今「ボヘミアン・ラプソディ」で話題のクィーンを、20年前にジョジョ以外に取り上げていた漫画、松本大治「デスペラード」に何があったのか [名作紹介]
クィーンの映画、「ボヘミアン・ラプソディ」が大ヒットらしい。
自分がクィーンを聞くようになったのは20年ぐらい前か。
やはりジョジョ第四部の影響だ。
他にも20年ぐらい前に、クィーンを取り上げていて印象に残っていた漫画がある。
松本大治の「デスペラード」だ。
週刊少年マガジンに連載され、単行本1巻は1996年に発刊。
全4巻と短い。
自分が所有する、唯一のバンド漫画である。
高校生になってギターを初めて買った主人公が、謎の凄腕高校生ギタリストとコンビを結成。徐々に仲間が集まり、様々なチャレンジを行うという話。
あまりこの漫画にとって重要なエピソードでもないが、主人公がロックにハマったキッカケが、小学生の時に買ってもらったラジカセ(この時代にメジャーな音楽再生機)で初めて聞いたクィーンのボヘミアン・ラプソディだったから、となっている。
2巻の途中までは文句なしに面白い。
当時、本当に繰り返し読んだものだ。
ギターを手に入れて、練習に励んだぐらいである。
挫折したけど。
色々と不思議な漫画だ。
謎の凄腕ギタリスト、黒須の過去の因縁に決着がつくと連載が三ヶ月中断した。
それが三巻の途中ぐらい。
数ヶ月空いて第二部が始まるが、なんか作風がおかしくなっていた。
最終巻のあとがきには「次回作も精一杯頑張りますのでご期待ください」とあるが、これ以後、松本大治という作家からは何も単行本が出ていないようなのである。当時読んでいて、何か作家としての限界、苦しみみたいなものを感じていた。似たようなことを桐山光侍の「NINKU -忍空-」からも感じた。
デスペラードのあらすじだが、主人公と黒須がコンビ結成した後は、ボーカルのサラが仲間になる。そして遊園地でのバイトの面接官として登場する西田敏行似の西田というドラマーと知り合い、ははあ、次はこいつが仲間になるのかなと思いきや、第一部のクライマックスのコンサートでは、突然見ず知らずの二人が訳知り顔で仲間に加わって最終決戦に挑むのである。西田は最後までバンドメンバーにならない。読んでいてなんじゃあこりゃあと思った。
なかなか気がつかないのだが、おかしな点はもう一つある。
第一部のクライマックスに向けて黒須の過去が明らかになり、話は否応なしに盛り上がっていく。黒須は親友のためにヤクザを半殺しにて、追われる身となっていたのだった。
2巻の最後でヤクザのお礼参りについに尻尾を掴まれ大ピンチ!となるのだが、それ以後そのヤクザは一切登場しないのだった。。。読んでいてあまり気にならないのは、最後の出番が黒須にボコボコにされて簀巻きにされて命乞いした挙句、海に放り投げられて普通死ぬ、という因縁の発端となる回想シーンで終わってるからだろうか。
第一部のラストバトルも変だ。
出番直前に黒須の傷だらけのレスポールを間違えて他のバンドマンが持って帰ってしまったことが発覚。このピンチに、かつての悪役が唐突に再登場して協力を申し出る。気合い入れて探せよと部下二人に指示を出し、手分けしてバンドマンを探しに行くのだが、戻ってきた時は三人一緒という謎(ケータイも無い時代である)。見つかるまでどういうドラマがあったかは一切描かれず、なんか汗まみれで息切らして、大変だった感を出している。
話はあとだ、がジワジワくる。
思うに、なんか色々ゴタゴタがあったんじゃ無いかと思う。
作者はあまり音楽の知識がないんじゃ無いかと分析する人もいる。マガジンは編集者が寄ってたかってヒット作を作るというイメージがある。言いなりになって描いた結果、作品が空中分解を起こす寸前、三ヶ月休載となったのではなかろうか。第二部も面白くなくはないのだが、色々とひどい有様になっている。
ちなみに前述の同じような作家の苦しみを感じた忍空のwikiを読むと、こう書いてある。デスペラードの作者にも当てはまるのではなかろうか。
>度重なる中断に関して桐山は後に「元々、格闘技に関しては、プロレスは好きだったが、テレビ等で見ていただけで、他の格闘技に関しては殆ど知識が無く、忍空の『空(空手)』を描くことが段々出来なくなっていった」と語っている。
ちなみに松本大治は少年ジャンプの「ホップ☆ステップ賞」でデビュー。樹崎聖のアシスタントだったというから、第一志望はジャンプだったのだろう。それがマガジンで連載を始めるのだから、色々と想像してしまう。
デスペラードの最終回で、主人公は黒須と再会する。第二部の相棒も悪くないんだけど、やっぱり黒須はかっこいい。やっぱりこれだなあと思う。迷走感も何処へやら。きっちり良い感じに締めてくれる。二人が最後に弾く曲がイーグルスの「デスペラード」。この漫画を読むまでは「ホテルカリフォルニア」しか知らなかったが、大好きな曲が一つ増えた。
自分がクィーンを聞くようになったのは20年ぐらい前か。
やはりジョジョ第四部の影響だ。
他にも20年ぐらい前に、クィーンを取り上げていて印象に残っていた漫画がある。
松本大治の「デスペラード」だ。
週刊少年マガジンに連載され、単行本1巻は1996年に発刊。
全4巻と短い。
自分が所有する、唯一のバンド漫画である。
高校生になってギターを初めて買った主人公が、謎の凄腕高校生ギタリストとコンビを結成。徐々に仲間が集まり、様々なチャレンジを行うという話。
あまりこの漫画にとって重要なエピソードでもないが、主人公がロックにハマったキッカケが、小学生の時に買ってもらったラジカセ(この時代にメジャーな音楽再生機)で初めて聞いたクィーンのボヘミアン・ラプソディだったから、となっている。
2巻の途中までは文句なしに面白い。
当時、本当に繰り返し読んだものだ。
ギターを手に入れて、練習に励んだぐらいである。
挫折したけど。
色々と不思議な漫画だ。
謎の凄腕ギタリスト、黒須の過去の因縁に決着がつくと連載が三ヶ月中断した。
それが三巻の途中ぐらい。
数ヶ月空いて第二部が始まるが、なんか作風がおかしくなっていた。
最終巻のあとがきには「次回作も精一杯頑張りますのでご期待ください」とあるが、これ以後、松本大治という作家からは何も単行本が出ていないようなのである。当時読んでいて、何か作家としての限界、苦しみみたいなものを感じていた。似たようなことを桐山光侍の「NINKU -忍空-」からも感じた。
デスペラードのあらすじだが、主人公と黒須がコンビ結成した後は、ボーカルのサラが仲間になる。そして遊園地でのバイトの面接官として登場する西田敏行似の西田というドラマーと知り合い、ははあ、次はこいつが仲間になるのかなと思いきや、第一部のクライマックスのコンサートでは、突然見ず知らずの二人が訳知り顔で仲間に加わって最終決戦に挑むのである。西田は最後までバンドメンバーにならない。読んでいてなんじゃあこりゃあと思った。
なかなか気がつかないのだが、おかしな点はもう一つある。
第一部のクライマックスに向けて黒須の過去が明らかになり、話は否応なしに盛り上がっていく。黒須は親友のためにヤクザを半殺しにて、追われる身となっていたのだった。
2巻の最後でヤクザのお礼参りについに尻尾を掴まれ大ピンチ!となるのだが、それ以後そのヤクザは一切登場しないのだった。。。読んでいてあまり気にならないのは、最後の出番が黒須にボコボコにされて簀巻きにされて命乞いした挙句、海に放り投げられて普通死ぬ、という因縁の発端となる回想シーンで終わってるからだろうか。
第一部のラストバトルも変だ。
出番直前に黒須の傷だらけのレスポールを間違えて他のバンドマンが持って帰ってしまったことが発覚。このピンチに、かつての悪役が唐突に再登場して協力を申し出る。気合い入れて探せよと部下二人に指示を出し、手分けしてバンドマンを探しに行くのだが、戻ってきた時は三人一緒という謎(ケータイも無い時代である)。見つかるまでどういうドラマがあったかは一切描かれず、なんか汗まみれで息切らして、大変だった感を出している。
話はあとだ、がジワジワくる。
思うに、なんか色々ゴタゴタがあったんじゃ無いかと思う。
作者はあまり音楽の知識がないんじゃ無いかと分析する人もいる。マガジンは編集者が寄ってたかってヒット作を作るというイメージがある。言いなりになって描いた結果、作品が空中分解を起こす寸前、三ヶ月休載となったのではなかろうか。第二部も面白くなくはないのだが、色々とひどい有様になっている。
ちなみに前述の同じような作家の苦しみを感じた忍空のwikiを読むと、こう書いてある。デスペラードの作者にも当てはまるのではなかろうか。
>度重なる中断に関して桐山は後に「元々、格闘技に関しては、プロレスは好きだったが、テレビ等で見ていただけで、他の格闘技に関しては殆ど知識が無く、忍空の『空(空手)』を描くことが段々出来なくなっていった」と語っている。
ちなみに松本大治は少年ジャンプの「ホップ☆ステップ賞」でデビュー。樹崎聖のアシスタントだったというから、第一志望はジャンプだったのだろう。それがマガジンで連載を始めるのだから、色々と想像してしまう。
デスペラードの最終回で、主人公は黒須と再会する。第二部の相棒も悪くないんだけど、やっぱり黒須はかっこいい。やっぱりこれだなあと思う。迷走感も何処へやら。きっちり良い感じに締めてくれる。二人が最後に弾く曲がイーグルスの「デスペラード」。この漫画を読むまでは「ホテルカリフォルニア」しか知らなかったが、大好きな曲が一つ増えた。
DESPERADO 全4巻完結(少年マガジンコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]
- 作者: 松本 大治
- 出版社/メーカー: 講談社
- メディア: コミック
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