少年漫画の鬼門、歴史漫画に挑戦した北崎拓の「ますらお」

少年漫画で歴史モノは鬼門である。

作者が描きたいものはずっと後の方にあるし、全部描き切らないと打ち切りと見なされるし、人気が無いからといってトーナメント戦に路線変更も出来ない。でもある程度人気を確保した作家はやりたがる様なのである。



「ますらお」は、それまでエロい恋愛漫画家というイメージだった北崎拓が、満を持して週刊少年サンデーで始めた歴史漫画。源義経が主人公。

とにかく上品に描いてるなーという印象。
絵が森秀樹化してるのが気になる。森秀樹も昔はあんなんじゃなかったんだが。歴史漫画が描きたい作家はみんな平田弘史とか白土三平のタッチに憧れるものだろうか。



ワンピース以前、漫画やアニメに出て来る海賊にありがちな勝ち気な女頭領も登場。この辺の描写はエロ漫画家の本領発揮。日焼けのあとまできっちり作画していて「わかってる」感じだ。



単行本は８巻、1996年に完結。
義経の最後までを描き切ることなく終っている。
やはり上品すぎたかなと思う。主役の仲間がオッサン顔ばっかりというのが少年漫画っぽくない。反省したのか奥州藤原編では美形の仲間が加わるんだけど。ライバルもシャアというよりクロノクル的なヘタレだしなー。

ますらお 1―秘本義経記 (少年サンデーコミックススペシャル)

• 作者: 北崎 拓
• 出版社/メーカー: 小学館
• 発売日: 1994/10
• メディア: コミック

秘本義経記―ますらお (1) (小学館文庫)

• 作者: 北崎 拓
• 出版社/メーカー: 小学館
• 発売日: 2004/11
• メディア: 文庫

タグ：北崎拓