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これが噂の「はがない」。600万部ラノベの酷評だらけの実写版「僕は友達が少ない」を見たら面白かった [名作紹介]

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作業用BGM代わりにU-NEXTで邦画をながら見している。

僕だけがいない街」は面白かった。
荒木飛呂彦が原作漫画の単行本の帯で絶賛していて気になってはいた。
ところどころ雑な演出も多かったが、9巻で完結した漫画を2巻の時点で映画化してると聞いて、そりゃあこういう風になるかもなあと思った。原作もそのうち読もう。

ところで「僕は友達が少ない」という映画も思いがけず良かった。

どっかで聞いたことのある様なタイトルだなあ、ラノベ?と、ボンヤリ考えながら聞き耳を立てていると、主演女優の台詞回しがいかにもオタクが好みそうなリアリティのない芝居掛かったセリフ。検索してみたらやっぱりラノベで、ああこれが「はがない」というヤツなのかと感心した。

だけども結構面白かったのである。
アニメの方も見てみようと思ったのだが、あの嘘くさい甘ったるいキンキン声に耐えられるかどうか自信がない。実写の方は濃ゆい演劇を見ている感じで、まあこういうジャンルのものだと思えば違和感はない。初めて役と名前が一致したが、主演の北乃きいはかなり力入れて演じていたのではなかろうか。

鑑賞終了後、ネットの評価を検索したのだが、酷評の嵐だった。
プロジェクトが動き出した時から一部のファンから非難轟々で、作者が行き過ぎた抗議を自粛する声明を発表するぐらいだったのだそうだ。低予算のB級映画だとか、原作レイプだとか、エロが下品とか、まあそんなのが大多数の意見だ。ごく少数だが褒めている人もいる。

非難の意見を読んでまず思ったのが、これ原作と違うんだ?ということである。
自分的にはキャラクターの全てが良かった。マンガチックなキャラクターを、全ての俳優が楽しんで演じてる気がする。非日常を楽しんでる感じだ。隠キャを陽キャが演じているのが良い方に転んだ様に思える。ちなみに好意的に評価している意見の中には、みんなでワイワイ楽しんで見れた、というものがあった。

そしてそれぞれ可愛い。特に幸村役の高月彩良が良かった。女性の様な風貌の男子生徒でありながら、メイド服を常に着ているというややこしい役回りなのだが、可愛すぎて震えた。あと妹役の子役もゴスロリな感じの鮮やかな衣装が映えて可愛かった。果たしておれはアニメのキャラクターを見て同じように良いと思えるのだろうか。自信がない。

酷評の意見の中に多かったもので、低予算のB級映画というものがあった。
まあB級映画というものはそもそも定義しづらい。貧乏くさい、やっつけで作られたというニュアンスで使われているのだと思うが、自分が見た感じ、それなりの才能を持った人が、力を入れて演出していると思う。それなりに予算をかけている映画なのは間違いない。言い過ぎかもしれないが、トリック初期の堤幸彦全盛期を見ている感じだった。

エロについては、やりすぎ感があるというのは同意。ちょっと家族で見るにはキツイ映画だ。原作もこんな感じだったのだろうか興味深い。たまに「作ったヤツ全員死ね」と呟きたくなる様なコテコテのパンチラロリアニメがあるが、そんな原作でもおかしくないなあとは思う。擁護したくなるのは、割とエロに侘び寂びが散見されるところである。わかってるなと唸る部分も多いのだが、露骨すぎる部分も多い。あまりテイクを重ねられず、即物的なエロにならざるを得ない事情があったのかもしれない。

エロといえば、幸村役のエロシーンに非常に悶絶した。
エロといっても、男としての就寝シーンでチラリズムですらないのだが。もちろん、男なのに主人公を悶々とさせるという意図で撮られているので非常に見ていて悩ましいシーンだった。いじめられているシーンなど、もっと凌辱されている姿が見てみたいと思わされてしまう。こういうのが侘び寂びであり、製作者がそれなりの情熱を持って演出していると考える根拠だ。

最後に、北乃きいのカラオケが非常に良かった。原作にもあるのだろうか。
劇場版タッチの主題歌「背番号のないエース」を歌って、そして泣く。なぜ泣くのか、実は見ていてよくわからないのだが感動してしまい、YouTubeで曲を探してしまった。オリジナルを歌っているのは男性で、YouTubeを見た感じでは男三人がそれぞれ歌唱を披露してるのだが、この歌は女性が歌うべき曲かもしれないなと思った。終盤でサブヒロインが歌うシーンもあるのだが、それも良かったのだ。

歌詞を調べてみると、失恋ソングのようだ。

ハートのエース背中に隠し
あいつのことをヨロシクなんて
お人好しの強がりだよね

好きな気持ちを打ち消しながら
恋のマウンドひとりで降りる
背番号のないエースさ

愛していると届かないけど
外野席から叫んでいるよ
背番号のないエースが

 
ああしんみり。
まさか主人公に片思いとか、そんな陳腐な解釈しかできないんだったら一切聞きたくない。誰か北乃きいバージョンをUPしてくれやしませんかね。

 
こないだ進撃の巨人の実写版を見て、まずは作り手に原作をリスペクトする気持ちがなければならないと書いたが、その気持ちは変わらない。「はがない」実写版も批評の多くが敬意が現れてないと書いている。ながら見で、原作に対するなんの愛着もないから笑って見てられるというのは、とどのつまりあると思う。まあでも面白かったよ。これだけ感想書けるんだから。


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