2巻が発売されなかったネオ・ブラッド [名作紹介]
まるでミュージカルの様に鮮やかに悪を蹴散らす正義のスーパーヒーローチーム、ネオブラッドにアメリカ国民は夢中。ところが事件捜査のために日本にやってきたネオブラッドは、守るべき日本人から強烈なバッシングを受けながら戦わねばらなくなるのであった…。
スーパーヒーロー版「ミスター・ベースボール」というべき構成の本作。近年、映画「アヴェンジャーズ」等のヒットで再びアメコミの認知度が高まったが、このネオブラッドはwikiによると1997年1月から翌年の2月に月刊コミックドラゴンで連載されたもの。当時は「るろうに剣心」やカプコンの格ゲー人気の影響でアメコミが注目されていた時期で、ネオブラッドもその流れの中で始まった。
序盤でのハリウッド映画あるある的な華やかなノリが面白く、当時繰り返し読んでいたその反面、日本に渡ってからの邦画の様なウェットな後半の展開がツライ。特に悪役の造形が甲冑の武者や天草四郎など、定型的過ぎてつまらないのが致命的だと思う(ネオブラッドのデザインもアメコミの定番ではあるのだが)。
当時、専門誌で著者のインタビューなども見かけて、それなりに注目はされていたと思うのだが、1巻が売れなかったのか、単行本の2巻は発売されなかったようである。どんなにつまらなくてもいいが2巻は欲しかった。贅沢を言えば、ずっとアメリカで戦う姿をまた読みたい。
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