイラっとした。

そもそもクソゲーとはなんなのか?
まず、それが世間で正しい使われ方をされていないと俺は思う。
ニコニコ動画を利用し始めた頃、あまりにも「神曲」というコメントが氾濫してて、神の領域ハードル低いな!と思ったが、それと同じでクソゲーという言葉もインフレし過ぎている。

「つまらない」
もう少し正確にいえば「自分には合わない」。
そう思ったら即クソゲー認定。
これは如何なものかと思う。

製品として成り立っているか?
というのも人によるだろうが、

1「あまりにもプログラム技術が稚拙」
2「ルールが破綻している」
3「妥当な制作予算がかけられていない」

これらの条件に当てはまるゲームを俺は「クソゲー」と呼ぶべきだと思うのだ。昔のファミ通は、それらのゲームを「4点」あるいは「3点」、さらにあるいは「森下万里子による6点」と表現したからこそファミ通はファミマガを抜いて業界紙ナンバーワンになったのだと思っている。

さて、クソゲーの定義を済ませたところで、山本さほの漫画の話を。もっともイラっとさせられた部分は「製作者の子供が見たら悲しむ」という箇所。さらに「ゲームはそれも悪意があって作られたものではないハズです!!」という結びのコメントでトドメを刺された。
さほ1.png
(土田世紀「編集王」より)

結局のところ、守るべき妻や子供がいるからこそ、ゲームのクオリティは下がるとも言えるのだ。同時に上がることもある。「森下万里子による6点」があった頃のファミ通連載の漫画、鈴木みその「おとなのしくみ」を今の編集者や執筆陣は知らないのだろうか。単行本未収録となった、クソゲー制作に加担した会社員の暴露話のことだ。稚拙な業界知識でゲーム作りを始め、結果クソゲーになると分かっていて発売し、そして売れてしまったという話だ。これが悪意でなくてなんだろうか。そしてこういうことが業界でまかり通っている。しかしそれは至って普通なことである。発売中止にして会社の損を回避したいのは、何よりも守りたい家族がいるからなのではないのか?
への道1.png
(滝沢ひろゆき「ドラゴンクエストへの道」より)

山本さほの結びのコメントはゲームの陽の部分しか見ておらず、陰の部分も飲み込もうという気概が感じられない。ファミマガ的なスタンスだ。

どこまで行っても主観しにかならない話だが、「標準的な品質に達しているゲーム」をクソゲーと斬り捨てる、クソゲーの言葉の使い方がわかってない人、山本さほの指摘するところの「一部の言い過ぎてしまっている人」に、自分は知性を感じない。変人なんだろうなあと思う。そんな人は山本さほの漫画に興味もないだろうし、家族をダシにして同情を引こうとしても一切効果はないだろう。狙ってない人に向かって石を投げているようなものだと思う。

この編集長もなんなのだろうか。
自分が愛読していた頃には聞いたことのない名前だ。
過去のファミ通スピリットは継承されていないのだろうか。
ゲームの話は笑いながら楽しく?これがスマホ世代のゲーム誌の感覚なのだろうか。
好きだから熱く語る。苦悩もある。
なんか温度が違う。時代が変わったという事なのだろう。
俺には合わない。
さほ2.png
(土田世紀「編集王」より)

■関連過去記事
「とと姉ちゃんもビックリ!クソゲーを糾弾するファミ通の批判力!鈴木みそ「おとなのしくみ」


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