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野見宿禰は弱かった!浮かび上がる真のラスボスとは?バキ休載中に読んでおくべき安彦良和の「蚤の王」 [歴史漫画]

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安彦良和の「蚤の王」を買ってみた。
バキ道の新章のラスボス、野見宿禰(のみのすくね)についての漫画だ。
今から17年前の2001年にモーニング新マグナム増刊で連載されたものなんだそうだ。

武蔵編終了間際のバキで、知ってて当然みたいな感じで触れられていたが、全然知らなかったのでちょっと知識が欲しかった。他の読者は大丈夫なのだろうか。宮本武蔵だったら、大体の人が脅威を感じるだろうが、野見宿禰では「誰?」と、なりはしないだろうか。つうか、伝説の相撲取りだったら雷電為五郎の方がずっとメジャーなような気がするけどどうだろう。

さて、蚤の王を読んでみた感想だ。
なんと野見宿禰が弱い。
というかあまり強くない。

ルックスは安彦良和漫画定番の主人公顔で、普通にマッチョ。年齢がちょっと老けている。お相撲さん体型ではないのが特徴だ。インディアンっぽい。蹴りと肘を主体に戦っている。というとムエタイっぽいのを想像するだろうが、テコンドーっぽい。酔拳2のラスボスっぽいかもしれない。
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そしてフィジカルは対戦相手の蹴速(けはや)の方が圧倒的なのだ。
とても宿禰が勝てそうな感じではない。
ちなみにウィキペディアにある画像では、宿禰方がフィジカルで圧倒している。

周囲の人がきを場外とするランバージャックデスマッチ形式で戦うのだが、それを利用して度々宿禰側に有利なように妨害が入る。やがて蹴速はこの戦いが自分の領土を奪うための、お上が仕組んだ罠だということに気づく。

「蚤の王」は、相撲の起源であり、殉死の廃絶を行なった野見宿禰と、それを許可した垂仁(すいにん)天皇の息子の病状が回復する史実を結びつけて、とりあえず一本の話にしてみました風な漫画だという感想を持った。だが、構成上重要人物であるはずの野見宿禰と垂仁天皇のいずれも激しく読者の感情を移入させるようなキャラに描写することに失敗しており、二人に復讐を誓う蹴速息子が大きく物語を動かす存在になっていて、なんだかなあというスッキリしない読後感だ。

今後、バキ道の二代目野見宿禰に絡んでくるかもしれないエピソードを紹介する。

1:野見宿禰は埴輪作りが趣味
生き埋めが嫌なら、埴輪を埋めればいいじゃない、と進言したのが野見宿禰だという。だから、粘土細工とか作るのが二代目も好きかもしれない。だが、あんなデカいなりで手先が器用だとは思えない。ちなみに蚤の王でも野見宿禰はあまり器用そうには描かれていない。
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2:野見宿禰は勉強が得意
学問の神様といえば菅原道真であることは結構知られていると思う。その菅原道真は野見宿禰の子孫なんだそうだ。蘇我馬子だの入鹿だの、名前で遠回しにディスるのが日本の歴史の特徴だが、野見宿禰は「蚤」。これが埴輪騒動で土をいじる役職を与えられたことから「土師(はじ」」になった。これが「恥」っぽくて嫌だと桓武天皇の時代に「菅原」になったとらしいと安彦良和は蚤の王のあとがきで書いている。

これは二代目菅原道真ありそうな気がする。
フィジカルもあって勉強もできる。そして霊能力(たたり)もありそう。ピッコロを吸収した魔人ブウみたいなものか?

 
ところで相撲の起源と言われる戦いが、蹴りを主体に戦っていたって面白いね。いまだにKー1が人気あるのは、日本人に刻まれたDNAを奮い立たせるのだろうか。それがなぜ廃れてしまったのか。ウィキを見ると、空手が一般的なものになったのは昭和だという。それまでは柔術みたいな組み技が主流だしなあ。剣道って蹴りあったっけ。
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蚤の王―野見宿禰 (中公文庫―コミック版)

蚤の王―野見宿禰 (中公文庫―コミック版)

  • 作者: 安彦 良和
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2004/08/01
  • メディア: 文庫



野見宿禰の墓屋 相撲の始祖

野見宿禰の墓屋 相撲の始祖

  • 作者: 信原 克哉
  • 出版社/メーカー: ブックハウス・エイチディ
  • 発売日: 2008/01/16
  • メディア: 単行本



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