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車田正美全盛期に思いを馳せる、島村春奈の「島村さんちのこどもたち」 [名作紹介]

「島村さんちのこどもたち」はファンロードに連載されていた車田正美のパロディ漫画の傑作選(オリジナル短編も収録)。単行本3巻まで出ている(入手困難)が、掲載順に収録されてない様で、1巻1話からオリジナルのキャラクターが再登場していたりとよく分からない部分がある。
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車田正美といえばジャンプ創世記、黄金期のキーマンの一人だ。自分が最初に読んだのは男坂だった。「リングにかけろ」のヒットでジャンプは潤い、リング階段と呼ばれる階段を作ったそうだ。次作「風魔の小次郎」で低迷の兆しを見せ、男坂で後世に語り継がれるほどの打ち切りっぷり。しかし「聖闘士星矢」で「リンかけ」を上回る大ヒットを飛ばす。単行本の「カツ丼が食いたい奴はいつでも俺のとこに来い!」なる著者コメントも、小学生の自分に大ヒット。男くさくて憧れだった。
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大作家にも容赦ないというのがジャンプの良いところである。星矢の後の作品は2巻であっさり打ち切り。「お前らなんか仲間じゃねえ」という最終回の主人公のセリフは作者の心の声だったのか、車田正美は集英社の専属を離れる。数年して「リングにかけろ2 」で戻ってくる。楽しみにしていた続編であったが、期待を裏切られたというレベルではなかった。徐々に作画は荒れ、サインペンで顔だけ描いて、後を全てアシスタントに任せた様な酷い仕事っぷりだった。いろいろあったのかもしれない。締め切りを守るのもプロであるが、一度世に出した以上、作品が全てである。憧れたカツ丼の漫画家は死んだ。
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それ以後の作品はこわごわ読んでいる。作画は全盛期には遠く及ばないものの、リンかけ2の状態は脱している。加齢で画力が落ちるのはしょうがないが、ファンとしては全盛期の色気がどうしても欲しいのである。良いスタッフ、特に全盛期の絵をそっくりに描ける人を揃えて、車田ブランドを復活を切に願う。



島村さんちのこどもたち 1~最新巻 [マーケットプレイス コミックセット]

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  • 作者: 島村 春奈
  • 出版社/メーカー: ラポート
  • メディア: コミック



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