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漫画史上他に類をみない敵キャラのデザインが必見!やまと虹一の「プラモ狂四郎」 [シリーズ]

年取って「プラモ狂四郎」を読み返すと、なんかジワジワくるのがオタク描写。作画のやまと虹一がガンダムやプラモに詳しくなったのは今作が始まってからだそう。だから、こっち系の人たちってこういう感じでしょという容赦ない解釈が、作品にリアリティと新鮮さを醸し出しているような気がするのだ。こんな敵キャラクターの造形は普通ありえない。
プラモオタク1.png

続編の「新プラモ狂四郎」が打ち切られたのは、正当な売れ線の少年漫画を目指したために、いかにも記号的で、陳腐なキャラクターしか描けなかったことに一因があると思う。


「プラモ狂四郎」におけるオタク描写で一番好きなのは、納品されたシミュレーションゲームのグッズが入ったダンボールを、狂四郎の敵となるマニア学生たちが物色するシーン。リーダーの名前が「蔵井(暗い)と、ほんと容赦ない。
プラモオタク2.png
ちなみにここで言うシミュレーションゲームというのは、近年島本和彦の「アオイホノオ」でも紹介された、ルールが複雑で、やたら面倒臭くて時間がかかるアレである。
プラモオタク3.png

プラモオタク4.png
やったことはないが、昔バンダイが力を入れて販促していたアナログゲーム、パーティージョイシリーズ「スパイラルゾーン」を買ったことがあるので面倒臭さの一端は垣間見た。RPGもそうだが、数年経つとこういった面倒さをコンピューターが全て解決してくれたから「大戦略」とか「信長の野望」とかで楽しく遊べたわけだ。いい時代に生まれたものだ。

 

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元祖ガンダムビルドファイター「プラモ狂四郎」。そのプラモシミュレーション再現への挑戦の歴史 [シリーズ]

ロボットはかっこいいけど、話がポカーンだったガンダム。
そんな子供の頃の自分が熱狂したガンダムが「プラモ狂四郎」
VR的な機械を使って、自作のプラモで戦う漫画だ。
プラモ2.png
このプラモシミュレーション、当時読んでいて、「いますぐは無理だけど、数年すれば実現可能なんじゃ無いか?」と思わせるワクワク感があった。しかし1982年の連載開始から36年経っても実現していない。
プラモ4.png

プラモ狂四郎に憧れたかどうかは分からないが、1996年にプレステで『ZEX-D』(ゼクシード)というゲームが発売された。同梱のプラモのデータがゲームに反映されるという、まさにプラモ狂四郎のようなコンセプト。シリーズ化の構想もあったようだが、これっきりだったようである。まあそりゃあそうだ。やったことはないが、おそらくパーツの内部に仕込まれた電子回路を使って、パーツの差し替えデータを送り込むという仕組みだろう。任天堂のアミーボと同じだ。内蔵チップが肝で、フィギュアなんて飾りです。偉い人にはそれがしらけるのが分からんのです。ちなみに価格が19800円。心意気だけは買う。

 
2006年にリリースされ、現在も稼働してるっぽい「戦場の絆」は、大型筐体でガンダムのコクピットを再現したアーケードゲームで、まさに夢にまで見たプラモシミュレーションの世界だ。プラモは関係ないけども、よくよく考えてみるとプラモはどうでもよく、ガンダムに乗り込んで戦いたいのが本質だったと気づかされる。

 
『ZEX-D』、「戦場の絆」に共通するのはポリゴンだ。
それ以前のゲームの表現技術ではプラモシミュレーションの再現に近づけるのは困難だった。ゲーム会社でポリゴン表現への先陣を切ったのは1988年のナムコ「ウイニングラン」というレースゲーム。1996年に同じナムコからアーケードでリリースされた「トーキョーウォーズ」は、ポリゴン表現された戦車による通信対戦ゲームだが、企画当初はロボットものだったそうである。しかし、プロデューサーの澤野和則が待ったをかけたそうだ。

>ロボットなんて初めて遊ぶのにどうやって操作したらいいか分からないじゃないですか。誰も乗った人が居ないのに。そんなしちめんどくさいものをテーマにするんじゃないよ!って怒って、戦車ならよく分かるだろ?って。
(「ギャラクシアン創世記 澤野和則伝」より)

わかってないなあ、と思う。ちなみにこれに対し、聞き手が「一般の人が戦車に乗ったことがあるのか?」とツッコミを入れている。

 
わかっているのは日本人よりも外人だったようだ。
1990年に「バトルテック」という大型筐体&ポリゴンで表現された通信対戦ロボットバトルがあった。日本でも92年に稼働していたそうだが、全く見たことがなく、雑誌で仕入れた知識しかない。なんと1プレイ1000円。だから流行らなかったのか。なんか大学生がサークル作って遊んでいるとかいう記事を読んだことがある。戦場の絆は1プレイ500円だ。プラモシミュレーションは金がかかる。クラフトマンのマスターは狂四郎から金をとっているのを見たことがないのに。
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(「LOGiN」1995年6月16日号)

2002年のXbox用ゲーム「鉄騎」は大型専用コントローラーを同梱し、家庭用ゲームにありながらコクピット感を演出した。価格は19800円だったそうである。『ZEX-D』と同価格。こちらもあまり売れなかったようだが、ゲーム史に残る伝説となった。

今年秋に、スクエニからアーケードでリリースされる「星と翼のパラドクス」は「大型筐体」「通信対戦」「ポリゴン表現されたロボット」と、久しぶりにプラモシミュレーション魂を感じさせるゲームだ。密閉型ではないので「戦場の絆」からは退化している感もある。

やはり「戦場の絆」がプラモシミュレーションに最も近いというのが結論になるか。プラモ狂四郎から24年かかって「戦場の絆」。それから12年、大きな技術革新がないわけだ。プレイヤーを気絶させたり、プラモをぶっ壊す技術の到来が待たれる。
プラモ1.png

 




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狩撫麻礼追悼!「ハード&ルーズ」に学ぶ男の生き様!!5 [シリーズ]

引き続き「ハード&ルーズ」の名作回を発表して行く。
ただ、男の生き様が重要なテーマゆえに言語化すると陳腐になってしまう名作回も多い。ひとまずインスタ映えしそうな、構成が秀逸な名作回と断っておく。

第1位
「聖バレンタインデー」

銀座で独り、ダンボールを積んだリヤカーを引く男。
どこか十字架を背負ってゴルゴダの丘へ進むキリストのようで人目を引いていた。

一流会社に勤めるお嬢様がその男に恋をする。
同僚を引き連れて男の身元調査を依頼してきた。
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素敵なんです…。
「きっと何か訳がある方に違いありません。新劇の俳優さんが修行してるとか孤高の天才詩人だったりとかあたしたち色んなこと妄想してますの。」
バレンタインデーの日までにどうしても知りたいんです。引き受けてくださいます?」

軽く依頼を引き受ける探偵事務所のムードメーカー良平。
何か不安を感じるという女性探偵の陽子。
苦々しい顔をしながら遠くから依頼を聞いていた土岐にコメントを求めるも、土岐は依頼カードを放り投げ、無言で退出。

調査を開始。
普通にホームレスな生活をしているターゲット。
道を尋ねるふりをして話しかけるも、ターゲットは少し狼狽した風な表情を見せて無視。

ホームレス仲間を懐柔して情報を集めると、男がなんの変哲もないホームレスだとわかるついでに、何か説教される。
バレンタイン2.png
「要するに…だ。おめえたちは図々しいんだよッ」
「俺たちゃ他人(ひと)が恐ろしくて恐ろしくて口も利けねーほど恐ろしくて…こーゆー具合になっちまったのよ」
「あの男にも”いわく”なんぞはありゃしねえ。ただの神経症だァな。」
お…おめえたちは平気で他人を傷つけやがるんだ。だからヌケヌケと世の中を渡っていけるんだよゥ。

「押しても引いても彼氏はあーゆーヒトみたいです」と依頼人に報告する良平。
依頼者の島田ユカリはもうラブレターまで用意してあるという。お別れにせめてチョコレートだけでも渡したら?と提案する同僚。素敵なケジメだと話は決まる。
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「男は突然ハンマーを島田さんの顔に振り下ろし…」
「男はその場で駆けつけた銀座署員に逮捕されました。幸いに島田さんは全治三週間ほどの…」
ニュースに驚愕する探偵事務所員たち。

なんとも言えない顔をしながら、背中越しに所員の報告を受ける土岐。
落ち込む良平。
とても渡せる状態じゃないと、チョコレートを捨てる女性探偵たち。

土岐は独り酒場で飲みつつ、
「俺は断固あの男を支持する。」
と心の内で呟きグラスを置く。
バレンタイン4.png
 
この話で土岐が喋るのは最後のひとことだけ。
その内情まで完璧にわかったとは思えないが、何か頷いてしまう。
土岐もこの結末までは予想していなかったと思う。

世の中には「良かれと思って」とか「話せばわかる」が通じない世界があるという畏怖が足りなかったのかなあと考える。浮浪者に恋するOL。なんか面白い話だし、やってみて損はないんじゃない?と、電車男の掲示板を読んでいるみたいに気軽に後押ししてしまうかもしれない。

実際に起こりそうな話ではある。
色々と想像の余地を残す読後感。これが俺の選ぶ「ハード&ルーズ」名作回1位だ。

 

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狩撫麻礼追悼!「ハード&ルーズ」に学ぶ男の生き様!!4 [シリーズ]

引き続き「ハード&ルーズ」の名作回を発表して行く。
ただ、男の生き様が重要なテーマゆえに言語化すると陳腐になってしまう名作回も多い。ひとまずインスタ映えしそうな、構成が秀逸な名作回と断っておく。

第2位
「孤独」

あまり裕福でもないカップルが街を歩いていると、老紳士から声をかけられる。
「アルバイトしませんか?」

場外馬券場で払い戻しを受け取って帰ってくるだけで、報酬として1割を支払うという。
カップルが窓口に馬券を渡すと、750万の札束が出てきて驚愕する。
息を荒くしながら老紳士の元に戻ると、約束の1割、75万がカップルに手渡された。
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「万馬券の飛び出すレースはなんとなくヒラめくんだよ。ほぼ百発百中といってもいいぐらいにね。」天ぷら屋でカップルに語る老紳士。
「どうして御自分で払い戻されないんですかァ?」
何度も同じ人間が大金を払い戻してれば必ず悪い奴らにつけ狙われるものなんだよ。キミたちのような信用のおけそうな若い人に一回限りのアルバイトを頼めばそんなことも起こらんでしょうが。」

カップルは専門学生。将来は二人で美容院をやるのが夢だという話をニコニコしながら聞いていた老紳士だが、男が「そうか競馬ってそんなに儲かるのかァ…」とポツリと呟いた言葉に「いけない!!」と声を荒げる。「ギャンブルで儲けているのは胴元だけなのさ。ワシのような超能力の持ち主は例外なんだよ。わかるね。妙な考えは捨てなさい」と微笑む。

 
今日も競馬で負けた貧乏探偵土岐。チンピラから依頼の呼び出しを受ける。
万馬券専門の勝負師の噂を聞き、拉致して強引に予想を立てさせたいから仲間に加われというのだ。
「競馬なめんな!」と土岐はチンピラの頰を張り飛ばして事務所に帰るが、何か引っかかるものがあった。「万馬券の大量一点買い…払い戻し金の一割を手数料に…。確かに妙な話だ…フム。」

聞き込みを重ね、驚愕の事実にたどり着く。
万馬券2.png
「ありゃどこのバカ者なんかねえ。オッズの万馬券を全部買ってやがるのさ。
「!」
「全部買えば当たるわさ。万馬券が出てばのハナシだけどね。ケケケケ。」

場外馬券場で張り込みを続けると、ターゲットが現れる。ちなみに冒頭の老紳士とは違う中年のスーツの男。男は一点5万円づつ万馬券を購入。駐車場に戻るとベンツの運転席に乗り込み、後部座席にいる男に馬券を渡す。渡された男は冒頭の老紳士だった。

土岐は唐突に車に乗り込む。
「同好の士だ。話がしたい。」

「フム…熱血漢だなキミは。」
「なぜアシを出してまでバカ気た、いや意味不明のことを…」
「ほんのポケットマネーのお遊びなんだよ。目をつぶってくれないかね…。」
「今のレースが75万。もしも万馬券が出なければ1日1000万円ほどの赤字がポケットマネー?」
「…」
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「ワシほど土地運のいい男もそういないだろう。戦後二束三文で買った全国の不動産がことごとく高速道路や新幹線の用地に…。」
「フン…カネ、カネ、カネ、カネ…。医者や議員に仕立てあげたセガレどもはワシが死ぬ日を指折り数えて待っているのさ。キミにわかるかね?老人の孤独が…。」
払い戻し金を持ち逃げされたことは一度もない。万馬券の一点買いが尊敬の念を抱かせ、上気した表情でワシの元へ帰ってきてくれるあの若いコたち…。ワシは…あの一瞬が買いたくて…。

結局その日は万馬券は出ず、事務所で馬券を破り捨てながら老紳士の言葉を思い出す土岐。
万馬券4.png
「わかるかね?老人の孤独が…。」
「バカヤロウわかってたまるか。そんなことがわからなくて済むように…せいぜい酒量を増やすが得策!酒をあおってひとこと、「長生きは罪」と呟いて話は終わる。

 
自己満足のための想像を絶する暗い情念というか執念。それが露わになるという話が「ハード&ルーズ」には多いが、この話はその中の一つ。万人受けしそうな話だと思う。

次回はついに一位を紹介する。

 

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狩撫麻礼追悼!「ハード&ルーズ」に学ぶ男の生き様!!3 [シリーズ]

引き続き「ハード&ルーズ」の名作回を発表して行く。
ただ、男の生き様が重要なテーマゆえに言語化すると陳腐になってしまう名作回も多い。ひとまずインスタ映えしそうな、構成が秀逸な名作回と断っておく。

第3位。
「無題」

今度は銀座の一流ホステスから初恋の人を探してくれという依頼がきた。なんか同じような話が続くが、恋愛モノは名作回が多いのだ。高校時代の家庭教師で、昔の漫画のテンプレの浪人生みたいな冴えない風貌だ。
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「貧乏でケチで小心でド近眼で臭くてスケベで早漏で…取り柄のない大学生だったなァ」
「あたし彼が初めてじゃなかったよ。ロスト・バージンは中学の同級生だったし」
「あれから10年経ったんだ。長いよね10年て。忘れてたんだスポーツ新聞の”初恋のヒト探します”見るまでは…」
「でもその時、ああ、あの男が初恋の男だったな…って気がついたの。」

例によってアッサリ見つけて会う段取りをつける。
ホステスが見たターゲットは、立派な紳士になっていた(ちなみに彼女持ち)。
道を聞くふりして接触してみるものの、男は気づかず。
ホステス2.png
化粧のせいで気づかなかったのではと推測する探偵事務所員。
ホステスは泣く。
「負けちゃった。あんなにキレイになっちゃうなんて…。」
ホステス3.png

かける言葉が見つからない探偵事務所の面々だったが、ホステスはサバサバした顔。
ホステス4.png
「そんなに深刻な顔しないでよ。別にどーってことじゃないもん。」
「あの頃あたしってお尻が軽いとゆーかフリー・セックス気味だから彼以外にも何人も男がいたのよ。そのことでずいぶん痴話ゲンカしたわ。別れ際にあの人こう言った。おまえの肉体は男を狂わす。お前は先々きっと水商売で成功するだろう…ってね。」
「嫉妬が言わせた捨てゼリフだと思ってたんだ…。10年…これでも結構いろんなことしてきたのよ。その度に男関係でモメて転職…すっかり遠回りしちゃった。」
「今わたし充実してるんだ。わかる?ライフワークだもん。毎日男に口説かれて節句巣してお金貯めてゼイタクしてもう楽しくて楽しくて…。今でも貧乏で汚くてスケベでモテなくて安アパートで時々あたしのこと思い出してオナニーしてるに違いないって勝手に決めていたんだ…。あの男の前に突然現れて”ホラ、あんたが予言してくれた通りになったよ。もう一度抱いてもいいんだよ”…って言うつもりだった。
「あんなに遠くに行っちゃうなんてさ…(もう一度泣く)」

 
よくよく考えると、振られた女を見返してやりたいと言う誰もが持つセコい願望の漫画化なのかもしれないが、ホステスのキャラクターをデティール細かく描写しているおかげか薄っぺらさがまるでない。課長島耕作の馬島典子みたいなサバサバしたいい女だ。

 

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狩撫麻礼追悼!「ハード&ルーズ」に学ぶ男の生き様!!2 [シリーズ]

前回の記事をアップしてから変なことに気づいた。
ハード&ルーズのことを書いた2018年1月14日その日に小学館が狩撫麻礼の訃報を公表して驚いたということを書いた。

そして関連記事として過去に書いた狩撫麻礼の記事にリンクを貼った時に気づいたのだが、その記事を書いたのが2017年の1月14日だったのだ。

↓記事のURL末尾から書いた日付がわかる。

◆男の生き様漫画の金字塔「ハード&ルーズ」の同作者による同じような漫画2作見つけた
http://omakedvd.blog.so-net.ne.jp/2018-01-14
◆劇場用アニメ化すれば「君の名は。」以上のメガヒット間違いなし!と俺は思うんだよなあ、木崎ひろすけの「少女ネム」
http://omakedvd.blog.so-net.ne.jp/2017-01-14

俺は二年連続、同じ日に狩撫麻礼について書いたわけだ。そして死の公表が同じ日にあった。すごいといえばすごいが、すごい微妙だ。ちなみに実際に狩撫麻礼が亡くなったのは7日だそうである。
探偵ナイトスクープで、水木しげる大好きな子供二人を引き合わせた当日に水木しげるが亡くなるという話があったが、こういうのはなんか磁場が働くのだろうか。

 
さて、予告通り「ハード&ルーズ」の名作回を発表して行く。
ただ、男の生き様が重要なテーマゆえに言語化すると陳腐になってしまう名作回も多い。ひとまずインスタ映えしそうな、構成が秀逸な名作回のベスト4と断っておく。

第4位。
「持続」

土岐は初恋の人を探して欲しい的な依頼を受ける。
依頼主はプレイボーイの青年実業家。
1000人斬りの記念の一人として、小学校時代の担任の先生を口説きたいのだという。
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こんな男に1000人もの女性が股を開いたという事実に眩暈を覚える土岐だったが、それと同時にある疑念を抱く。
「その先生は現在50歳を越えてるのでは?」
「当然そうなるよな」
「婆さんを口説くわけ?」
「八千草薫の例がある」
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八千草薫といえば品の良いおばあちゃんという印象だが、この漫画は30年以上前に描かれているので当時は今でいう美魔女だったのだろう。依頼主はいろんな女性を見てきた経験から、先生はそのタイプだと確信しているという。

人探し自体はプロにとってごく初歩的な手段で解決。
ターゲットは田舎に引っ込み、家業の雑貨屋で働いていた。
その姿を見た土岐は呆然とした顔で店を後にする。
宿泊先のホテルで少し迷いつつも、依頼主とターゲットを会わせる段取りをつける。

「どうだった?やっぱり八千草薫だったか?」
「いやまあその…やはり寄る年波には…」
「…」
「ま 女性の好みは主観的な問題だから何とも…」

今、タバコ屋の店番をやってますと土岐に告げられ、会いに行く依頼主。
そこにいたのはシワくちゃで愛想のないおばあさんだった。
八千草3.png
「悪いけど両替はお断りだョ」
「ラ、ラークを2個。」

帰りの飛行機で深くため息をつく依頼主。
その姿を見ながら土岐は「ハードでルーズな俺の職業意識。誰がこんな野郎に八千草薫を渡すものか…。」とほくそ笑む。

カメラは先ほどのタバコ屋に移る。
「お母さん、店番変わりましょうか。」
老婆に代わって店に座ったのは美しさを維持したままの先生だったというオチ。
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狩撫麻礼追悼!「ハード&ルーズ」に学ぶ男の生き様!! [シリーズ]

こないだ「ハード&ルーズ」という名作漫画の記事をアップしたその日にニュースで原作者・狩撫麻礼の訃報を知った。ということで、いつかやろうと思っていたことを緊急に。数回に分けてハード&ルーズの名作回を紹介したい。

ウィキによると連載期間は1983年から1987年の4年間。初期単行本7巻。作画はかわぐちかいじ。なんとアニメ化も果たしている。いわゆるハードボイルド探偵物だ。ハードボイルドとは何か?語るほど詳しくないが、自分の理解では、世渡り下手を理解しつつも突っ張って生きる男の生き様ジャンルだ。

今回は第一話「5000gの恋」を紹介する。

主人公の貧乏探偵・土岐正造は芸能事務所社長からの依頼を受ける。
ある男、不動産屋の会社員と親しくなって指定の場所に連れて行き、ある女性と会わせて欲しいという謎の内容だ。

そこは不器用探偵である。
コミュ障なことを再認識し心が折れかける。その矢先、ターゲットがチンピラに因縁をつけられた。ターゲットが相手にわざと殴らせてから一発で殴り返してKOする姿に心を打たれた土岐は加勢する。
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それをキッカケにターゲットと本当に意気投合してしまう。
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しばらくして、土岐はターゲットを指定の場所であるBARに連れて行くが、偶然そこで有名女優を見かけて狂喜乱舞する。サインを貰おうとしてチラリと連れの顔を見て異常に気づく。なんとターゲットと有名女優はかつて恋人同士だったのである。
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依頼を達成した探偵だったが、数日後依頼者から二人が失踪したと連絡を受ける。依頼の目的は女優の減量だった。大型の仕事を取り付けるための条件、5kgの減量が達成できず難儀した結果、昔無理やり引き離した恋人と再会させ、燃える様なセックスで痩せさせるという筋書きだ。減量は達成できたものの、駆け落ちされてしまったのだ。

芸能事務所社長は心当たりはないかと土岐に懇願する。
三日後、「二人で幸せになる」と書かれたターゲットからの絵葉書が土岐の元に届く。依頼者からの巨額の報酬に一瞬逡巡するも、ハガキをタバコの火で燃やしながら「俺はハードでルーズな探偵だ。ココロアタリハアリマセン…」とカッコつけるのだ。かっこいい!
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次回からはハード&ルーズの名作回ベスト3を発表して行きたい。

 
◆関連過去記事◆
「劇場用アニメ化すれば「君の名は。」以上のメガヒット間違いなし!と俺は思うんだよなあ、木崎ひろすけの「少女ネム」
http://omakedvd.blog.so-net.ne.jp/2017-01-14

 

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結末は感電死ならぬ大爆死!実写版「ジョジョの奇妙な冒険」を見てきた。2 [シリーズ]

実写映画「ジョジョの奇妙な冒険」。
映画の内容を思い返しながらネタバレ全開で思いついたことを書いておく。
でもこの話は「今思い返してみれば」という僕の推測が入っているからね。。。

オープニングはアンジェロの逮捕シーンから。

ヘリにパトカーに、かなり大掛かりにアンジェロの占拠するアパートを包囲している。アパートからしてかなりスペインロケな感じが伝わってくる。中で悠然と食事をするアンジェロ。釘で柱に打ち付けられた陰茎も表現するのかドキドキしたが、それはなかった(どこかに映っているのかもしれない)。中に踏み込む東方良平。出世しなかった男だが、こんな先陣切って踏み込むなんてあるのだろうか。逃走するアンジェロの前に虹村兄が登場。スタンドの矢に射抜かれ、流れた血が水たまりに流れ込み異変が起こる。うまい演出である。

場面変わって登校前の広瀬康一が登場。ピンクダークの少年の単行本やポスターを部屋に飾っている。TVでは何かニュースが流れている。自転車で登校する康一。背景に映し出されるスペインの街並みだが、あまり違和感がない。幾ら何でもこんなとこは日本にはないだろうというギリギリのビジュアルを成功させている。ところでエキストラも渡航させているのだろうか。現地で日本人を調達?とにかくお金がかかっている。これは続編難しいぞ。

自転車の康一を無理やりとうせんぼして通行料を取ろうとする不良学生。そこに現れる仗助。髪型をけなされクレイジーダイヤモンドでぶん殴るのは原作と同じだが、鼻の形が変形するという黒歴史設定は無くなっていた。吹っ飛んだ不良の下敷きになって折れ曲がった康一の自転車のスポークをさりげなく直すというアレンジが加えられた。

教室についた康一の前に現れる山岸由花子。
転校二日目の康一の世話係を命じられているという新設定が面白い。康一のために夜なべして作った英語の分厚いテキスト。江戸時代の書物のように紐で製本され、文字はおろかデザイン的な模様までびっしり書き込まれているのがキチガイっぷりを表現できていて面白い。ここが一番面白いシーンかもしれない。

下校中、仗助の前に現れる空条承太郎。
映画版のスタンドのデザインも鮮明になる。忠実なのは良いのだが、どうも実写に馴染んでないような気がする。ちなみにここではクレイジーダイヤモンドが承太郎の帽子を変形して直すという黒歴史設定が忠実に再現されている。場面が戻って、また承太郎の帽子が元に戻っている。承太郎なら同じものを何着も持ってきていてもおかしくないが。

場面変わって、街中でナンパを行う二人のチンピラ。かなりスマートとはいえない感じだ。そこに東方良平が現れ、チンピラの一人がかつて良平が世話され、恩義を感じている関係だとわかる。街を守るという良平のキャラをうまく原作以上に表現している。良平と別れたチンピラは公園ではしゃいでいたところ、アンジェロの癇に障ってしまう。これがコンビニ強盗に繋がると理解した時、すごく悲しい気持ちになった。いいアレンジである。

映画版は國村隼演じる東方良平がかなり目立っていて、ちょっとうざいぐらいだ。東方朋子役は何と観月ありさ。再現度高い。しかしこの女優さん、年取ったなあと思う。ついでに伊勢谷友介も線は細いがなかなか承太郎感が出ている。けれどもやっぱり皺が気になった。
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(尺の都合でカットされたのだろうが、このシーンは見てみたかった。三池監督だったら一応撮ってるんじゃないかなあ)

アンジェロは東方朋子の殺害に失敗。仗助に捕獲される。原作通り、酒瓶に偽装して脱出。良平の殺害に成功する。なかなか重いシーンに仕上がっていてよかった。しかしアンジェロが雨を待っていることに承太郎が曇り空の段階で気づいており、原作の「雨だと?」からのアクアネックレス奇襲シーンがなかったのは残念。
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葬儀の前、良平がいかに懸命に街を守ろうとしていたか、娘の朋子が語る。これが吉良吉影と杉元鈴美の話だということに後で気がついた。洋式の葬式シーン中、虹村兄の姿を見かけた仗助がそれを追いかけ、虹村邸にたどり着く。原作では近所だったが、映画版は海沿いだ。億泰との戦闘。原作もピンとこない結末だったが、映画版も気がついたら終わっていた。初見で理解できた人はいたのだろうか。立禁止看板はミシミシいっていて、削り取られた感が原作より出ている。

矢で射抜かれた康一を囮に、邸内に仗助を引き入れる虹村兄。兄に見捨てられた億泰が仗助を助けるシーンは原作でも好きなシーンだが、少し駆け足感。バッド・カンパニー登場シーンも一匹かと思いきや集団、という原作とはちょっと違う登場の仕方をする。弾幕をクレイジーダイヤモンドのラッシュで防ぐのは原作と一緒だが、実写でやると違和感がある。エコーズはさっさと卵から出てしまうが、特にスタンド能力の発動は無し。

仗助の助命嘆願する康一だが、虹村兄は「バッド・カンパニーに指示した命令は、完了するまで取り消せない」という映画の新設定を説明。それがクレイジーダイヤモンドで直したミサイルを撃ち落せなかったという説明になっているが、果たして必要な設定だったのだろうか。「まにあわー!」という名台詞が聞けなかったのは残念だ。
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虹村父が登場。写真を直すシーンは原作屈指の名シーンだったが、あまり上手く演出できているとは思わなかった。他の人はどう思っただろうか。さて、天窓のガラスに手をつく音石明をどう映像化するのかなと期待していたら、突然サーモグラフィーっぽい映像が挿入。しばらく演出の意図がわからなかったが、突如シアーハートアタックが登場して理解した。億泰をかばった虹村兄の口の中で爆発。木っ端微塵になったので、電線に引っかかってる名シーンは無しで残念。
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ラスト、この位置で「俺がこの街を守りますよ」という名シーンを配置。エンドクレジットに行くと思いきや、吉良邸の描写。3位のトロフィーや爪の入った瓶。サンジェルマンの紙袋から女性の手!うーむ、続きが見たい!

 
さて、次回は実写化不可能?
実写映画「ジョジョの奇妙な冒険 第二章」のシナリオを妄想してみるよ!

 






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結末は感電死ならぬ大爆死!実写版「ジョジョの奇妙な冒険」を見てきた。1 [シリーズ]

公開から10日ほど経ったのか?
ジョジョの実写映画を見てきた。

感想をざっくり言うと、中ボス戦まで面白い。ラスボス戦は退屈。しかしラストは鳥肌立った、と言う感じ。

4部のアクアネックレス戦からバットカンパニー戦までを映画化しているのだが、山岸由花子のエピソードが入っていたり、腹にナイフを残されてしまうコンビニ強盗がかつて仗助の祖父に更生させられた青年だったのが泣かせられたりと、アクアネックレス戦までのエピソードはアレンジが楽しめる。

ザ・ハンドからバットカンパニーの流れは割と原作に忠実。原作に忠実な方が良いと思うが、見ていて正直眠かった。なぜだろう。ちなみに原作のバットカンパニー戦は好きなエピソードの一つだが、最後にスタンドのミサイルを直して逆転するというオチがリアルタイムで読んでいる頃からどうかと思っていた。映画版はさらにそこから一手間加えてあって、ますます首を捻りたくなる結末になっている。

 
さて、ジョジョの映画版。興行的には大爆死だそうである。内容について評判は良いので、巻き返しもあるかなと思っていた。しかし地方の映画館の平日の朝一とはいえ、立地は駅前で夏休みである。お客さんは5人だった。前日に上映時間を調べた時おどろいたのだが、すでに日に2回しか上映されていない。もうダメかもしれない。。。

続編が作られるかどうかと言うのは、お金をどれぐらい稼げたかと言うのがすべてである。おそらくジョジョの続編が作られる可能性は低いだろう。ソフトが売れたらあるいは、ということはあるのだろうか。そういえばアニメ版も続編が作られないどころかソフト化もされず、幻の作品となってしまっている。ジョジョは映画に向かないのだろうか。

 
どうすれば今回の結果を回避できたのだろう。
爆死ということは、前評判が悪かったということであろう。「ネットの評判」と定義できるものがあったとして、どれぐらい興行に影響を及ぼすものなのだろうか。漫画やアニメの実写化にとって前評判に影響を及ぼすのはそのビジュアルが全てである。原作に忠実かどうかでしか、その映画の成功の可否を観客は予測できない。しかしビジュアルを忠実にすればするほど、映画の質は落ちるのである。素の外見が似ているかどうかは、俳優の演技力と何ら関係がないからだ。

が、「漫画原作を忠実に再現した上に、映画としても面白い作品」はハリウッド映画では何本も制作されている。ぜひ頑張って欲しいところではあるが、アメリカとは制作費も違う。太ったり痩せたり歯を抜いたり、俳優の役作りにも限度があるだろう。実写ジョジョは難易度最高レベルにもかかわらず、かなり頑張っていたと思うが、なかなか写真では伝わりにくいものがあると思う。

帰りに館内の売店でアンジェロ岩の文鎮を買った。1800円もしたが、よく考えてみると900円ぐらいの品だろうか。まあ、続編が見たいので少しでも制作費回収の足しになればなと思う。

次回はネタバレで感想を書いていきたいと思う。

 

ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない第一章ビジュアルブック (愛蔵版コミックス)

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  • 発売日: 2017/08/12
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映画ノベライズ ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 (JUMP j BOOKS)

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  • 作者: 荒木 飛呂彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/07/19
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遥かなる旅路、「ドラゴンボール」その初期構想とは7 [シリーズ]

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強さのインフレを起こすたびにリアリティの崩壊を起こしつつも人気を爆発させてきたドラゴンボール。大人の経済的な事情により、延命を繰り返し続ける作品になってしまった。その初期構想とはどんなものだったのだろう。

漫画史に残る名台詞、「もうちょっとだけ続くんじゃ」。
あの「もうちょっと」とは、どのくらいを指していたのだろう。自分はベジータ戦までだと長年思っていた。しかしランチさんのリストラを考えると、スーパーサイヤ人が登場するフリーザ戦までが「もうちょっと」の範囲だったのだろう。ナッパに「あいつナメック星人だぜ」と言わせ、伏線を張っている。
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自分の中でドラゴンボールのベストバウトはベジータvs悟空&悟飯&クリリン&ヤジロベーである。3倍界王拳かめはめ波の迫力。役に立ったり立たなかったりのヤジロベーの不安定感によるハラハラ。ご飯の大猿化による大逆転。それでも死なないベジータの生命力の凄まじさ。ナメック星のドラゴンボール争奪戦のハラハラも最高。つくづく思う。もうちょっとだけ続いて良かった!と。
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しかし、これで終わりと考えているからか、連載が長期化することによって作品を陳腐化させてしまう場当たり的な設定が色々と顔を出している。

例えば「あの世」の設定。閻魔大王にラディッツをあっさりやっつけさせたのがそもそもまずい。この後に出てくる界王様の偉大さを際立たせたいという狙いだったのだろうが、その界王様よりも強いキャラが続々とあの世に送り込まれてくる展開になるのにどうすんだという話である。だったら聖闘士星矢のように、冥界ではハーデスの結界のせいで力が半減される〜とかやるべきである。
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そしてその界王様。
神よりも上の存在がいたなんてと驚かせておいて、さらにアニメでは大界王様が登場。連載が長期化することによってその設定は公式のものとなり、さらにそのまた上の存在、界王神が登場。大人の事情で再スタートさせた新しいアニメシリーズでは、そのまた上の破壊神が登場。最近では、さらにそのまた上の存在が出てきているらしい。

スカウターは男心をくすぐるアイテムであるが、パワーバランスをインフレさせ、バトルを単なるフォームチェンジしたもの勝ちの展開にさせてしまった最大の戦犯だ。フリーザ第二形態で賞味期限切れになってしまったのに、いまだにセルだのブウだのに戦闘力は幾つだとか盛り上がってる人を見ると、なんだかなあと思ってしまう。次回では、その辺について書こうと思う。


ドラゴンボール 仙豆スナック 【DRAGONBALL】

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