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日大アメフト部と同じ?23年前の相手選手の右腕破壊を狙った作戦を後悔!「河合克敏本」 [注目作品]

日大帯をギュッとね!.png

7月18日に小学館より出版された「漫画家本Vol.5 河合克敏本」収録の作者インタビューにて、23年前に完結した「帯をギュっとね!」の最終決戦である千駄ヶ谷学園に対する浜松高校の作戦について、先のパワハラ問題を起こした日大アメフト部と同じだと後悔してることを明らかにした。

河合克敏は書道漫画「とめはねっ!」や、競艇漫画「モンキーターン」で知られる漫画家。「帯をギュッとね」は連載デビュー作で、現在も根強いファンを持つ作品。全30巻。カジュアルに楽しんで柔道に励むことを基本コンセプトに置いた作風は、今なおオンリーワンだと思う。

そんな作者が「日大と同じ」だとして後悔するのは、春の高校選手権大会決勝における主人公チームである浜松高校のたてた作戦。相手選手の右腕を二人がかりで痛めつけ、勝機を狙うというもの。これが今年5月に起こった、相手選手を負傷させるように監督が指示した事件と同じだというのだ。描いた直後から修正したいと思いつつ、叶わなかったそうだ。

>あの決勝戦は一点だけ失敗している部分があるんです。それは橘を倒すために斎藤の前に戦った三溝が関節技で橘の右手を集中して狙う、というシーンで、最低限ルールの範疇なんだけど、結果的に橘の右手を負傷させている。橘はあの時点で最強の敵で、それをなんとか倒すために考えた作戦だったんだけど、これって先ごろ大学のアメフトの試合で問題になった一件と近いことじゃないですか?このシーンは最終巻を出した直後から後悔しているところで、でもすでに出してしまった後だからどうしようもなくて、スポーツの中で起きるケガと事故ということをあらためて考えるキッカケになったわけです。そして、それは次作の「モンキーターン」で重要なテーマとなってくるんです。

とりあえず5月に起こった事件を7月発売の本で語っているというのもすごい話だ。読んでいて、これを日大アメフト部と同じとするのは、ちょっと厳しすぎるんではと思った。

まず柔道は格闘技だ。
襟を掴みに行きつつ殴るとかは論外だが、投げや関節技で相手を消耗させるのは当たり前の行為だと思う。加えて2番目に橘と対戦した斎藤とはフィジカルの差が激しい。相手の橘は188cm120kgの高校ナンバーワン選手。斎藤は173cm68kgである。最初に橘の負傷を狙った三溝が195cm110kgだったとはいえ、まともにいったのでは勝ち目がない。団体戦なので至極真っ当な作戦だと思うが、帯をギュッとね!のカラーに合わないという意見も完全には否定できない。

 
近年、柔道の行き過ぎたスポーツ化を危惧する声もある。
ルールもだいぶ変わり、自分が好きだった「双手刈り」という技も反則になった。見栄えを重視すると、だんだん格闘技の本質から離れてしまうのはどの競技も同じだ。

 

漫画家本vol.5 河合克敏本 (少年サンデーコミックススペシャル)

漫画家本vol.5 河合克敏本 (少年サンデーコミックススペシャル)

  • 作者: 河合 克敏
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2018/07/18
  • メディア: コミック





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