月曜日にモヤモヤする、いとうみきおの「月曜日のライバル」 [この人気漫画が面白くない]
月曜日になると、「あ、ティーバーで『探偵ナイトスクープ』見なきゃ。」「『キン肉マン』と『超人様』読まなきゃ」となるのだが、「あ、時々更新されてる『月曜日のライバル』」読まなきゃとも思う。
「月曜日のライバル」1巻が出た。
知人に勧めて見たら、パラパラ読んで「表情が死んでんな」とのコメント。
確かに硬いんだよな。
これだけキャリアが長くてコレということは、多分直らないんだろうけど。
今朝、更新されてるかなとサイトをのぞいて見たら、本日更新のようだけどまだアップされてなかったので、前回の話の第8話を読み直す。
8話はチーフが抜けてイラつく和月伸宏と、それに反抗する武井宏之が一触即発の状態になるという展開だった。シャーマンキングをあまり読んでないので、しあわせのかたちでしか武井宏之のキャラを知らないので、こんな武闘派なノリの人だったとは意外だ。「返事しないとどうなる?」はヒリヒリする良いセリフだった。実際に言ったのだろうか。想像してしまう。
この8話はなんか変な読後感がある。
作画のクオリティアップのために手段を選ばなかった和月伸宏に反発した武井が、主人公のいとうみきおに諭された上に彼の秘めた才能を感じるという構成。
しかし武井の「仕事場での待遇改善を望んだ」というセリフが昨今の「漫画アシスタントの仕事は労基法違反」というニュースを連想させてしまい、小骨に引っかかる感がある。結論が、「プロになったら同じことをするかもしれないから免罪符になる」なのも労基法問題に対する答えと合致しているようで生々しい。それなら陳腐でも「全国のちびっ子たちが楽しみに待ってるんだ!作画の妥協はありえないぜ!」の方が読後感がよかったのでは。
同じような話は島本和彦の「燃えよペン」にもある。こちらはなんか男らしい感が出ている。
この漫画はもっとブラックジョーク全開に攻めてくるのを期待していたが、色々中途半端で残念に思うことが多々ある。
この漫画には鉱脈が2つあると思う。
●漫画家としてリアルで失敗した(と世間一般には思われているであろう)作者が主人公なのに、秘めた才能を感じさせる主人公という少年漫画のフォーマットに落とし込んでいるというギャグ。
●リアルでは児ポに引っかかっている人物を、人格者的ポジションに設置せざるを得ないギャグ。
どちらも中途半端だ。
今回の和月が人によって態度を変えているという描写、武井がいとうを認めるシーン、どちらも面白いのだが、掘り出し方が全然期待にそぐわない。もっと掘れるでしょ!と思うと歯がゆい。そこが鉱脈だと作者が思ってないのかもしれない。
8話も「免罪符」というまとめ方をするなら、労基問題をもっと前面的に押し出した上でそういう結論にした方が、コンプライアンス的にはアウトだけども、心情的には共感できるし、「この漫画がすごい!」と感じたと思う。
鉱脈鉱脈言っていたら、「風雲児たち」の平賀源内を思い出す。
「月曜日のライバル」1巻が出た。
知人に勧めて見たら、パラパラ読んで「表情が死んでんな」とのコメント。
確かに硬いんだよな。
これだけキャリアが長くてコレということは、多分直らないんだろうけど。
今朝、更新されてるかなとサイトをのぞいて見たら、本日更新のようだけどまだアップされてなかったので、前回の話の第8話を読み直す。
8話はチーフが抜けてイラつく和月伸宏と、それに反抗する武井宏之が一触即発の状態になるという展開だった。シャーマンキングをあまり読んでないので、しあわせのかたちでしか武井宏之のキャラを知らないので、こんな武闘派なノリの人だったとは意外だ。「返事しないとどうなる?」はヒリヒリする良いセリフだった。実際に言ったのだろうか。想像してしまう。
この8話はなんか変な読後感がある。
作画のクオリティアップのために手段を選ばなかった和月伸宏に反発した武井が、主人公のいとうみきおに諭された上に彼の秘めた才能を感じるという構成。
しかし武井の「仕事場での待遇改善を望んだ」というセリフが昨今の「漫画アシスタントの仕事は労基法違反」というニュースを連想させてしまい、小骨に引っかかる感がある。結論が、「プロになったら同じことをするかもしれないから免罪符になる」なのも労基法問題に対する答えと合致しているようで生々しい。それなら陳腐でも「全国のちびっ子たちが楽しみに待ってるんだ!作画の妥協はありえないぜ!」の方が読後感がよかったのでは。
同じような話は島本和彦の「燃えよペン」にもある。こちらはなんか男らしい感が出ている。
この漫画はもっとブラックジョーク全開に攻めてくるのを期待していたが、色々中途半端で残念に思うことが多々ある。
この漫画には鉱脈が2つあると思う。
●漫画家としてリアルで失敗した(と世間一般には思われているであろう)作者が主人公なのに、秘めた才能を感じさせる主人公という少年漫画のフォーマットに落とし込んでいるというギャグ。
●リアルでは児ポに引っかかっている人物を、人格者的ポジションに設置せざるを得ないギャグ。
どちらも中途半端だ。
今回の和月が人によって態度を変えているという描写、武井がいとうを認めるシーン、どちらも面白いのだが、掘り出し方が全然期待にそぐわない。もっと掘れるでしょ!と思うと歯がゆい。そこが鉱脈だと作者が思ってないのかもしれない。
8話も「免罪符」というまとめ方をするなら、労基問題をもっと前面的に押し出した上でそういう結論にした方が、コンプライアンス的にはアウトだけども、心情的には共感できるし、「この漫画がすごい!」と感じたと思う。
鉱脈鉱脈言っていたら、「風雲児たち」の平賀源内を思い出す。
このマンガがすごい! comics 月曜日のライバル メガヒットマンガ激闘記 1 (このマンガがすごい!Comics)
- 作者: いとう みきお
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2018/06/22
- メディア: 単行本
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